「答え」はいらない、「ヒント」が欲しいのだ!
言わずもがな、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』と『ティアーズ オブ ザ キングダム』はゲーム史に残る作品ですよね。
2作とも楽しませてもらいましたけど、実は私、ブレワイ以前のゼルダには苦手意識があったんですよ。
もちろん、以前からゲーム自体は間違いなく面白かったですよ?
ただ、ブレワイ以前のゼルダって、クリアまでに絶っっっ対に一回は完全に詰まるんですよ。
謎解きの内、8割5分以上は自力で解けるんです。パズルは苦手だけど、かといってそこまでバカじゃないですから。
でも、残りの1割がお手上げなんです。しかも、謎解きの難易度が高いだけならまだ良くて、視点が狭まってドツボにはまってしまうことがある。
例えば、『夢をみる島』のとあるダンジョンで、全ての鍵を使ったのに、ダンジョンの奥へ進めなくなったことがありました。
仕方なく攻略サイトを見ても、鍵付き扉を開ける順番が違うだけ。何がダメなのか分からず、「クリアできないじゃん!」と焦りました。ですがよーく見ると、薄暗いエリアの中に爆弾で壊せる壁があることに気づいたんですよ。
流石に意気消沈しましたね。もはや謎解きですらない。
壁のヒビに気づけないだけで数時間ゲームの進行が止まるのは、あまりにも辛くないかと。
何も見ずに自力で解こうとすると、それこそ同じ場所で1時間とか2時間とか悩んじゃうわけです。その間はゲーム進行もストップしてしまうので、正直苦痛でした。
あまり悩んでも仕方ないですし、就職してからは時間も限られているので、最近は「もう無理だー!」と思ったら、ためらわず攻略サイトを見るようにしています。でも、それで全部解決したかといえばそうでもない。
攻略を見ながら遊ぶゼルダは、まあ楽しくないですよ。
いわば、答えを書き写す宿題ようなもの。楽しいはずのゲームが、ただの作業になってしまいます。
それに、どこか敗北感がありますし、なんとなく萎えるし、ネタバレを食らう危険もあるし。ぶっちゃけ、全然いい方法ではない。
ずっと解けないままなのも嫌ですが、本当はやっぱり自分の力で解きたいんです。
ペーパーマリオの偉大な発明
皆さんは、「ゲーム史に残る偉大な発明」と聞くと、何を思い浮かべるでしょうか。
『時のオカリナ』が広めたZ注目とか、『Rogue』を始祖とするローグライクとか、いろいろあると思います。
それらももちろん偉大なのですが、個人的に一つ挙げるなら、「ペーパーマリオシリーズのヒントシステム」は、ゲーム史に刻まれてもいいくらい偉大な発明だと思っています。
ゲーム内でヒントを提供するシステムは、ペーパーマリオ以前からあります。例えば『MOTHER2 ギーグの逆襲』にはヒント屋があり、お金を払うと次にやるべきことを教えてくれます。
ただ、ヒント屋は基本的に街の中にしかありません。ダンジョンの中で迷うことがあったら、わざわざ街へ戻り、ヒント屋へ赴き、お金を払わなければならないのです。
その点、ペーパーマリオシリーズのヒント機能は素晴らしい。
当シリーズは仲間がヒントを教えてくれる形式なのですが、本当の意味でいつでもどこでも聞けるのがポイント。
たとえ街の中であろうと、ダンジョン最深部のボスの手前であろうと応えてくれますし、何より近年の作品ではワンボタンで呼び出せます。
「ワンボタンでいつでもヒントが聞けますよ~」と聞くと、あまりにも親切すぎる機能に思えますよね。ゲームの面白さを損ねてしまうのではないか?と。
しかし、実際に触れると、攻略サイトでハッキリとした答えを見るのとは全然感覚が異なります。与えられるのはあくまで「ヒント」であり、プレイヤーに考える余地が残されているからです。
それに、先へ進めなくて数時間詰まる方が面白くないのは言うまでもないですよね。
まとめ
まとめると、ヒントシステムは、ゲームで詰まった時の苦痛を和らげ、それでいて「遊びの余地」をちゃんと残してくれる。
ペーパーマリオシリーズのヒント機能は、その良さを存分に活かしたシステムになっているのが素晴らしいです。
これだけいいシステムなのだから、パズル要素があるゲームには漏れなく取り入れてほしいと思う今日この頃です。まあ、仲間キャラがいないと難しそうですけどね。
ちなみに、似たようなシステムが搭載されたゲームに『大神』があります。
『大神』は主人公のアマテラスとコロポックルのイッスンが旅するゲーム。今作もダンジョン内にパズル要素があるのですが、分からない謎解きがある場合、イッスンの話す内容に耳を傾ければ、自ずとやるべきことが分かるようになっています。素晴らしい!
今作のディレクターは『ベヨネッタ』などで知られる神谷英樹さんですが、彼はもしかするとペーパーマリオを遊んでいたのかも。
実際、どうなんだろう……いつか聞いてみたい。あと大神の続編ってまだですか?
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