アメリカは社会が崩壊した
今週、アメリカではコロナウイルス感染による死者数が3万人を超えました。これは世界でも最大の数であり、今のところ死者数200人程度となっている日本と比べたら150倍ほどにあたる膨大な数です。(2位のイタリアは死者数が2万人台)
アメリカの中でも特に悲惨な状況となっているのがニューヨーク。今でもニューヨーク州内では毎日600人ほどが亡くなっており、埋葬などが追い付かないので、増え続ける遺体を一時的に保管するための冷蔵トラックが病院の近くに並んでいます。
医療崩壊も起きています。世界的に話題になっていた動画ですが、ニューヨーク市内の病院で働く医師が、現場の惨状を告発しています。
人工呼吸器が足りない。病室も足りない。病院内の廊下などにも患者があふれています。
医療用のマスクが完全に不足しており、同じマスクを何日も使い続けることを強いられている。医師・看護師をウイルスから守る防護具が全く足りていない。
アメリカでは医療従事者のコロナウイルス感染が非常に多くなってきており、これが医療崩壊をさらに悪化させています。現地で働く日本人医師が現状を語っている日本語記事があるのでご覧ください。
NY日本人医師が警鐘 直面する医療崩壊の実態
アメリカで危機的な状況に陥っているのは医療だけではありません。国民の生活を支える産業にも、危機が起きています。
【アメリカ現地報告】新型コロナで「スーパー店員の死亡が増え始めている」
日本でも、スーパーマーケットやコンビニなどで透明ビニールのカーテンをレジの前に設置する店舗が増えてきましたが、やはり接客業に従事する人たちの感染リスクは高く、アメリカでは日本よりもはるかに悲惨な状況となっています。
もう一つ話題になっているのは、食肉加工産業での感染拡大。大手食肉メーカーの工場で感染が発生し、食料の供給に影響が出ることが懸念されています。
日本語の記事もあります。従業員の間で感染が広がり、死者が発生した食肉加工施設もあったそうです。
高齢者の介護施設で、耳を疑うような惨事が起きています。
米ニュージャージー州 遺体を適切に安置できず 新型コロナ | NHKニュース
警察が調べたところ、施設内の安置所に17人の遺体が積み上げられているのが見つかったということです。
州の保健当局によりますと、この施設ではここ数日のうちに66人が死亡し、このうちおよそ半数の人が新型コロナウイルスへの感染が確認されたということです。
記者の質問に答えた警察の担当者は「入居者が次々と亡くなり、施設の職員の手に負えなくなったようだ」と話していました。
ニュージャージーは、ニューヨークの隣にある州です。かなり感染が広がっています。
ニューヨーク州内でも介護施設がひどい状況です
米NY州 高齢者施設で2000人超が死亡 新型コロナ
また、警察官の間での感染拡大も社会問題となっています。
米NY市警、新型コロナの死者12人に 警官の2割が病欠
6974人が病欠中とのこと。
医療、介護、警察、食品など、社会を支える仕事が機能不全に陥っています。