レコードの針飛びを修復する
中古のレコードを聞いていると、時々演奏が飛ぶことがあります。
これはレコードに傷が入っていたり、埃が付着していることで針が正確にレコードの溝をなぞることができず、違う箇所に飛んでしまう、針飛びという現象です。
埃の場合は掃除すれば改善するのですが、傷の場合そうはいきません。
調べていると針飛びするレコードは針飛びする箇所のレコードの傷を、溝に沿って爪楊枝で何度もなぞってやると改善することがあるようです。
早速こちらのレコードで試してみます。
こちらはMEGADETHの破滅へのカウントダウンのアルバム。
マーティーフリードマンが在籍し、一歩メジャーへの階段を登ったMEGADETHでしたが、そのマーティー−在籍の二枚目のアルバムで超大傑作です。
個人的にはMEGADETHのアルバムの中では一番好きです。
どうしてもレコードで欲しくて色々と探しまくり、ピクチャディスクはあまり好きではないのですが購入しました。
針飛びがするのはこの箇所。
ギターソロの後、ムステインがノリノリで歌うところで針が飛びますがよく見るとガッツリ傷のようなものが入っています。
しかしよくみると傷ではなく、印刷面の膨らみみたいに見えます。
この膨らみを潰すように押さえつつ何度も溝に沿って爪楊枝でなぞります。
なぞる方向は針の動きと同じ方向、写真だと上から下ですね。
そうすることで最初は結構引っかかりを感じていた傷の、引っ掛かりが少なくなっていくのを感じます。
そして再生してみると…ノイズは入りますが音飛びはしなくなりました。
このレコード入手当初は問題なく聞けたんですよね、それが途中からこんなことに…
多分ピクチャディスクが入っていた盤面にやたらと密着するビニールが悪いんだと思います。
密着→剥がして取り出すを繰り返したのが塗装面に良くない影響を与えたのかなとか、何も知らない素人が考えています。
やっぱりピクチャディスクは好きではないです。
それはともかく、気を良くして2枚めに取り掛かります。
2枚めはこちら、MANOWARの勝利の鋼鉄アルバムです。
傷が入っているはこちら。
名曲Metal Warriorの終盤の絶叫の部分で針が飛びます。
拡大すると結構な傷が斜めに3本入っているのがわかります。
これは中古ではなく、新品で買ったらいきなり傷入りで配達されたのですが…きっと猫が検品やってるんだろうと思います。
ここを気長に何度も爪楊枝でなぞってやります。
針飛びは随分マシになりますが、完全になくなることはありません。
どうしても飛ぶ箇所があります。
どうしたものかなぁと盤面を眺めていて気が付きました。
針飛びはおそらくこの一番大きな傷の箇所で起きています。
レコードの回転は矢印の方向、つまり針は矢印と逆側に溝をなぞり、傷にそってレコードの内側に引っ張られて針飛びが発生する。
なんとか内側に引っ張られず再生できないかと考えて思いついたのがレコードプレーヤーのアンチスケーティングの調整です。
普通にレコードに針を乗せると盤の回転によって針は内側に引っ張られます。
これに対抗して外向きに力をかけてやるのがアンチスケーティングの調整になります。
通常、アンチスケーティングは針圧と同じに設定します。
アームのお尻についている重りを2にしているので、針圧も2にしていますが、これを3ぐらいにしてみたところ…
見事!雑音は入るものの針飛びしないで再生できました!!
これでこのレコードを聞くことができます。
しかし、針圧とアンチスケーティングの設定がアンバランスなのはあまり良くなさそうな気もするので、このレコードを聞くときだけの設定にしておきたいと思います。
ただしこの方法はあくまで私が試して改善した方法に過ぎません。
絶対うまくいくわけではないですし、場合によってはもっとひどくなる可能性だってあります。
試すのであれば自己責任でお願いします。