ER緊急救命室が好きすぎる その4 / ドクター・ロマノ
ER 緊急救命室」は、昔のアメリカの医療ドラマです。
その1で始まったこの勝手な投稿シリーズ、「ER緊急救命室が好きすぎる」のドクター編の始まりです。
毎回 個人的に好きなドクターにfeatureしていきます。
ロバート・ロマノ/ Dr. Robert Romano
勝手に語る3人目は、シーズン4から登場したドクター・ロマノです。
この人、完全にアウトだと思う。今の世の中だったらヤバすぎるでしょう。
パワハラ、セクハラ、もうハラスメントの権化みたいな人。
でも腕は抜群。トップガンであることは間違いなし。
一緒に働く・・と考えたら絶対無理。でも、診てもらう患者として考えたら、技術は最高のドクターがいい!と思いますよね。。
この人を”勝手に語る3人目”にもってきた理由は、アウトなおじさんなんだけど私はこの人のキャラクターにすごく興味があるから、です。
こんな嫌な態度をとっているけど、実は・・な人なんですよね〜、きっと。
ベントン先生との関係
見ていて気の毒になるくらい、ロマノに虐げられるのが、ドクター・ベントン。こんな意地悪されても外科医になりたいのか?いや、こんなイジメを通らないと外科医にはなれないのか?と驚いて見ていました。
しかし、誰よりもベントン先生の腕を評価して期待していたのは、ロマノでした。ただ、鍛えてあげている・・というよりも、多少のジェラシーもあったと思います。
腕は良い上にコーディ先生までとられるのでは、それはちょっと意地悪もしたくなるかもね。
ドクター・ベントンの記事でも書きましたが、やっぱり彼がERを辞めて出ていく時のロマノの顔は何度も見返す場面です。
あんなにベントンを大事にしていたのなら、もう少し病院に留まるようにする事はできなかったのだろうか?
でもそこは、”一緒に頑張ろうぜ!”な日本的ノリは無くて、自分が上に行くんだ!というアメリカの弱肉強食の部分なのかも。
ドクター・ロマノの印象的なシーン
なんと言ってもシリーズ 9。病院の屋上でヘリコプターのローターで腕を切断されるシーンでしょう。
あの時は、ドクター・ルイスとコバッチュが一緒に別の患者を運んでいました。ロマノの腕が切断された瞬間、ロマノ本人より、この2人のドクターの表情が忘られない。
私は最初に見た時、腰を抜かしそうになって(びっくりするシーンが毎回沢山出てくるんですが、おそらく腰を抜かしそうなほどショックだったシーンはこれがNo.1 )思わず声をあげてしまったのですが、さすがはドクター達。
コバッチュもスーザンもめっちゃ冷静でした。
こういうプロ!な細部に惹かれちゃうのがこのドラマ。
医療ドラマって日本でも色々ありますが、なぜかこういうびっくりするシーンで、ドクターでも女性がパニックになる場面が多すぎる気がする。。
女性ドクターがびっくりして、同僚の助けが必要なくらい大さわぎするので、見ているこちらとしては不安になってしまう。
ロマノさえショックで嘔吐するようなすごいシーンでした。これを見てからリアルでもTVでも、ヘリコプターを見るたびにロマノを思い出します。
もはやトラウマ・・。
本当は人恋しがりのロマノ
有名な外科医で素晴らしい技術を持つけど、嫌味な毒舌男。っていうのがざっくりしたこの人の説明だと思いますが、でも彼は寂しがり屋だと思います。
人恋しい人って、人を攻撃する。逆に人と距離を置ける人や、人に絶対アタらない人って、よほど寛容なのか、人に興味が無いか。それとも自分大好きな人なんだろうなあ、と私は思います。だから、人を責めてくる人って「寂しんぼさんねえ」と心の中で思っちゃう。
人恋しがりの寂しんぼさん=大抵、やきもち焼きだし、かまちょだし。
だって人が大好きなんだから仕方ないです。私も寂しがり屋なのでロマノの気持ちってちょっとわかります。
そしてロマノが犬と一緒に暮らしているとわかった時、「寂しんぼさん」は確定しました。
まあそんな可愛い人なんですが、一緒に働く人ってすごく大変だろうなあ、と思います。。ちなみにこのERの中で私が地味に尊敬している人は誰か、というと、ロマノの秘書(受付とスケジュール管理している人)です。
シルクのバスローブを着る男
心臓移植待ちの患者の手術を引き受けてくれるよう、とロマノに許可をお願いするのに、ルーシーがロマノの自宅を訪ねるシーンがありました。
当然自宅にまでおしかけてきたルーシーに激怒しながらロマノが玄関を開けるんですが、その瞬間「わーお!」と言ってしまった。
だって、シルクのバスローブ着て出てきたから。もうめちゃくちゃわかりやすい!!私の「わーお!」は=ナイス!とか、お見事!とか、そういう意味です。シルクのバスローブ着る男って、石原裕次郎くらいしか思いつかなかった。。(あくまでイメージです)
確かにあそこでナイキのパーカーを着せて出す、という設定も有りとは思います。あら、家では意外とカジュアルでラフなロマノ先生なのね。
でもそれじゃあロマノの好感度が上がってしまう。それではダメなキャラでした。あの態度で+シルクのバスローブ、スタイリストさんサイコー!
ドクター・コーディを愛する
アメリカでドクターを望んだドクター・コーデイの保証人にもなり、最終的にはポジションアップもしました。しかし一時期ベントン先生とコーディが付き合うと、保証人をや〜めた!と。
子供か!?と思いますが、そこは無類のやきもち焼き屋さんですから。
最初、コーディにセクハラまがいの誘い方をしますが、その時は軽〜くからかって遊んでいるんだろうと思っていました。というより、上司という立場を利用したハラスメントだ!
でも、この人本当にコーディが好きだったんですよねー。でもプライドが高いに恥ずかしがり屋も加わり、素直に告白できない困った君です。
あそこまでアピールされて、全く!本当に1ミリもなびかなかったコーディ先生。本当にロマノが嫌いだったんですね w。
しかし誘いに乗らなったコーディをそれでも外科部長にまであげたのですから、そこには確かな愛を感じました。
ルーシーを助けようとするシーン
シーズン6で、例のシルクのバスローブに直面したルーシー・ナイトが患者に刺されてしまう。この時はカーター先生も刺されてしまい、デート中だったマークとコーディ、そしてベントンも加わり、ERは総出で2人を救おうとする。ERドクターが総出で救おうとする姿は本当に圧巻だった!
そんな中、今にも死にそうなルーシーをコーディ先生と救おうとするロマノ。2人で協力しあってルーシーの病室に駆け入るロマノ先生の姿は最高にかっこよかったのです。
ルーシーを励ましながら治療し、蘇生できないとわかると器具台をひっくり返して悔しがるロマノ先生。
こんなに熱く人間っぽい姿を見たのはこの時が初めてだった。
こういう時、日本の医療ドラマだと、ドクターが落ち込みながら「無力だ・・」みたいな、医者の無力感を表現するセリフがつけらそうなものですが、ERってそういうセリフ展開を絶対しない。心の中では思っているのかもしれないけれど、それを言葉としてoutさせない。
アメリカと日本の違いなのか、医者が弱音を吐く設定がダメだったのか、または時代だったのか。
因縁のヘリコプター
この人、前世でヘリコプターと何かあったのか?と思います。腕をヘリに切断されてしまった後も苦しみながら、相変わらず周りに憎まれながら、それでもERでドクターとして勤務します。
自分の力を助けを必要としている患者たちのために・・というよりは、外科医スーパースターとしての価値がなくなる事の恐怖のためにしがみついた、という方が近い描き方でしたね。
それでも片腕でずっと頑張ったのに、シーズン10 で屋上からバランスを失って落ちてきたヘリコプターの下敷きになって亡くなってしまう。衝撃的な最後でした。
これを見て思うのは、やはり寂しい時は寂しい、と。誰かにそばにいて欲しい時はいて欲しい、と。人間素直にならないと本当のことを伝える前に思いもよらぬ事で死んでしまうかもしれない。
本当の事を口で伝えるには勇気が必要です。でも誰も読唇術で心の中なんて読んでくれない。
チャットやメールで用件は伝わるけれど、人が人とコミュニケーションを取る事に必要な項目は「温度」だと思います。
自分の温度を晒すって気恥ずかしくもあり、少し怖いと思うこともあるけれど、結局人が知りたくて同意できる事って「温度」なんではないでしょうか。
ドクター・ロマノは素晴らしい技術、地位を持っていたし、どれも自分の腕一本で築き上げてきたすごい実績です。でも彼の温度を人とシェアはできないまま死んでしまった。本当は温かい繊細なハートを受け取る事ができたのは、愛犬だけではなかったのだろうか?と。
追記
この記事の中で屋上、屋上と何度となく使いましたが、ロマノ(俳優名 / ポール・マクレーン)と屋上と言えば、映画 「ショーシャンクの空に」を思い出します。
主役のアンディが仲間に刑務所の屋上でビールを飲ませたい、と看守長に許可をもらう時。あのフランケンシュタインみたいな看守長の手下として、ポール・マクレーンは出演してますね。
このシーン見た時「やっぱり屋上か・・」って呟いてしまった w