「選択と集中~リソース配分から考えるカスタマーサクセス戦略~」セミナーレポート
5月26日開催の「選択と集中~リソース配分から考えるカスタマーサクセス戦略~」へ参加させていただきました。
今回は新卒メンバーのOJTで一緒に参加してみました。
カスタマーサクセスは部署としてお客様の成功の手助けをする役割ではあると思うのですが全社的に取り組んでいくべきマインドかなとも思っています。
備忘録ではないですが、こちらに簡単にまとめさせていただきました。
■登壇者様
・株式会社ODKソリューションズ pottosプロダクトマネージャー 河合 勇治氏
・株式会社AI Shift AI音声対話事業責任者 田島 努氏
【第1部】
何から取り組む?カスタマーサクセスはじめの第一歩
株式会社ODKソリューションズ pottosプロダクトマネージャー 河合 勇治氏
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カスタマーサクセスとは?
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サービス利用の継続にかかる障壁を取り除き
サービスへの定着を図り、利用継続期間を延ばすことで、
顧客から得られる生涯利益(LTV)を最大化する役割
売り切り型のスポットでの利益から
継続利用のサブスクリプション型(定額)へ変化していったため、
カスタマーサクセスはサブスクリプションモデルで大事といわれている
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サブスクリプションビジネスの特長
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所有から利用へ変化していった
顧客は低コストでサービスを開始できるので、乗り換えが容易になっている
サブスクリプションビジネスの特徴として
顧客獲得にかかるコストの回収に一定期間を要することが挙げられる
既存顧客の契約継続は大きな利益になる
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カスタマーサクセスの役割
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サービスの解約を防止とアップセル単価アップやクロスセル関連サービスの提案の実施を行う
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業務設計のヒントについて
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■カスタマーサクセスの現状
・少人数
・カスタマーサポートとの業務を並行
・営業との業務を並行
業務設計を進めていくためのポイントは2つ
①顧客をセグメンテーションする
②やらないことを決める
①顧客をセグメンテーションする
顧客にどれだけのリソースを割くかの判断をして、優先してアプローチすべき顧客を特定する
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顧客ライフサイクル(ステージ、フェーズとも表現する)について
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オンボーディング:サービスを利用開始したばかり(導入初期、定着前)
アダプション:サービスに少し慣れてきた(導入初期、活用促進)
リテンション:一定期間サービスを利用(安定)
リニューアル:
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顧客との取引金額について
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取引金額が大きくなるにつれて、ハイタッチ⇒テックタッチ
ハイタッチ(Tier1):個別カスタマイズによる対応
ロータッチ(Tier2):ジャストインタイム(必要な時に)
テックタッチ(Tier3):オートメーション(システムによる自動化
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ヘルスチェック(ヘルススコア)について
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ヘルススコア
L定性的な情報
・タッチポイント very good/good/poor
・ロゴ受領
・事例化
・支払遅延実績有無
・有償導入支援契約
・セミナー参加実績
L定量的な情報
・アップセル機会
・一定期間ログインが高水準
・利用ユーザー数が増加または高水準
・マーケティングメールのクリック率が〇%以上 など
・解約可能性あり
・一定期間のログインが低下または低水準
・利用ユーザー数が減少または低水準 など
②やらないことを決める
【自分でやる場合の業務フロー事例】
サービス環境の準備
↓
ログイン情報の通知(メール送信)
↓ ↓
初回ログイン ← 電話にてフォロー
↓ ↓
課題無し 課題あり
↓
問い合わせ
↓
問い合わせ対応
サイクル(①と②をぐるぐる)
①顧客毎の環境ログインまたはログ確認
↓
②電話にて定期フォロー
↓
①顧客毎の環境ログインまたはログ確認
↓
②電話にて定期フォロー
大規模取引顧客:個別対応によるサポート
中小規模取引顧客:システムによる自動応答
【自分でやらない(システムがやる)場合の業務フロー事例】
サービス環境の準備
↓
ログイン情報の通知(メール送信)
↓ ↓
初回ログイン ← 電話にてフォロー:★メールに置き換え
↓ ↓
課題無し 課題あり
↓
問い合わせ
↓
問い合わせ対応:★チャットボットやFAQサイトなどのセルフサービス
サイクル(①と②をぐるぐる)
①顧客毎の環境ログインまたはログ確認
↓
②電話にて定期フォロー
↓
①顧客毎の環境ログインまたはログ確認
↓
②電話にて定期フォロー
■本当にやらない
・自動化を検討する時間を作れない
・そもそも自動化が難しいサービスがある
どこにリソース配分するかを考えて
・取引金額の大きな企業にだけ注力する
・顧客ライフサイクルの「導入初期」「オンボーディング」にだけ注力する
↓
これ以外は能動的にアプローチしないなどの施策を決めることもある
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CSツールについて
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Forrester社の意識調査
SaaS企業でかつCSツール未導入の企業の
75%は「CSツールの導入が必要」と感じている
SaaS企業でかつCSツール導入済みの企業の
80%は「CSツールが自社のCSの活動に効果があった」と感じている
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ツール/テクノロジーを導入する理由について
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・顧客の情報を収集、整理、分析する(顧客セグメンテーション)
・CSM(カスタマーサクセス担当)の活動を可視化
・解約防止/アップセルの仕組みづくり
↓
目指すべきはLTVの最大化
初回ログイン
⇒①セグメント「初回ログイン」付与
⇒②オンボーディングプログラムメール配信⇒メール開封
メール未開封⇒③電話フォロータスク生成
2回目ログイン→④チュートリアルをポップアップで案内
特定ページに30秒滞在⇒⑤サポートサイトをポップアップで案内
顧客による各種設定→設定未完了項目あり→⑥セグメント「項目未設定」→設定サポートメール配信
→設定完了⇒⑧セグメント「設定管理」付与⇒⑨運用サポートメール配布
pottosでは
・サクセスフロー機能でCSM業務全体を設計
・マイルストーン機能で顧客がすべき事項を設計
⇒トラッキングを埋め込んで、利用状況の可視化を実施することができる
・セグメント機能で条件/KPIを設計
・アクション:通知ルール機能
:トリガーメール&サジェスト+
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カスタマーサクセスのためのチャットボット活用
株式会社AI Shift AI音声対話事業責任者 田島 努氏
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まとめ
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・SaaS型、サブスクリプション型は顧客数が多くなる
その分、カスタマーサポートのコストも増える
・カスタマーサポートはかけたコストが利益に直結しにくいため、
必ず効率化とセットで考える。
・チャットボットのベンダー選定のポイントは
「ベンダー側のカスタマーサクセス」
「導入後の運用の手間問題をどうするか」
・効率化の手段として、近年では電話の自動化ソリューションが選択肢に追加
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カスタマーサクセスとカスタマーサポートについて
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・顧客とのコミュニケーションという点では同じ
・カスタマーサクセスが上位概念だと考えている
違いについて
カスタマーサクセス:能動的
カスタマーサポート:受動的
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セミナーの焦点について
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・カスタマーサクセスは充実しているが、
足元の問い合わせ対応に手間取っている企業向け
・サービスを急拡大させていくことを狙っている企業向け
・カスタマーサポートをいかに効率化していくか
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なぜ効率化が大事かについて
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・SaaS型。サブスクリプション型の場合、低単価・多顧客となる
・顧客数が増えるにつれ、問い合わせを含むコミュニケーション量は増える
カスタマーサポートは変動費になりやすい
↓
コストをかけても利益に直結しない
↓
潤沢なコストはかけられない
最大限効率化して、カスタマーサクセスにリソース配分すべき
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ベンダー選定のポイントについて
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チャットボット導入の失敗 = 費用対効果が合わない
主な原因
・使いどころが悪い
・利用促進の施策が打てていない
・道半ばでとん挫する
↓
導入の目的を果たすためには、
チャットボット活用のノウハウを知る者の伴走が必要
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AI Compass利用イメージ
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・AIが分析・クラスタリング結果を管理画面に表示
・他のFAQに紐づける
・新規FAQを作成 など
音声が
AIを活用した技術の気見合わせにより、
電話応対業務の自動化を実現
デモ:音声を読み取り、スムーズな会話を実現
■メリット
・対ユーザ:待ち時間削減
・対コスト:友人入電数削減
・対売上機会:受付時間拡大
■強み
・コミュニケーションデザイン力
・音声特化の対話エンジン
・産学連携による技術開発
■活用イメージ
営業していますか?⇒本日は20時まで営業しております
在庫はありますか?⇒マスクの在庫は○○個です
バイトしたいです⇒従業員による対応になります
・自動応答
・システム連携 or 自動応答
・従業員への引継ぎ
上記のような形で利用できる
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全体を通しての個人的なまとめ
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おおよそのカスタマーサクセスの概念などは、これまで参加してきたセミナーや勉強会と通ずるものがあったのですが、
ハイタッチ(Tier1):個別カスタマイズによる対応
ロータッチ(Tier2):ジャストインタイム(必要な時に)
テックタッチ(Tier3):オートメーション(システムによる自動化
ここの考え方については、以前Ciscoの小泉 雅人さんのお話していたテックタッチの本質の講演内容が頭をよぎりました
今回の講演もセミナーを通じて、テックタッチにできる部分はしていこうということなので、ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチはどこの区分でも自動化できる部分は自動化することでLTVが上がったり、顧客満足度が上がってくるのかなぁと感じました
今月は週替わりで新卒社員の方が、自社製品のトライアルを実際に管理者さんとして触ってもらった際の気づきだったり、改善点をプレゼンしてくれていて、その中でもサポートのデジタル化、オンラインコンテンツをいかに取り入れていくかが意見として挙がってくるので、その部分に注力できるようにまずは個人で勉強していこうかと感じています。
AI Compassさんの音声認識のデモは、ここまで音声認識って進化しているのかと素直に驚きました。
ご覧いただきまして、ありがとうございました。
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