【体育】低学年「ボンバーゲーム」実践記録①
1 ボンバーゲームについて
低学年体育でネットを挟んだゲームと言えば「ボンバーゲーム」です。
ボンバーゲームについては、熊本大学附属小学校の以下のリンクを↓
系統性で見ると、
低学年:ボンバーゲーム
中学年:フロアーボール、バウンドボール
高学年:キャッチありバレーボール
が、今のところ、無理なく実践できる形だと思っています。
「ボンバーゲーム」の単元が今日から始まったので、これから、実践記録を随時まとめていこうと思います。
2 実践記録(1時間目)
<授業の流れ>
(1)短なわで体を温める。
(2)ネットを挟んでペアでパス
(3)ルールの説明
(4)ゲームをやってみる
(5)ルールの確認と修正
(1)短なわで体を温める。
気温を考え、体育館に来たらすぐに各自で短なわを行います。今年度は、1・2年合同体育なので、もう一方の学年を待つときにも、「準備できたら各自でできる運動」を用意しておくことは効果的だと感じています。
ここでは、「なわとびカード」を使った運動も考えられますが、時間も考え、「各自で好きな跳び方を選んで跳ぶ」にしています。
(2)ネットを挟んでペアでパス
ペアを組んだら、ネットを挟んで立ちます。間は3~5m程度です。(ネットの高さは170cm程度)
教師の合図があるまで、パスをどんどん行いました。
約束は「①上投げで投げる」「②ボンバーだから絶対に落とさない」の2つだけで、あとは思い思いに投げます。
2年生は、ほとんどの児童が落とさずにできますが、1年生には正直難しそうでした。何が難しいって「一歩目の動き出しが素早くできない」のです。ボンバーが地面につきそうになったぐらいのタイミングでやっと動き出す子が多い…。この原因は、動いているものの認知の経験不足なのだろうと思います。「認知→応じて動く」を、簡単に全員でトレーニングした方が良さそうです。。。ちょっと考えます。。。
もう一つの原因は「ネットを挟むことで見え方が変わるっぽい」です。ネットを挟むことで、ボール保持者との距離感が、無い時とは違って感じられるようでした。変に近すぎたり、変に遠すぎたりする子がいました。なるほどー、です。これはもう、慣れるしかないのかな…。もうちょっと様子見です。
(3)ルールの説明
次はボンバーゲームのルール説明を行いました。
これが難しいんですよ、奥さん!
なんせ、ネット型のゲームなんてやったこともなければ、まともに見たこともない子がほとんど。エアホッケーもゲーセンから姿を消しつつあるこの時代に、ネットを挟んで対戦するチャンスって激レアなんですよね。真っ白なキャンバスに正しく線を入れていかなければならないわけで、非常に慎重に考えて説明しました。説明の手順は以下の通り。
①「ボンバーをもったらどうしたらよいか」→「キャッチしたところから動かずに、ネットの上を通して、相手側に投げる」
②「どうしたらプレーが切れるか(得点になるか)」→「ボンバーが地面に落ちたら、どちらかの得点になる」
③「落ちた時にどっちの得点になるか」→「コート内だと、投げたチームの得点(「イン」という)。コート外に直接落ちたら、守り側の得点(「アウト」という)。守り側の人が触ってから落ちたら、インでもアウトでも投げた側の得点。投げたボンバーがネットを上から越えなかったら守り側の得点」
④「得点が入ったらどうするか」→「コート内の人は待機列(フラフープで示しておく)に並び、待機列の前2人がコートに入る。」
ざっとこんなものでしょうか。大体の子はわかってくれた様子でした。
(4)ゲームをやってみる
試しのゲームを行います。コートを回りながら、得点の場面で「こうこう、こうなったね。どっちの得点?」と、状況の整理・確認を行って回りました。こうやって、一つ一つを確認することで、子どもたちのルール理解を定着させていくことが狙いです。
これを繰り返すことで、どのコートでも、子どもたちどうして「どっちの得点になったか」を判断できるようになってきた様子でした。
(5)ルールの確認と修正
授業の最後には「どちらの得点になったかよくわからなかった場面」を出してもらい、全体で確認し、ルールの修正を行いました。
今日出てきたのは以下の2つ。
①ボンバーが線の上に落ちたらどうするか。
話し合いの結果、「少しでも線に触れていたらイン」ということになりました。三苫の1ミリが生まれそうです。これで揉め始めたら次の修正案を決めていきます。(定番は「曖昧な時はじゃんけん」になりがちですが。)
②キャッチしたままボンバーが地面についたらどうするか。
ありがちです。ダイビングキャッチのようになると、「保持しているけど地面にボンバーが触れる」は容易に起こります。
これについては「保持できていたらセーフ」ということにしました。ギリギリでキャッチするというナイスプレーは、成功体験に繋げていきたいので。これをアウトにすると「めちゃくちゃがんばったのに残念」という経験ばかりが増えてしまいます。
3 全体を振り返って
全体的には「楽しくゲームができている」という印象です。
子どもたちは、今、何を楽しんでいるかというと「ラリーが続いているときのハラハラ感」ではありません。
まだそこまではいけません。
では、何か。。。。
それは
「ちゃんと取れた」「ちゃんと投げられた」 です。
うんうん。まずはここからで十分。
だって、背の高いネットを挟んだ状態で投げ合うのが初めてなのですから。
ラリーが多くつながる場面はほとんどありません。
この状況を「なんだかなぁ」と思ってしまうのは、ラリーが続いている状態を知っている、大人、だけです。
子どもは純粋に上の2つを楽しんでいました。
「求めすぎない」が今は大切だなと思ったので、今日はこれでOKにしました。
これから、ゲームの様子を見て、子どもの中に「もっとこうしたい」が芽生え始めたところで、単元を通した課題設定をしていきたいと思います。
まずは次回も「ルールを正しく理解してゲームを成立させる」ことと、「ちゃんと取れる」「ちゃんと投げられる」を楽しめる時間にしていこうと思います。