反対押し切り残した川が財産に/爽やかな夏の夜楽しめる西川/岡山市
★「日本の城下町を愉しむ」一覧
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★都道府県 岡山県
★城郭 岡山城
岡山市は暮らしやすい街だという。岡山県への東日本大震災後の避難移住者数は1000人を超えて西日本一。その半数以上が岡山市に移住している。なぜか。地震は少ないし津波被害も聞かない。雪も台風被害も少ない。温暖で晴天率が高い。新幹線を使えば大阪はすぐで、岡山市自体が大都会で生活には困らない。原発事故を恐れての移住者も多い。私の知人にもいる。岡山市は原発から遠いのだ。
食べ物も美味しい。最近はパフェの街で売り出しているらしいが、桃を始め、様々な果実が獲れる。海も近いので魚介も美味しい。様々言うことなしなのだが、私は市街を貫く西川緑道公園に強い印象を受けた。
岡山名物ぶどうパフェ
これは市街地の南北を貫く西川沿いの2.4キロを緑道公園としたもの。元々は江戸時代に造られた農業用水だが、20世紀に入り水道が整備されると役割を失い、生活排水が流れ込む汚濁した川になった。埋め立てて道路や駐車場にしようという声が高まる中、1963年に市長になったのが岡崎平夫(おかざき ひらお)だった。
それまで各地で水道事業、下水道事業を手掛けてきた岡崎は、岡山市の水道部長から「緑と花 光と水」をスローガンに市長選に勝った。周囲は高度成長、工業化真っ盛りの中だった。水道部長時代に岡山市の下水道を整備し、西川の水自体は綺麗になったが、住民のごみ投棄などは激しく、相変わらず悪臭漂う川だったという。
ここで岡崎は臭いものに蓋をせず、むしろ逆に、両岸の自動車道を廃止して全体を公園化することを提案する。これには川沿いの住民が反発した。「車が通れなければ商売にならない」というのだ。妥協の結果車道は1車線
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