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「東洋大学発祥之地」

「妖怪博士」が作った哲学の学校

★ジャンル【学校】 
★場所 文京区湯島4-1-8
★最寄駅 都営大江戸線本郷三丁目駅、東京メトロ千代田線湯島駅

これまでの23区発祥の地一覧

★碑文
「井上円了は民衆に教育の機会を開放しかつ哲学を中心とする教育を行うことを目的として、東洋大学の前身である哲学館をこの地に創立した」

★解説
 都営大江戸線本郷三丁目駅と東京メトロ千代田線湯島駅を結ぶ春日通りのほぼ中間あたり、広い参道のある麟祥院内にあります。麟祥院は春日局(かすがのつぼね)の墓があることでも有名です。
 井上円了(いのうえ えんりょう)は幕末の長岡に寺の子として生まれ、生涯仏教を尊重しました。地元で洋学を学んだあと、京都の東本願寺で学びますが、優秀だったためさらに東大に進み文学部哲学科で学びます。卒業後も官吏とならず、東本願寺にも戻らず、仏教改革や迷信打破の運動を行い、1887年に「諸学の基礎は哲学にあり」との理念で、私立学校の哲学館をこの地に設立します。まだ29歳でした。
 哲学館は現在の通信教育に当たる「館外員制度」や「哲学館講義録」を発行し、その成果を広く社会と共有しようという姿勢が特徴でした。また井上は開校翌年に世界一周旅行に出るなど、生涯に3回の世界一周旅行を行い、その成果を教育に生かすなど国際化、国際人育成も重視しました。
 1889年に現在の文京区向丘に移転しますが、この時は井上と親交があり、哲学館の教師もしていた棚橋一郎(たなはし いちろう)の郁文館中学と校舎を共有して授業を行いました。しかし校舎が火災で全焼し、1897年に現在

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