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Hardcore Superstar:Bad Sneakers And A Pina Colada カラフルでキャッチーな毒と色気に満ち溢れた名盤
ハードコアスーパースターはスウェーデンのヨーテボリで1997年に結成されたバンドです。
カテゴリ的には「バッドボーイズロックンロール」的なグループに分類されるらしく。
いわゆるBurrn読者がいうところの「幅由美子が好きそうなバンド」グループになります。
このBad Sneakers And A Pina Coladaは当初1stアルバムだと考えられていたのですが、実はスウェーデン限定で1stアルバムをリリースしており、厳密にはこちらは2ndアルバムにあたるそうです。
とはいえ、1stと2ndで楽曲がなかなかに被っているため、扱いがややこしいです。
ワールドワイドデビュー時に1stの曲を録音し直したらしいですが、個人的にはもうこれが1stでいいじゃんと思うのですが。
当時は「ヘラコプターズ」や「バックチェリー」「バックヤードベイビーズ」といったバンドの活躍も目覚ましく、そして私は彼らの音楽が全然趣味ではなかったのです。(この辺り聴いた順番は多少前後するかもしれません)
なんというか、私、哀愁とは程遠いところに位置する、いわゆるカラッと明るいロックンロールとかアホアホパーティーロックとかいうのが非常に苦手なんですよね。
当然当時の彼らのアルバムは店頭試聴も含めて一通り聞いてみましたが、いずれも曲半ばで挫折していました。
そんな私が彼らのアルバムを入手したきっかけは、確かBurrnのレビューで86点だったからですね。
あの頃の私はなかなかにBurrnの点数を参考にしていました。
きっとファミリーマートのレジ横に売ってる焼き鳥にBurrnが86点付けたら試しに買ってしまってたと思います。(あんな臭くてマズイ焼き鳥他にないのに)
本来なら店頭に並んでいても手に取らないジャンルの音楽でしたが、まぁBurrnで86点だったからなと、手に取って試聴してみました。
確かにノリが良く、バッドボーイズなロックンロールでした。
しかし彼らの音楽はそれだけとはなんか違ったんですよね。
ファミマの高級バームクーヘンのようにじっとりと湿っているというか、不思議なもの哀しさと、怪しい色気があったんですよね。
不良グループに一人はいる、無口でどこか寂し気で、喧嘩も強いけど物事を俯瞰して見る目にもたけているような普通の不良とはちょっと毛色の違うタイプ。
そんな音がしていました知らんけど。
そして数曲聴いてとても気に入った私は、このアルバムを即購入しました。
帰宅してアルバム通して聴いてみたところ、パンキッシュかつ乗りのよいロックンロールにキャッチーかつ哀愁のメロディを乗っけたような音楽があふれ出てきて思わずガッツポーズ。
ここまで爽快に疾走してくれつつ、びちょびちょに哀愁を感じさせてくれるバンドも珍しいです。
ただのバイクに乗っている不良ではない、水上バイクに乗っている不良のような湿り気で非常に気に入ってヘビロテしていたのを思い出します。
後で見返してみたけどここのくだり自分でも何言ってるのかさっぱりわかりません。
以前からこのアルバムのレコードが欲しくてDiscogsなどでも調べていたのですが。
数自体が少ないのかレコードはほとんど出回っておらず、唯一の出物も送料含めたら19000円ぐらいするという感じで全く手が出ませんでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1722835515733-IfbETBwPUE.jpg?width=1200)
先日Disk Unionで7800円ぐらいで見かけ、盤の状態はEXとの事でしたが迷わず購入しました。
あ、嘘です結構迷いました。
その日は梅田に新しくオープンしたBLUE YARDというレコードショップでレコード5枚ぐらい買って散財した後、DISK UNIONでも別途1枚5000円ぐらいのレコードの購入を決めており、更にこれを買ったらお昼とか諸々含めてその日だけで合計2万近い出費になっていたんですよね。
しかし迷いに迷って、これを逃したら次会えないかもしれないと思い購入。
家に帰ってチェックしてみたら多少擦り傷などはあったのですが、まぁいいやという程度。
早速針を落としてみると多少の雑音はするものの音飛びもなく、あの頃の感動が蘇ってきました。
一番好きな曲は3曲めのLiberationです。
疾走系ではなく少ししっかり歌う感じの曲ですが、哀愁たっぷりで非常にいい感じ。
もちろんそれ以外も全曲捨て曲なしです。
このアルバムがリリースされたのが2000年であれから24年、もうバッドボーイズとか言ってる年でもないですし、ドラッグなんかより今朝ちゃんと血圧のお薬のんだかどうかのほうが気になる年頃になってきましたが、針を落としている間だけは、バッドボーイズな空気に触れることが出来るような、そんな気がしています。