「可愛い子には変化をさせよ」毎週ショートショートnote

大学生の美咲は、どこか幼さが残る女の子だった。いつも笑顔で、誰とでも分け隔てなく接する。

母親の杏から、ちょっと変わった提案を受ける。
「いつもと違う自分、やってみない？
可愛い子には変化 へんげをさせよ、
っていうじゃない」
杏は、美咲の積極性をもっと引き出したいと思っていた。
「例えば？」
「えーっと、普段着ないような服を着てみたり、いつも行かないような場所に行ってみたり。」

「なんのはなしですか」
美咲は、はぐらかした。

でも、新しい自分を見つけたい。
そう思った美咲は、ワンピースに着替えてみたり、一人でカフェに行ってみたり。

だんだんと注目をあびることを楽しめるようになっていった。

夏休み最後の日記には次のように記されていた。

「湧き上がる感情に、戸惑いを隠せない。体中が熱くなり、呼吸が荒くなった。高揚感が、全身を駆け巡る。まるで、蝶が羽を広げて空へと舞い上がるような、解放感に満ちた瞬間だった。」

官能スイッチがオンになったようだ。

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お題は『可愛い子には変化をさせよ』でした。