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ひといきつくため


朝からお天気。こんな日は気分も軽くなる。ベランダで洗濯物を干すのも楽しい。

冬の間はベランダから戻ると、凍える手をこすり合わせていたというのに。

窓を開けて掃除機をかけた。

裸足でスッキリした畳を踏む。ついでにお風呂掃除もやっつけてしまおう。

いつもはお湯を使うけど、今日は水が心地良さそう。


そんなこんなで家事をこなし、午前の休憩中。

ベランダから戻った時、掃除機をかけ終えた時、ひといきつきたい気持ちはあったけれど。どうせなら全部終わらせてから!と自分に喝入れした。

…からのコーヒーブレイク。

桜の形のクッキーはいただきもの。パッケージに「お世話になりました」とのシールがあった。

年度末、異動するひとからの贈り物らしい(夫が職場で貰ってきた)。

コーヒーを飲みながら朝刊に目を通す。素敵なことばがあれば音読してみる。

その折、ふと思い出したことばがあった。 

「 うぐいすがコーヒーと朝をいっぱいにして鳴いていた」 

銀色夏生「あの空は夏の中」に収められている一篇だ。

これを初めて読んだ頃はコーヒーを飲む習慣もなく、ピンと来なかった。なのに印象に残っている。

うぐいすの声は聞こえないけど。

今日みたいな気持ちいい朝には「うぐいす 」と「 コーヒー」が合うと思う。

願わくばいつか、うぐいすの声を聞きながら自然豊かな場所で、朝のコーヒーを楽しめたらいい。


そんな妄想をしつつ、昼時が近づいている台所。



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