見出し画像

商品開発の大事なポイント 原価をデザインするときに考える必要性

商品開発において非常に重要なのが、原価の設定です。
勘を頼りに価格を設定したり、製造原価に一定の利益だけを上乗せさせたり、他社との比較で安易に価格を設定してしまうと、安定した利益を得ることは難しく、持続可能な利益 を生むことが難しくなります。

原価とは

そもそも、原価とは、製品やサービスを作り出すために必要な直接的な費用と間接的な費用、固定費を合わせたものです。

直接費:商品やサービスを製造・提供する際に必要な材料費・人件費・製造費など
間接費:包装費・運送費・広告費など、
固定費:賃料、光熱費など
 

特許・商標など産業財産権の取得にかかる費用、安全基準などで検査が義務付けられている商品は検査費用についても忘れずに含めなければなりません。
これらを一つの製品原価にふくまれるそれぞれの費用をどのように配分して試算するかは企業それぞれによって異なります。

なぜ、デザイン段階で「原価」考えなけれはならないのか

「まだデザイン段階なのに、原価とか意識しなくても。」
と言われることもあります。
デザインの幅を狭めてしまうのではと、制約を懸念される場合もあります。

開発した製品は「商品」となってユーザーに手にとっていただけなければ、企業にとって一円の利益ももたらしません。
なので、デザイン段階で、価値と価格、製造にかかるコスト面、収益性などでの課題があるかないかを検討する必要があるのです。
場合によっては、中止もあり、販売先やブランディングなど考え直し。となることも多々あります。

コストを意識する3つのメリット

デザイン段階でコストを意識することには大きく3つのメリットがあります。

  1. 製品のコスト削減につなげられる
    デザイン段階でコストを意識することで、本当に必要な機能なのか、不必要な部品や製造プロセスがないかなどを検討することができます。
    また、共通化できる部品がないか、買い入れにした方がいいかなどは、デザイン案が決定するまえに、検討することで「デザイン要件のひとつ」に加えることができます。
    デザイン段階で 何を重視するか、を考えることで、最終製品のコストの削減につなげることができます

  2. 製造方法や工程を最適化できる
    製品のデザインが製造プロセスに影響を与えることはとても多いです。
    同じような形状であっても作り方によってイニシャルコストとランニングコストが大きくことなります。ロットや材料、納期などを検討し、デザイン段階で意識することで、製造方法の最適化に対応できるデザインを検討することができます。
    また、ねじの共通化やはめこみ構造にするなど組立プロセスや流通(梱包)を意識することでトータルコストの削減につなげることができます

  3. 環境への負荷軽減をはかれる
    製造プロセス、流通プロセス、廃棄プロセスにおける環境負荷を軽減できないか、と検討することができます。
    例えば、環境負荷のすくない材料が使える部品がないのかなどを検討し、積極的に選択をすることで、環境負荷の軽減につなげることができます。

デザイン段階でコストを意識する

デザイン段階でコストを意識することは、製品のコスト削減や製造プロセスの最適化ができ、最終的には、競合力の向上、製品の品質向上など、多くのメリットがあります。ひいては、商品競争力の向上につなげることができます。
商品を発売し、必要とされる方に届けるために、デザイン段階でできる限りの検討をすること。が必要となるのです。

いいなと思ったら応援しよう!

黒田弥生/プロダクトデザイナー
よろしければサポートおねがいします。サポートいただいたらとっても嬉しいです!