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令和の今『スーパーマリオRPG』に初挑戦したら、むしろとても新鮮だった

 あれは2009年、当時小学生だった私はトイザらスに来ていました。誕生日だったのでプレゼントを買ってもらえることになっていたんですね。
 お店に入った時は「ペンギンの問題 面白大図鑑プレート」を買ってもらうつもりだったんです。でも出てきた時にはなぜかニンテンドーDSiと『マリオ&ルイージRPG3!!!』を買ってもらっていました。なんでそういう流れになったのか、正直に言うと全く覚えていません。

 それ以前から自宅には母親がWii Fit目的で買ったWiiがありました。しかし、携帯型ゲーム機が家に来るのは初めて。もし、あの時ペンギンの問題の方を買っていたら、私はカードゲーマーになっていたのかもしれません。視力が下がることもなかったかもなあ。

 『マリオ&ルイージRPG3!!!』自体はめちゃめちゃ面白かったんですが、やっぱりマリオと言えばアクションじゃないですか。親戚の家で『New スーパーマリオブラザーズ』を見たのが私のゲームとの出会いだと思ってますし、Wiiだと『スーパーマリオギャラクシー2』は攻略本を読み込んでスター242枚コンプするくらい大好きでした。そんな事情もあって、私は基本的にアクションゲーム好きで、RPGはちょっと優先度が低かったんですよね。
 唯一、父親がドラクエ好きなのもあってドラクエは少し遊んでいましたが。

 さて、産まれる前に発売され、マロやジーノの名前は知ってるけど具体的な内容は知らず、バーチャルコンソールで買うこともなかったのが『スーパーマリオRPG』でした。それが26年の時を経てNintendo Switchで発売されることになりました。
 今では生粋の任天堂・マリオ好きになり、ある程度お金も自由に使える年齢。元の作品の評判が良かったのもあって、特に購入に迷いはなかったです。

 ただ、今も相変わらずRPGは全然遊んでいなくて、UNDERTALEとポケモンを少し遊ぶくらい。おまけにだいぶ前の作品なので、今さら遊んでも古くささを感じてしまうのではないか? という気持ちもあったのですよ。
 ところがどっこい、遊んでみると「なんだこれは!すごいぞ!」という感覚がビリビリ。最近のマリオが当たり前だと思っている自分にとっては、むしろ新鮮に感じられました。何より、26年前とは思えないくらい、システムが良くできていたんですよね。

 原作発売当時のCMでは、「RPGやったことない人も」「RPGやりつくした人も」というフレーズが印象的な今作。そんな宣伝文句を見事に実現しているのがアクションコマンドです。

 マリオたちが技を出す際、タイミングよくボタンを押すと敵に与えるダメージが増えるシステムなのですが、RPGを遊んでいるのにアクションゲームのような感覚も味わえます。遊んでいると「マリオをRPGにしたらこうなるよね」という納得感を感じられるのです。アクションゲームのマリオが好きな人たちも入っていきやすいですし、普段からRPGを遊んでいる人にとっては新鮮なシステム。いやあ良くできるなあと思いました。

 そして、これは個人的な話ですが、思い出の『マリオ&ルイージRPG3!!!』とプレイ感覚が近いのも嬉しかった。調べたところ、マリオ&ルイージRPGシリーズを手掛けたアルファドリームは、スーパーマリオRPGに関わったスタッフが設立した会社とのこと。そりゃ似ているのも納得です。

 この作品のスゴさはアクションコマンドだけではありません。むしろ真の凄さはRPG独自のシステムを分かりやすく「翻訳」しているところにあると思います。
 たとえば、使う度にダメージ量が変化するハンマーがあります。これの名前が「ムラっけハンマー」。
 ダメージ量が変化する→ダメージ量にムラがある→ムラっけ
 と翻訳しているわけですね。これ、地味ですがとてもすごい表現だと思います。
 他にも連続行動ができる時に「当たりが出たのでもう一個!」と出るのもすごい。「ラッキーな連続行動」を「アイスの当たり」で表現するこのセンス。26年前とは思えませんよね。
 アイテムが入っている箱をただの宝箱にするのではなく、ハテナブロックのように宙に浮かばせるのも良いアイデア。ジャンプして叩くと手に入るので、しっかりマリオらしさがあります。

 ゲームシステムについて触れてきましたが、キャラクターやシナリオも当然ながら新鮮かつ魅力的です。
 というか、少し前に35周年を越えた今のマリオシリーズ全体から見ても、かなり異質で印象的なシナリオです。公式もあえてそうしているわけですが、クッパやピーチが仲間になる衝撃は当時の子どもにとって相当なものだったでしょう。既に『マリオ&ルイージRPG3!!!』を遊んでいる私がそこで驚くことは当然ないわけですが、クッパやピーチの性格が、今とほとんど変わらないことにはむしろ驚きました。クッパがなんだかんだ憎めないやつなのも、ピーチが意外とおてんばなのも、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』で観たばっかりじゃないですか! この作品が後世のマリオにとてつもなく大きな影響を与えているのだと実感させられました。

 今作オリジナルキャラクターも個性豊か。仲間になるマロやジーノはそれぞれマリオたちにはない個性を持っていて愛着が湧きます。そして敵として戦うことになるキャラも味わい深い。というか、敵キャラのほとんどがカジオー軍団と特に関係ないことには驚きました。
 ブッキーすごいキャラだな……え、カジオーと関係ないの!?
 なんやねんこのマルガリータってキャラ……え、カジオーと関係ないの!?
 こんな調子が終盤まで続きます。関係ないキャラのほうが個性が強いまでありますからね。
 キャラクターデザインもかなり独特で、良い意味でマリオらしくない。スーパーマリオ本編とは当然毛色が違いますし、マリオ&ルイージRPGやペーパーマリオとも違う、本当にここでしか会えないキャラクターたちです。普段の冒険では出会えないキャラクターとの出会いがあるのも、今作のいいところですね。

 そんなわけで、令和に初めてプレイしたスーパーマリオRPGですが、個人的にはかなり楽しむことができました。

  • アクションコマンドのシステム

  • 本当の意味での「初心者でも楽しめるRPG」の実現

  • 個性が尖りすぎているキャラクターたち

 元のゲームから引き継がれている独自性と革新性は、26年が経過した今でも輝きを放っていると言えるのではないでしょうか。
 さて、今作をクリアして満足している場合ではありません。だって来年にはこれまた名作の『ペーパーマリオRPG』が発売されますからね。
 それまでにマリオストーリーをクリアすることを宿題にしようと思います。

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