無人の渋谷を駆け抜ける爽快感
この記事は後半(区切り線以降)にネタバレを含みます!
ゲームの紹介だけ読みたい人は前半(▼こんな人にオススメ)までどうぞ。
我が家に新文明が到来しました。
11月にライフイズストレンジの新作が来るので、その準備も兼ねて。
せっかくだしそれまでに何かPS5専用のソフトやるぞー!と意気込んで、RONINでもやろうかと思ってたんですが、ふと「そういえばゴーストなんとかトーキョーとかいうホラーゲームも5専用ソフトだった気がする」と思い出してまずそちらからやることに。
(※ちなみに2022年はPS5専売だったけど、2023年にXbox版とか出てるみたいなのでもう専売ではないぽい)
▼Ghostwireとはどんなゲームなのか
久しぶりの一人称視点でぐるんぐるんなって、初日ははちゃめちゃに画面酔いした…
その後のプレイが不安になるレベルの画面酔いだったけど、もう翌日には順応して酔わずにサクサク動けるように。
人間ってすごい!イエーイ!
ゲーム開始早々事故でほぼ死にかけ主人公・暁人。
だけど、暁人が死にかけたところにすでに死んでいたKKっていう幽霊が体を貰おうと入り込んできたわけです。
このKKは怪異と戦う能力者(適合者)だったんですが、暁人もたまたま適合していたんでしょう。
なんと暁人が生き返っちゃったもんだから、身体の奪い合いで喧嘩に。
すったもんだあって、とりあえず二人で一つの体を使いながらお互いの目的のために渋谷の街中を駆け回ることになる、というお話。
人間は消滅してしまって完全無人の街中だけど、マレビトという幽霊みたいなやつらがウロウロしています。
こいつらはこちらを攻撃してくる敵なのでKKの力を使いながら排除していきます。
KKは子供の頃から霊感が強いタイプらしい。
主人公についてもKKについても特に詳しい解説はないまま進むけど、二心一体でストーリーを進める中で2人がやりとりする何気ない様子から少しずつ人物像を読み取っていくのが楽しい。
人間はいないけど、猫や犬やネズミやカラスなど動物たちは残されている渋谷。
マレビトは敵だけど、それとは別に妖怪たちもなぜか湧き出てきていて。
こちらは協力してくれる子もいる。
コンビニや屋台を占拠(?)して商売を始めている猫又たちが超かわいい。
アイテムの売買は猫又のところで行うので、猫又がいると安心感がハンパない!
KKの力で「霊視」というシステムも使えて、周囲数メートルの範囲にいる敵やアイテムなどがわかるんですけど、霊視で猫又の影が見えるとホッとするよね…
私はスキル解放したりサブクエこなしたりと結構横道にそれながら楽しく進めて、大体45時間くらいで本編クリアしました。
街中でお地蔵さんを探したり(お詣りすると能力UPする)、妖怪捕まえたり、ガチャ回したり、壁の落書き写真に収めたり、猫又の依頼の品を探したりやることがあるのよ結構!
サブクエストは無視して本編だけも進められるから、ザザーッと進めたらもっと早くクリアできると思います。
でもサブクエこなしたり、細かいことやってるうちに自分も強くなってくからどんどん横道逸れちゃう…(桐生さん?)
楽しい…
妖怪好きだし…
ろくろ首とか全然悪さしないで、ただただ追いかければいいからすごい楽で大好き…
河童は捕まえるまで時間かかるからイライラする!
鬼とか木霊も戦闘挟むから結構ダリィ~けど…
ビルの上にいる天狗にグラップルして瞬間移動したりするのも超楽しい。
開始早々一回(序盤に般若にもやられてるから二回?)死んでるしKKに憑りつかれてもはや人間じゃなくなっている暁人は、天狗の力も借りてビルとビルの間を浮遊して移動できるのであった…
これがものすごく気持ち良い!!!!!
最初はちょっぴりしか飛べないけど、スキルをあげて5秒間飛べるようになると結構長い距離を移動できるようになってビルとビルの間どんどん移動しちゃう!
が、地上にもビルの上にも敵が出現するので突然戦闘になったりもする。
操作は慣れればそんなに難しくないし、ホラー具合も全然怖くないです!
けどアップデートがあって追加された「学校エリア」の探索はありえんほど怖かった…
(私は最近プレイしたので既に最初からアプデ状態で、強敵も学校も実装済みのままスタートしたから変化と思ってなかったけど)
もう学校だけは入りたくないもん…
ひたすら追いかけてくる人体模型が怖すぎて!!
花子さんも!!
ヤダーーーーッ!(ちいかわ)ってなったよ…
渋谷の街中での戦闘は、広々としてるし逃げる場所もあるしこっちも余裕あるけど、学校っていう閉鎖された空間の狭い廊下や教室でひたすら人体模型に追いかけられながら(背中を向けると捕まるので、常に人体模型を視界の片隅に捉えながらミッションをこなさないとならない)動き続けるの死ぬほどストレスだった!!!
ホラーゲームの中でも、私はSIRENは好きだけどサイレントヒルや零が苦手なのはこれが理由だなと、ふと思った。
前者は割と広めのマップで戦ったり逃げたりできるけど、後者は限られた狭い場所で戦うこと多くないですか?
常に逃げるスペースは確保されている人生であってほしい…
▼個人的総合評価98点
無茶苦茶面白かった。
敵の設定も名前なんかもいちいち面白くて。
など。
こういう細かい設定大好きなので「ほほー」と思いながらニヤニヤしてしまう。
マレビトはSIRENの屍人に似ていて、自販機とか車を見つめたり、ドアを叩いてたり、マレビト同士でキャッキャしてたりとなんか可愛い。
もう少し人間側のキャラクターの掘り下げというか、最終的な答え合わせがあったら百点満点だったと思う。
プレイヤーに委ねてくれるのも好きだけどね。
考察大好きだし。
受け手側があれこれ考えられる余白が与えられてるのを美点だとするならばもう百点満点かもしれない。
あと猫にも餌やりさせてくれれば…
犬にはできるのに何故ーー!!(笑)
戦闘も、慣れてくると少し単調かもしれないけど、それが飽きない程度の絶妙なバランスのボリュームだから良かった。
何回同じ戦い繰り返すの!?ってなると途端に魅力失うからな…
バトルは単調かもしれないけど、私はちょうどよかったわけです。
キャラクターもストーリーも音楽も最高!
配置が難しすぎるフィギュア…
猫又の屋台の中に陣取ってるし…
こんな遊び方もできるんですよ。奥深いでしょ!
自分だけのゴスワイベストショットを生み出せ!!!
▼こんな人にオススメ
SIRENが好きな人
夕闇通り探検隊が好きな人
怪談、都市伝説が好きな人
歳の差バディが好きな人
闇堕ちギリギリ主人公が好きな人
自他の深層心理がバトルのステージになるのが好きな人
猫好きな人
手フェチの人
マップ探索が好きな人
頑張るお兄ちゃんキャラが好きな人
はやってみて欲しい一作です!!
!!以下ネタバレ注意
▼KKは暁人を救いに来たトトロ?
ここからあとはネタバレも含むので、今後プレイしたい人は読まない方がいいかも。
クリアした人にもこれが絶対なんてわけではなくて、こういう考察もあるのかーって軽く読んで欲しい。
KKって、2人で一丸となって戦っていくうちに暁人と師弟関係になっていくじゃないですか。
上手に戦えた時は
「すごいぞ!」
「うまい!」
「お前の腕がいいんじゃないか」
ってめちゃくちゃ褒めてくれるし
ダメージ受けた時は
「大丈夫か!?」
「無茶するな」
「回避できないなら防御に徹しろ」
とか心配したりアドバイスもくれる。
最初は何も戦闘できない暁人に教えていかなきゃだから色々指導してくれるのは当たり前なんですけど、このやりとりが師弟関係を超えて、暁人にとっての失われていた父親的存在になってきません?
暁人は(何歳の時に父親が亡くなったのかはわからないけど)両親を亡くしており、高校生の妹・麻里と2人での生活を始めたにも関わらず今度は麻里が火事に遭い意識不明のまま入院している。
暁人が両親の死についてあまり触れないようにのらりくらりしていることを、麻里からは「お兄ちゃんは逃げている」と非難されることもあったようだが、これはまだ高校生の妹のことを今後は自分一人で守っていかなくてはと気を張っていただけなんじゃないか?というのがゲーム終盤になるとチラホラと見えてくる。
弱い部分を見せたくても見せられない長男としてのプライドというか。
高校生の妹相手に弱い部分を見せる余裕すらなかった、みたいな。
KKからも言われてるけど責任感とか正義感強い暁人は、必死に踏ん張っているお兄ちゃんなんだけど、でもまだなんだかんだで大学生で。
突如暁人の中に入り込んできたKKは一児の父で、こちらもこちらでワーカホリックのせいで家族崩壊の過去があり。
ゲームを進めるうちに「相棒」として完成していって、この二人の欠けて失われていた「父子」の部分が自然と埋め合わされて絶対共鳴してる…
別にKKは暁人に我が子を重ねているわけではないです。
暁人もKKに父性を望んだりしてるわけでもない。
だけど本来自然と育まれるべきだった感情の一部分がそれぞれ欠けていて、それに代わる別の温かいもので満たされたんじゃないかなって。
私は、となりのトトロの「小学生なのに母親代わりをして頑張るサツキのことを”本来の子ども”に返すためにトトロが現れたんじゃないか」説が大好きなんですが(これは一個人の考察であり、ジブリの見解ではないし、もちろんみんながみんなそう思わなくてもいい)
暁人にとってのKKもそんな感じに思えた。
KKに褒めたり怒ったり励まされたり奮い立たされたりすることで、暁人は救われていって自分を解放できたんだ…
だからKKは麻里と向き合うことができたし最後もあんなに前向きになれたんだじゃないかと思うと、暁人の中に入ってくれてありがとうKKって思わざるを得ない…(突然母親みたいな感情になる痛いオタク)
それとは関係ないけど、ストーリーの中で敵に無理やり魂を切り離されてKKが体からいなくなった時に感じる喪失感が尋常じゃないよね…
怖い!無力!KKがいなきゃ私何もできないよぉぉぉ!!!
って、もうこっちは文字通り必死ですよね。KKへの依存度半端ない。
KKなしでの戦闘に陥るの怖すぎて弓矢の所持本数上限急いで解放した。
そしてあのエンディング、KKもいなくなったし麻里もいなくなったし暁人本当に独りぼっちで辛い。
だけど【死者を蘇らせない・送り出す】というのはKKたちが成すべき仕事であり、絶対ルールなわけでね…
ここでご都合主義でKKが元気に蘇えっちゃうと崩壊してしまう。
そうならなかったことが、より一層作品の完成度をあげてるなと思いました。