横須賀は、坂の上に魅力あり?
前回、横須賀の成人式で起きた騒動から流れ、最終的には上町の魅力に展開していった。
少々力技な印象もあり、伝えたいことも伝えきれなかったかもしれない。
なので、今回は横須賀市上町の魅力だけをピックアップし、もう少しハッキリと伝えていこう。
そう、横須賀のこれからは、上町になっていくと予言する!
横須賀市上町。横須賀中央駅降りて、モアーズ側の改札抜けた先にある坂道を登った先(途中)にある町だ。
横須賀市民にとっては図書館や文化会館・自然博物館(こちらは正確には深田台だが)、うわまち病院がある町で馴染みあるだろう。
駅から向かうと、出だしからきつめで長めな坂を登っていくために、大きな用がないといかない人も多いだろう。横須賀に住んでいても馴染みのない人も多いと思われる。
昔は、海側には海軍が多くいたが、この坂上となると陸軍の町になっていたらしい。
また、横須賀市民にもあまり知られていない柏木田遊廓なる遊廓が存在した。京急ストア上町店があるあたりがかつての遊郭跡地になる。筆者も、なんとなく遊廓があった話は聞いていたが、この街に興味を覚え調べてみて初めて明確に分かった。ただ、今となっては言われない限りは遊廓跡地だと分からないくらいに痕跡はない。
そんな遊郭があった歴史自体、横須賀市民でもそれほど人口に膾炙していない事実なのではなかろうか。
詳しくは、上記サイトに丁寧に書かれてあるので一読をお勧めする。
開国以降は、横須賀も軍港都市として栄え、駅周辺や坂上の上町も軍関係の人たちでだいぶ栄えていたようだ。
そのためなのか、上町あたりも三崎街道沿いには商店街が並び、かつての賑わいを感じ取れなくもない。昭和の時代までは、きっとあらゆる商店の活気で賑わいのある一画だったのだろう。
とはいえ、今となっては令和の時代。そんな面影は消え、シャッターが閉じたままの店や、建物そのものがなく空き地になった空間までもあるような寂しげな雰囲気さえ漂う。
そんな街なのだが、横須賀に住んで今年で40年にもなる筆者がようやくこの上町なる空間の魅力に取り憑かれ始めたのだ。
写真を見ながら、その隠れた魅力を追っていこう。
迷路のように入り組む街
まずは、なんといっても細く入り組み、更にはアップダウン激しい道だろう。
まるで、天然の迷路のようだ。
地元住人でなければ、うっかり地図なしに入り込んだら、それこそ出てこれなさそうな場所である。
このような細い道が、三崎街道から少し脇道へ逸れるといくらでもあるのが上町の特徴だ。
どこへ辿り着くかはわからない細道。もちろん、結局辿り着くのはどこかの大きめな通りだったり、巡り巡ってまた三崎街道に出たりするだけなのだが。それでも、このどこか知らない世界に導かれているような雰囲気がミステリアスな魅力を放っているわけです。
図書館がある文化的な街
上町の象徴的存在が、中央図書館である。
上町の更に高台に位置した場所にあり、ここまでくると体力を結構消費させられる。
とはいえ、ここまで来ると横須賀の住宅街が一望できる。決して絶景というほどではないが、高台からの雰囲気というのは爽快で何か特別感がある。
猫のいる細い道を抜けて高台を駆け上がりたどり着いたのが図書館。
はて、どこかで見たシチュエーション?
そう、ジブリ作品『耳をすませば』でのシーンだ。
この高台にある町の雰囲気は、どことなく耳をすませばに出てきた図書館周囲の雰囲気を彷彿させるのだ。作品の聖地といえば『聖蹟桜ヶ丘』になるのだが、この町もどこか似たステキな雰囲気がある。
地球屋はないが、写真の古本屋や他にアンティークショップも上町にもある。
もしかしたら、上町の男爵も?!
新旧入り混じる魅力あふれる店
筆者は、冒頭で寂しげな雰囲気さえ漂うと書いたが、なかなかどうして、実は魅力的な店が目立つのも上町なのである。
前回の記事で「ほんのひといき」さんの記事を紹介したが、その記事では上町に多く残る看板建設について触れられている。上町のお店といえば、間違いなく看板建築という外見が見所である。
しかし、それだけではない。
中身もしっかりしたお店は多い。
上町に興味を示していない横須賀市民も是非注目してほしい。
特にお気に入りは、横須賀コロッケさんのその場で揚げてもらったコロッケ。
揚げたてなのでアツアツでホクホクとしてたまらない!
最近できたばかりの横須賀ジンジャーカフェは、お店の人が非常に気さくに受け答えしていただけた。なにやら、上町近辺の面白い情報発信の場にもしたいとか。
ここに来れば上町のことがわかる、そういう場になるのも面白そうだ。
二階スペースは、貸しスペースにもなるらしい。
広くはないものの、4、5人で遊ぶのにはいいかもしれない。
ここから上町文化が送り届けられる⁈
町の個性的なフォント
こちらは変則的な楽しみ方。
上町の魅力とは少しずれてくる。
個性的は個性的でも、看板などに刻まれた『フォント』を楽しむ。
個性的なお店には、個性的なフォントで店名が刻まれている。
そういう視点で見ると、これらの風景もおもしろく見えてくるのではなかろうか。
何気ない街中で見られる風景も、視点を変えて見てみると面白くなってくる。
最後に
さて、いかがだっただろうか、横須賀市上町の光景。
読者の方々に少しでも坂の上にある町の魅力が伝われば幸いであるが。
坂の上には、少女の空想が広がりそうな様相が満載の町が広がっているのである。
ここでは触れなかったが、深田台にある自然博物館も、古びた展示空間が想像力を掻き立ててゾクゾクとしてくる。
横須賀や相模湾の地質や動植はもちろん、深海魚のホルマリン漬けが展示室の端の人影が少ないところにあって、異質な空間を演出している。
間違いなく、少女の空想とは違う世界ではあるが。
都心や横浜だけではなく、横須賀の他の地域にすらない独特の空気が上町にはある。
読者の皆様も、創造の迷路に紛れ込んで日常に刺激を与えてみませんか?
注意:住宅街を散策するときは静かに周りましょう
支援いただけるとより幅広いイベントなどを見聞できます、何卒、宜しくお願い致します。