組手什を教わろう 第2回・須賀川&古殿クエスト
割引あり
【俳句と特撮、ロジマと組手什】
福島県の中央部にある須賀川市、その中心部を歩くのは面白い。俳句と特撮、まるで異なる二つの文化を楽しみながら散歩できるからだ。
松尾芭蕉とウルトラマンが同居する街、なんていってもいい。今の円谷プロならそういう映像くらい撮っちゃうかもしれないけど、須賀川では日常の中で同居している。そこが面白い。
まずは『奥の細道』の旅で松尾芭蕉が逗留した街ってことで、今も俳句が盛んである。芭蕉の句碑や石像があるのはもちろん、商家や民家の軒先には俳句の記された軒行灯が飾られていたりする。なにしろ俳句だから、歩くペースでその俳句を読んで楽しめる。俳句ポストもあちこちに設置されているので、自分で一句詠んで投句することだってできる。
そして須賀川は、『ウルトラマン』や『ゴジラ』などの特撮で有名な円谷英二の出身地でもある。市民交流センターtetteには円谷英二ミュージアムがあって様々な映像や模型を鑑賞できるし、展示と図書館が連動しているので関連書籍を読んだり借りたりできる。そしてそういう施設内はもちろん、街角のあちこちにもウルトラマンやらウルトラ怪獣やらのモニュメントが立っている。歩道で見かけるのはだいたい人間大のようだが、市役所や交流センター内の立像はもっと巨大だ。円谷プロダクション制作の特撮ドラマに少しでも馴染みのある人だったら、一体一体眺めて回るだけでも楽しい観光になることだろう。
この街歩きが楽しくて、僕は時々須賀川を訪れるようになった。おかげで組手什を知ることができたのだが――そのきかっけは、ロジマという街角マーケットだった。
ここから先は
4,878字
/
4画像
この記事が参加している募集
お気に召したらぜひよろしく。 励みになります……というか、お一人でもおられるうちは続けようと思ってます。