身に覚えのない罪悪感。
冤罪で捕まった人が、58年後に無罪という記事を見た。私は58年という時間を体感したこともないし、刑に服したこともないので気持ちは分からないが、とてつもない時間、身に覚えのない罪悪感を持たなければならなかったのだろう。
我々は冤罪かそうでないか確かめる術がない。だから殺人事件の犯人が捕まったというニュースが出た時、いちいちこれは冤罪かもなんて思わないし、1週間もすればその事件の事すら忘れる。どこか他人事。それが我々と冤罪の距離感。
冤罪が発覚したのは今回が初めてではない。だが、毎回新鮮に冤罪をかけられた人に同情的。それでも、我々が冤罪について考えることなんてほとんどない。今は熱心にこの冤罪事件を追っていたとしても、またすぐに忘れていく。
今後も冤罪は無くならない。我々が出来ることは、自分がいつ冤罪に巻き込まれるか怯えつつも、自分には関係ないと他人事で居続けることだけだ。