【体育授業の微細技術】「集合での微細技術①」 列をつくらない集合
こんばんは。
Twitterで、【体育授業の微細技術】シリーズの発信を始めてみています。
https://twitter.com/edulabo_kuro_t?t=CcXbn1i7RHO77GrKJAaDUw&s=09
きっかけは、地域の先生方向けの体育実技研を開催したことです。若手の先生方にいろいろと教えている中で、自分の中では当たり前にしていたことの中にもとても大切なことがたくさんあることに気づきました。それはとても「微細」なものではありますが、そういうちょっとしたことを大切にするかどうかで、体育授業としても学級経営としても大きく違いが出てくるんだろうなと思います。
ということで、noteでも、【体育授業の微細技術】として、Twitterで発信したことについて、より詳しくまとめていこうと思います。
はじめは「集合」です。
体育授業では必ず行う「集合」。当たり前なことの中で私が大切にしていることを書いていこうと思います。特に1学期は、ここをとても大切にします。
ひとえに「集合」と言っても、そこには深くたくさんの微細な技術があるため、今回は「列をつくらない集合」についてのお話です。
1.集合は、あえて「列をつくらない」
集合するときは、①整列して集合 ②バラバラで集合 の2つがあると思いますが、私は基本的に②のみです。それには理由があります。
『集合の仕方で学級経営の状態を見る。』 からです。
「集合!」と声かけをした後の子どもの様子として次の3つをよく見ます。
①集合の場所まで走ってくるか、歩いてくるか。
集合の場所まで走ってくるか、歩いてくるか。これによって、その子の体育授業に対する意欲が見えます。だらだら歩いてくる子は、体育授業に対して意欲的になれていないことが多いです。そういう子は特に気を付けて観察し、その原因を探ります。そういった「児童への手立て探し」のために、集合までの様子を見ます。
②集合の大きさはどうか。
「心の距離は体の距離」と言います。人と距離をどのくらいでいられるかは、その相手との心の距離によりますよね。「パーソナルスペース」です。列をつくらない集合の場合、その距離感が如実に表れます。特に、これまでコロナ対策として、子どもたちは人と距離を縮めることになれていません。まだ、少し抵抗のある方もいるかと思いますが、特にそういった抵抗が感じられない場合で、子どもたち同士の距離が大きく離れていたり、一人で集合から離れて座っているような子がいるときには、学級経営的なアプローチとして、子どもたちどうしの「関係ほぐし」が必要です。人間関係が深く良好なものになっていくと、自然と子どもたちどうしの距離も近くなります。そういった意味で、集合するときの集合の大きさは重要です。
③集合したときにそれぞれの隣にいる人はどういう人か。
これも、学級経営がよく見える一場面です。列を作らないということは、「どこに行くかを子ども自身が決める」ということです。つまり、「子どもが何を優先しているか」が見える場面ということになります。ここで私たち教師が見るべきところはここです。
・仲良しの〇〇さんと隣になろうとしている子がいないか。
・特定のだれかの隣を避けようとしている子がいないか。
この2点の状況が見えているとき、子どもの気持ちは 体育授業<人間関係の維持 となっています。つまり、人間関係を保つのに必死な状況で、体育どころではないわけです。逆に、人間関係が安定していて「いつでも、どこでも、だれとでもOK」という状況であれば、こういう姿は見られません。
このように、集合したときの様子で、クラスの人間関係の現状がよく見えます。
2.列を作らない集合を「生かす」
明日の体育授業、列をつくらない集合をさせてみてください。子どもたちの関係性がよく見えると思います。そうしたときに「うちのクラス、ここがよくないなぁ」と思うことが見えるでしょう。でも、そこで落ち込む必要は全くありません。むしろ、そこはチャンスです。だって、手立てを講じる糸口が見つかったわけですから。それまで、「なんとなくすっきりしないなぁ」と思っていたことの原因が、「集合」で見えてくるのです。日常の学級経営でできる手立ても見えてくるでしょう。
また、「集合」はクラスを見るバロメーターになるだけではありません。逆に、体育の集合場面で、集合の仕方を丁寧に指導していくことで、クラスが良くなっていくきっかけにもできます。体育という特殊な場面だからこそ、人間関係を一歩踏み出すきっかけにもできるわけです。
おわりに
今日は、「集合」の中でも、その根底にある考え方についてのお話でした。このように、当たり前の中でも、細部にたくさんのことがかくれているのです。
今後も【体育授業の微細技術】シリーズは続けていこうと思います。
ではまた次回。
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