IN FLAMESのFOREGONE イエテボリサウンドの元祖という言葉の意味はよくわからんがとにかくすごい自信のうかがえる名盤
IN FLAMESの新譜FOREGONEのレコードを入手しました。
発売予定が発表された当初CDを予約するついでにamazonでレコードを探してみたところ見つからず、レコードは発売されないのかしらと少し諦めていたところタワーレコードで買えるらしいという情報を聞きつけて速攻で予約しました。
確か2月10日発売予定で1月17日に予約したように記憶しています。
そのまま2月10日を迎えCDは発売日に家に到着。
amazon仕事早いね。
しかしレコードは到着せず。
まぁ発売日に送るとしたら翌日とかになるのかなと思いつつ11日、12日と日は過ぎていくも一向に音沙汰なし。
とうとうこんな発言まで飛び出しています。
17日が前半かどうか議論の余地はあると思いますが(後半です)まぁ、怒ってるときは同意を得たくて話って盛りがちなもんです。
いずれにせよその後タワレコに電話でどうなってるのか確認したところ、発売日に海外から取り寄せを開始しているので、来週ぐらいまで時間がかかっちゃうんですよね〜という回答でした。
基本的に家ではレコードをかけたい派の私としては、レコードが届くまでの間IN FLAMESについて少し調べてみました。
私の洋楽歴には10年ちょっと空白期間がありまして、その間に音楽シーンって大きく変わっていたのかなと思っていたのですが実はそうでもなく。
洋楽視聴を再開した当時はかつて聞いていたGamma RayやHelloween、Running WildやJudas Priestなんかは(活動停止期間などはあるものの)相変わらず活動していましたし、当時さほど聞いていなかったモトリー・クルーやオジー・オズボーンなんかも相変わらず活動を続けていました。
ACCEPTはVo変わりっぱなしだし、RoyalHuntのVoはDCのままだし変わったことといえばW・AXEL・ROSEが激太りしてガンズが活動再開し、ウドがホフマンの嫁の悪口をいうようになっていた事ぐらいでしょうか。(一部あえて目を瞑っている部分もあります)
もちろん当時聞いていたバンドの中にIN FLAMESもいたのですが、今よりもっと普通のメロディック・デスメタルでした。
そして10年ちょっと目を離した彼らはいつの間にやら「イエテボリサウンドの元祖」とかいうものになっていました。
なんじゃそら???
当初は彼らが今やっているメタルコアの影響を受けたクリーンボイス+デス声のメロデスのことをそういうのかなと思っていたのですが、そうではないらしく。
どうやら彼らが当初やっていた叙情性あふれるメロディアスな演奏+デス声というメロデスの、その中でもスウェーデンのイエテボリ出身のバンドの音楽をイエテボリサウンドというらしいです。
え?今更??
ということは同じ音楽性でもストックホルム出身のバンドが奏でたらイエデボリサウンドにはならないの??
っていうか10年前はそんな呼称なく普通にメロディックデスメタルって言ってたよね?
君らメロデス四天王とか言われてましたやん。
それがなんで今更地域にこだわったような名称が付いてるの?
京都王将と大阪王将は違いますよ的なアレですか?
それとも地方住みます芸人的なアレかな?
しかも当の本人はとっくにその音楽性から脱却しているというのに。
正直私はあまり細かい音楽のカテゴライズってリスナーにメリット無いどころか初心者のとっつきを悪くして混乱を招く原因の一つだと思うので必要ないと思ってるんですよね。
だってイエデボリサウンドってやってる音楽はメロデスでしょ??何も知らない人がイエテボリサウンドって言葉を聞いて音楽性思い浮かびます?
そもそもメロデスと何が違うの?って話です。
LAメタルのくくりでアーマード・セイント聴いた時の混乱再びって感じです。
そんな事を考えていたらレコードが届きました。
レコードは最近の新盤にありがちな2枚組です。
最近の音楽業界のトレンドについて考えてみた時に、イントロからサビとかギターソロはいらないとか色々な話を聞きますが、そんな事よりもっと根本的な問題のトレンドは、レコードの新盤の値段を釣り上げるために必要もないのに物理の枚数を増やすようになってきた、というのが筆頭に来ると思います。
これについては別途書こうと思います。
5800円というあまり安価ではない価格にしては、盤の出来はよくありません。
まずシュリンク(ジャケットを覆うビニール包装)がユルユルでシワシワです、次にレコードの縁を触るとザラザラとした手触りで仕上げの荒いプラモデルのパーツの縁を触っているようです。
そして何よりレコードが薄くて軽く、たわんでいるんですよね。
普通高価な2枚組だと厚くて重いしっかりしたレコードだろと思うんですけどね。
あまり予算をかけてもらえず精度のいい工場で作れてないのかなという印象です。
まぁ、それはさておきさっそく聴いてみたいと思います。
イエテボリサウンドの立役者IN FLAMESが初期のサウンドを彷彿とさせる攻撃的なメロディック・デスメタル・チューンを収録してリリースしたニューアルバムです。
これがもうめちゃくちゃ格好いい。
ベースはいわゆる生粋のイエデボリサウンドではなく、クリーンボイスとデスボイス混成のメタルコアの影響を大いに受けたサウンドです。
しかしこのメタルコアの影響はコア側からのアプローチではなくデスメタル側からのアプローチなんだなと感じます。
なんというか、激しい部分の攻撃性がやはりメロデスのそれなんですよ。
つまり歌うバンドがデス声を取り入れて攻撃性を得たのではなく、デスメタルバンドがクリーンボイスを取り入れて聴きやすさを手に入れた、というアプローチなんだなと。
そしてVoのアンダース・フリーデンのクリーンボイスでの歌唱が秀逸で、所々歌詞の終わりで吐息を残しつつスッと声が消えていくような歌い方がとても切なくて良いです。
そしてそのクリーンボイスの美しさと、彼ら本来のデスメタルな部分の攻撃性や怒りといった部分の振り幅、落差が非常に大きく、それでいてその歌声はどちらも悲哀や慟哭といった悲壮感を漂わせており、それ故に聞く者の耳を捕らえて離さないです。
今回はいわゆる彼らのイエデボリサウンドをより多くの人に聴いてもらえる形にしたアルバムと言えそうです。
メロデスを受け付けない人でも、クリーンボイスとの混声であれば抵抗なく聞けますし、なによりデスボイスが攻撃性を持った一つの楽器のように聴こえるのでぐっと聴きやすくなります。
昔のいわゆるメロデスは美醜の対比をデス声とバックの演奏で図り、それは一定の人に理解されてきましたがまだまだマニアックな音楽でした。
そこにクリーンボイスが入ることでデス声vsクリーンボイス+バックの演奏という図式になり、非常にわかりやすく、受け入れられやすくなりました。
彼らはミュージシャンのやりたい音楽と、リスナーの聴きたい音楽、そのうまい境界線を探り当てたように思います。
間違いなく名盤
今回意図的にイエテボリサウンドという言葉を使ってみましたがやっぱり全然しっくり来ませんね。
こうなってくると私も老害かなぁ、まぁ害を及ぼすほど影響力もないのでまあいいか。
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