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赤信号が合図


大人になりきれない心を抱えて
どこまでいける?

とおくの、とおくの、とおくまで
きっと行けると思ってた

きっとずっと夜の中で膝を抱えていたって
追い出されないようなそんな場所にも
たどり着けるなんて思っていた

それを通り越して心の底から祈ってた

灰色の希望はいつしか
暗い夢に

冬の、圧雪の下の、土の中で
柔らかな微睡みを続ける蝉の幼虫のようには
なれずに

土の一部
おとなしくも地球に溶けていった

かつてきっとここにも
いくつかの星は降り注いだのだろう

夢よりも鮮明な
けれどももう見ることのできない
知らない記憶の景色

白昼夢の足元から見上げれば
灼熱のような明るい朝日
高層のビルの濃い影は気付けば
やんわり足を食む



気付いてしまえば
気付かなかった頃にはもう
戻れない

それならせめて
幸せな上書きを。
微笑みの多い更新を。
重ねて
まだ見えぬ最果てまでも
咲いては風に舞う桜の絨毯が広がるように


加速していく四季と並走

悲しみで立ち止まらない。
次にも待つ幸せを求めて、春へ。