心を照らす
2010/2/26
「久しぶりね!」って母が言う。
「一年ぶりかしら」って私の顔を見て母が言う。
本気なんだか冗談なんだかわからないけれど、私もたいして気にとめない。「何言ってるのよ。月曜日に来たばっかりじゃない」って、適当に笑っておく。
母は時間の感覚を失うことが多い。それでも、その他のほとんどの部分で、母の頭も記憶も、呆れるほどに冴えわたっている。
最近私は、自分がひとりっ子ではなく、二人姉妹でもなく、三人姉妹であったことに心から感謝をしているので、そのことを母に伝えた。
今の母と、病気を抱えた姉と…。もし私一人だったら潰れていたかもしれないと想うと、ああもう一人いて助かったと、本当に心から手を合わせたいような気持ちになる。
「ほんとに感謝してるわよぉ~」と明るく母に言ってみると、母の顔がパッと明るく輝く。不思議だけれど、本当に一瞬、輝いたのだ。
こんなに簡単な言葉がたとえ一瞬でもその人の心を照らすのならば、出し惜しみしないでもっともっと、あげればいいのよね。
仕事ではできても、身内にはなかなかできないプラスのストローク。
ちょっと、頑張りますかな…。
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