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おもってたんとちがう
それは息子がまだ、幼稚園に通っていた頃の出来事である。
あともう少しで、夏休みを迎えるという日の事。
舞台は、息子の通う幼稚園である。
まるで昭和時代にタイムスリップしたかの様なパーマ。
スネ夫のママがかけているような、逆三角形の眼鏡。
それ、どこで売ってるの?謎なデザインのワンピース。
あるはずも無いのに、まるで、
頭のてっぺんに、チューリップの花が咲いている様に見える。
息子の通う幼稚園の、名物園長先生である。
「よいこの みなさぁ~~~ん」
「あとなんにちか ねると なつやすみですねぇ~」
今日もまた、すっとんきょうな声で、園児に話しかけている。
まるで、演歌歌手のコブシの様に、ところどころでひっくり返る声が、
何とも言えないユルさ?を醸し出す。
周りにいる、教諭の面々も、ニコニコと微笑んでいる。
園長先生の問い掛けは続く。
「なつやすみにィ~ なるとぉー」
「まいにちィ~ あつくてぇ~」
「つめたいものばかり たべたり のんだりしたくなりますね~」
「ジュースや~ アイスや~ スイカ~」
「おなかわぁ~ ちゃぽん! ちゃぽん! ですね~」
「でも~ ジュースや アイスなどぉ~ たくさん とりすぎるとぉ~」
「どうなっちゃうかぁ~」
「わかりますかぁ~」
園長の演説を一生懸命聞いていた、園児たちは、
沈黙を破り、いっせいに手を挙げ、
周囲は「はい!はい!はい!・・・」と
挙手の嵐となった。
この日、何故か、園長先生リサイタルの、
アリーナ席 最前列中央を確保していた、我が息子。
ひと際、元気よく、天にも届かんばかりの勢いで、
手を挙げている。
しかも自信満々な表情だ。
そして、運がいいのか悪いのか、
園長先生が、回答を指名したのは、
我が息子だった。
園長先生が、「はい!じゃあ、〇〇くん!」
コールが掛かると、周囲のざわめきが止まり、
静寂が訪れる。
大小の瞳が・・・一点に集中する。
満を持して、満面の笑みで、
小さな胸いっぱいに、息を吸いこむ。
「糖尿病になっちゃいまーーーす❤」
終わり。
隠れたる才能を持つ、猛者たちの群雄割拠の中、
清涼の一服となれたら幸いです。
ちょっと短めですが、鉄板の子供ネタで二発目を投下させて頂きました。
子供ネタ、家族ネタ、思い出してみると・・・意外とありますよね~
ご参加を迷っている方、是非、ご参加を~w ご一緒しましょう(^_-)-☆
ささ!一緒にステージへ!!