「肉食は環境に悪い」というデマについて
最近、地上波のニュース番組やSNSでヴィーガン系の人達が「肉食は環境に悪い、大豆で作っただいたい肉を食べましょう」と主張している姿を見かけるようになりましたが、実は彼らの主張は全くのウソです。
結論から言うと肉食は環境に悪くありません。むしろ肉を食べない選択肢(大豆で作った代替肉)の方が環境負荷が大きいのです。
彼らが噓つきであると言える理由は以下の6つです。
①「牛のゲップが温暖化の原因になる」はウソ!
②「牛を減らせばゲップが減る」はウソ!
③「牛が人間の飲み水を奪っている」はウソ!
④「牛が人間の食べ物を奪っている」はウソ!
⑤「牧草地で野菜を育てれば食糧問題を解決できる」はウソ!
⑥ヴィーガン派の活動と、SDGs(持続可能な開発目標)は矛盾している
ではまず一つ目
①「牛のゲップが温暖化の原因」はウソ!
ヴィーガン派の人たちは「牛肉の生産過程で排出される二酸化炭素や牛のゲップに含まれるメタンガスが、地球温暖化の原因になっている」と主張しています。
ところが、植物は二酸化炭素を吸収して成長し、その植物を食べた牛が二酸化炭素を吐き出しながら肉を生産します。さらに、その肉を人間が食べて二酸化炭素を吐き出します。これって要するにカーボンニュートラルですよね?
空気中の二酸化炭素が、一時的に植物や肉に形を変えているだけで、石油から肉を作っているわけではないんですよ。つまり畜産は食肉加工や肉の運搬時を除いて、二酸化炭素を排出しないクリーンな産業なんです。
次にゲップ(メタンガス)についてですが、空気に含まれる成分の割合に注目してください。地球上に草食動物が誕生して以来、ずっと動物たちがゲップをしてきたはずですよね。ところが大気中にはゲップの成分であるメタンはほとんど含まれていません。二酸化炭素と比べても桁違いにわずかな量しか含まれていません。
これは何故かというと、メタンガスは紫外線の作用で、水や二酸化炭素に分解されるからです。要するに牛のゲップは紫外線ですぐに分解されるのです。大気中に未来永劫に蓄積されるわけではないのです。「メタンはCO2の25倍の温室効果がある」という主張もありますが、空気に含まれる割合からして、対策をとるべき優先順位は二酸化炭素の方が上のはずですよね。しかもメタンは紫外線による強力な分解が期待できるのに、二酸化炭素は植物頼みなのですから、なおさらに!
②「牛を減らせばゲップが減る」はウソ!
仮に牛のゲップが温暖化の原因だったとしても、まだ別の問題が残ります。実は牛を減らしてもゲップの量は大して減らないのです。
牛が暮らしているのは主に牧草地帯ですよね。牛の飼育に経済的な価値が無くなれば、広大な牧草地が放棄されることになります。人間が管理しなければすぐに野生動物たちが戻ってくることでしょう。その中には巨大なヘラジカ(体重200-825kg)やバイソン(体重500-1179kg)などの大型の草食動物が含まれます。つまり牛のいなくなった広大な牧草地では、牛の代わりに巨大なヘラジカやバイソンが大量のゲップを吐き出すだけなんです。
③「牛が人間の飲み水を奪っている」はウソ!
そもそも、人間の飲み水と、牛が消費する水は全く競合していない。
人間が飲み水として利用するには、家の近くまで巨大なタンクや水道管で運ぶ必要がりますよね。ところが牧草地に降る雨は、広大な土地に広く薄く降るので、その雨を集めて利用することは、とても困難なことなのです。また、干ばつで苦しむ人がアフリカに居るからと言って、アメリカの広大な牧草地に降る雨をアフリカまで運ぶことも現実的ではないですよね。仮に畜産を止めたとしても、そこの牧草地に降る雨が、まるごと無駄になるだけなのです。
このような理由から「人間の飲み水と牛が消費する水(牧草地の雨水)は競合していない」と言えるのです。ガリガリに瘦せ細ったアフリカ人の子供の動画を見せ、そのナレーションで「畜産が人々の飲み水を奪っている」というYouTubeの動画があるのですが、同じ理由でデマの類であると断言できます。
◆https://youtu.be/6ax4DTzi5sk
それどころか、雨水 → 牧草 → 肉orミルクのいう流れで、飲み水として利用が困難な雨水を食品に変換しているのですから、水資源を増やしているとさえ言えます。
例えば、
アフリカなどの乾燥地帯では、わずかな雨を利用して牧草を育てています。水はすぐに蒸発して無くなってしまいますが、牧草の形であれば蒸発することもなく簡単に長期保存ができます。この保存した牧草を家畜に与えることで、牧草に含まれるセルロース(C6H10O5)を分解して水分を取り出し、ミルクや肉として水分を利用してるのです。
要するに牛がいないと乾燥地帯の人が安全に水分を摂取できなくなるのです。
④「牛が人間の食べ物を奪っている」はウソ!
牛の主食は牧草です。人間が消化できない牧草を食べているのです。
さらに牧草の他にも、以下のような廃棄物が牛や豚のエサとして活用されており、この点からも畜産はエコな産業と言えます。
・油を搾り取った後の大豆カス
・砂糖を搾った後のサトウキビのカス
・服の繊維に利用される綿の、その繊維を取った後に残る種子
・米や麦などからお酒を作り、その時に廃棄された酒カス
⑤「牧草地で野菜を育てれば食糧を増やせる」はウソ!
そもそも牧草地では野菜や穀物は育てられません。なぜかと言うと、牧草地とは寒冷・乾燥・土の栄養が悪いなどの理由で、野菜や穀物の栽培に適していない場所だからです。
したがって、牛の数を減らしても、牧草地を野菜や穀物の畑が増えるわけではないのです。これは「野菜や穀物の栽培に適していない土地から、採算の取れる方法で食糧を生産する術が畜産以外に無い」という意味です。
何れにしても「牧草地で野菜を育てれば食糧を増やせる」はウソであり、牛を減らしたら、その分だけタンパク質の生産量が減るだけなのです。同時に、大豆の生産量を爆発的に増やせないのですから、大豆タンパクの価格も高騰します。当然ながらダイズに頼っていた人、特に貧しい国の人々がタンパク不足に陥ることになります。
⑥ヴィーガン派の活動と、SDGs(持続可能な開発目標)は矛盾する
さらにヴィーガン派の人たちが隠している最も重要な問題があります。最近何かと話題のSDGs(持続可能な開発目標)ですが、ヴィーガン派の主張する脱肉食は、このSDGsと矛盾するのです。すでに説明した内容と一部が重なるのですが、実は「脱肉食」を奨めると、以下の4つの問題が新たに発生するのです。
①野菜の生産効率が落ちて価格が高騰する
牛が減ると牛のウンコが減る→ウンコが減ると畑の土を柔らかくするために土に混ぜる有機物が不足する→ウンコの代わりの有機物として牧草のような食べられない作物(緑肥と呼ばれる)の栽培が必要になる→畑で緑肥を育てている時期は野菜の栽培ができない。
②牛が減ると二酸化炭素の排出量が増える
堆肥が不足すると土の栄養が減る→不足した栄養を補うために、化学肥料の消費量が増える→化学肥料の生産には石油や石炭が大量に必要。
③牛がいなくなると貧しい人が増える
牧草地は野菜や穀物の生産に適さない土地であり、そのような土地から家畜を奪い取ったら、畜産で生計を立てている人達の現金収入が無くなる。
④牛がいなくなると貧しい人たちが栄養失調になる
世界中で食べ物が無くて飢えている人は、紛争地を除いてほとんどいない。むしろタンパク質やビタミンなどの栄養素の不足が深刻。脱肉食で肉・牛乳・卵、さらに大豆タンパクの価格が上がれば、貧しい人たちが栄養失調になるのは明らか。
SDGsには現在、17の目標が掲げられています。
1:貧困をなくそう
2:飢餓をゼロに
3:すべての人に健康と福祉を
4:質の高い教育をみんなに
5:ジェンダー平等を実現しよう
6:安全な水とトイレを世界中に
7:エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
8:働きがいも経済成長も
9:産業と技術革新の基盤を作ろう
10:人や国の不平等をなくそう
11:住み続けられるまちづくりを
12:つくる責任、つかう責任
13:気候変動に具体的な対策を
14:海の豊かさを守ろう
15:陸の豊かさも守ろう
16:平和と公正をすべての人に
17:パートナーシップで目標を達成しよう
見ての通り、2トップが貧困と飢餓の撲滅で3番目に健康です。脱肉食はこれらの目標に逆行しているのです。
さらに、この脱肉食については報道での扱いにも注意が必要です。何故なら「肉食は環境に悪い、大豆で作っただいたい肉を食べましょう」という主張は、おそらくヴィーガン系の団体や代替肉の製造メーカー、あるいはそこへ投資をしている人達による広告だからです。
ニュースの形態には大きく分けて2種類あります。1つ目がテレビ局や新聞社の独自取材による記事。もう1つは「持ち込み」と呼ばれる記事です。新元号が発表された時の報道を見れば、彼らが「一秒でも早く」とか「ライバルを出し抜く」という事に執念を燃やしているのは明らかですよね。
そんな彼らが本気で取材したネタの時には、
・独自取材
・独自スクープ
・内部告発
などといった、自慢気な文言を付けて報道されます。反対に、そういった文言が付いていないニュースの場合は、何らかの目的を持った利害関係者による「ネタの持ち込み」を疑う必要があるのです。要はニュース風の広告なんですよ。
例えば2017年の仮想通貨バブルや、最近話題のNFTがそうです。予め大金を投じた投資家が「最近、○○の価格が上がってるんですよ」とマスコミ関係者に言うだけで、それがニュースになります。そして、報道を信じた素人が殺到して価格がさらに上がる。その高騰の裏で、プロの投資家は高値で売りさばいて利益を得る=ネタを持ち込んだ投資家が儲かる仕組みです。
「肉食は環境に悪い、大豆で作った代替肉を食べましょう」という主張も、おそらくは代替肉の製造メーカーや、そこへ投資をしている投資家たちによる「持ち込み」と考えた方が無難でしょう。マスコミに対して何度かネタを小出しにして、世間(素人)の反応を観察。反応が良ければマスコミを使って、さらに猛プッシュ&自己資金を使って、一気に価格を釣り上げるのが目に見えてます。
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