話の規模を考えてくれ(「文書通信交通滞在費」について)
国会議員の「文書通信交通滞在費」が話題になっている。
確かに、10月31日の1日だけで1か月分の満額支給はおかしな話である。また、領収書が不要で余っても返還不要というのも、一般的な常識からは考えられない。
しかし、とはいえ、あまりに小さな話ではないのか。
仮に100万円が全額無駄だとして、衆議院議員が500人としてもせいぜい5億円程度のことである。
国の一般会計の年度予算を100兆円とすると、20万分の1、0.0005%にすぎない。
さらに、日本のGDPは500兆円を超える。国会議員がちゃんと仕事して、GDPを1%でもあげてくれれば、それで5兆円増えることになる。GDPは私たちの収入の合計であるから、5兆円の収入が増えることでもある。たった5億円の投資で、その1万倍の利益が得られるのだ。
国会がこの話で時間を費やすとしたら、むしろその時間がもったいない。ちゃんと経済対策でもやってもらう方がいい。
もちろん、今の状態が正しいとは思えないから、なんらか改善すべきだとは思うが、何かのついでに、もし覚えてたらやっといてもらう、という程度でいいのではないか。本来なら次の参議院選挙までに改正すべきではあるが、間に合わなかったら間に合わないで、その次の衆院選までにやってもらったらいい。
それではいつま経っても改善されないじゃないか、という批判が起きそうだが、もともと、その程度の話なのである。
地上波でもこの話がかなりの時間を取って放送されているが、放送時間がもったいない。新聞だったら紙とインクがもったいないくらいの、本当に微々たる話なのである。
もしこの問題で法改正するなら、もう「文書通信交通滞在費」などと別枠の支給は廃止して、国会議員の給料である歳費を100万円増やしたらどうか。そうすればいちいち領収書など不要で、好きに使ってもらったらいいい。国民の生命財産をちゃんと守ってくれるなら、そのくらい安いものなのだ。
いかにも国民受けしそうな話題で、かつ「現状が正しい」とは言い難い話ではあるが、話の規模、影響度というのを考えてもらいたいものである。