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今、すぐにでも子どもたちにSDGsを教えるべき理由

 僕が小学生のころに、「ダイオキシン」「オゾン層破壊」といった言葉がニュースとなっていたことを覚えています。社会の授業では、石油や石炭、天然ガスなど、地球の資源に寿命があることや短期間で急速に消費されていることを学びました。そういった学びから「僕が住む未来の地球はどうなってしまうんだろう」と不安を感じたことを覚えています。

 最近話題のSDGs(持続可能な開発目標)。

 その経緯やどんな目標なのかは、他の情報サイト等にお任せするとしまして。学校教育でこそ積極的に取り上げたいと考えています。


今、SDGsを教えるべき理由

 今、SDGsを教えるべき理由。それは、未来の地球に住む子どもたちだからこそ、自分たちがどんな世界に住みたいかに興味をもち、持続可能な世界の在り方について学ぶべきだと思うからです。

 まだ小学生の子には難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、こうした教育はなるべく早く、子どもたちが純粋な眼差しで未来を見据えるうちに教えるべきではないかと考えています。

 不安をあおるわけではありません。子どもたちには何の罪もありません。地球温暖化をはじめとする様々な不安が残る社会をつくっているのは大人です。それでも、子どもたちが目をつぶって、黙って見過ごしていい問題でもないと思います。僕たち一人ひとりが向き合い、世界的に解決していかなければならない問題です。

 子どもたちが大人になるころ、SDGsの視点に立って社会(世界)を見る目がなかったら、きっと時代の変化に取り残されてしまいます。欧米では、多くの企業がSDGsの視点に立った経営に移行しています。若者を中心に将来を見据えた生活様式を自ら実施する姿もあるようです。こういった考え方こそが、人間としての魅力の1つとして認識され、当たり前のことであるととらえられています。日本と欧米では、まったく意識が違うようです。

 また、目には見えない未来を描いたり、自分とは直接関係のない他者を思いやったりすることで、想像力が育ち、人としての器も大きく育っていくことでしょう。


SDGsを学ぶことで身に付けたい考え方

 自分が思うままに生きていた子どもたちも、成長していく中で、世の中には常識や前提というものがあることを知っていきます。常識や前提を知ることは、社会を生きる上で大切なことですが、同時に常識や前提を疑うモノの見方を育てることも重要であると考えています。SDGsを学ぶことで、こうした目を育てることができるのではないでしょうか。

 SDGsの視点で考えられた取組をみると、世の中で常識や前提として捉えていることを、180度覆すような取組がたくさんあることに気付きます。

 随分前に、とあるテレビ番組で、プラスチックスプーン、フォークの有料化について特集していました。それは、コンビニやスーパーのお弁当や麺類のフタに、加工するとフォークやスプーンになるものがくっついて売り出されるように技術の開発が進んでいるという紹介でした。

 それに対し、あるコメンテーターの方(名前は覚えていません…)は、このように言いました。

「そもそもフォークやスプーンを使わなくても済む商品を作る、ということも大切だと思いますけどね」

 この発言は、とても大事な考えだと感じ、今でも記憶に残っています。僕は、食事をするときにフォークやスプーンを当たり前に使っているので、使う前提でそのニュースを見ていました。しかし、前提を取っ払うものの見方をしている人には、同じニュースを見てもまったく違う視点で意見することができるんだ、と思いました。

 SDGsに関することは、未だに解決に向けて手探り状態です。新しい技術や価値観を世界中のみんなでつくりあげようとしている最中だと思います。だからこそ、常識や前提を疑い、人と違う視点で物事を見る目をもつ人が尊重されていきます。それは、どの分野でも同じです。

 先のフォークとスプーンの例の場合、「フタの改良」ならプラスチック製造業の分野になりますが、「フォークやスプーンを使わなくてもいい商品」なら食品メーカーの分野になります。どの分野でも、SDGsの視点はこれからますます必要になってくるでしょう。


まとめ

 僕の担当する学年では、4月~9月までの前期に、総合的な学習の時間で地球環境問題を取り上げました。地球温暖化問題やごみ問題など、SDGsに関わる分野で、調べ学習やエコ活動などの実践を行っていきました。

 やってみて感じたことは、これらの問題について当事者意識をもたせることは、とても難しいということです。

 きれいな海に浮かぶプラスチックごみ、温暖化による山火事の被害にあうコアラ、氷が解け住みかが失われていくシロクマ。そういった映像から子どもたちは純粋に危機感を覚えます。しかしそれは、どこか遠い国で起こっていることのようで、実際に自分が困っている場面ではありません。できれば解決したい問題ではあるけれど、自分の行い一つで世界が変わるわけではないことを子どもなりに気付いています。

 だからこそ、小学生のうちから当事者意識をもたせ、大人になるまで時間をかけながら、地球の未来について考えていく人を育てていくべきではないかと思います。

 子どもたちが、希望あふれる未来を生きることができるように、今僕たちにできることを積み上げていきたいです。




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