何故意味を求めるのか。

人は何故意味を求めるのだろうか?

何かを始める時、何かを終える時、また何気ない日常においてさえも、人はついその行動や出来事に意味を求めてしまう。だが、冷静に考えれば、意味のないことなど世の中にいくらでもある。少なくとも、私はそう思う。

例えば、『絵を描くことが私の人生の目的だ』とか『闘争こそ我が人生だ』と語る人がいたとしよう。一見すると、その言葉には揺るぎない決意や情熱を感じる。しかし、果たしてそれが本心からの言葉なのだろうか。私には、そうした言葉の多くが後付けにしか思えない。

思い返してほしい。人生の序盤、まだ何も知らない子供だった頃に、そんな大層なことを考えただろうか。きっと考えていない。人は大人になる過程で、偶然出会ったものや、たまたま続けてきたことに意味を見出し、それを目的と呼ぶようになる。そして、それなりに成功し、人々の注目を集めた時、後付けで耳障りの良い言葉を語り始めるのだ。

「絵がなければ私は生きていけなかった。」

「闘争こそが私を強くした。」

だが、もし彼らが絵や闘争に出会わなかったとしたらどうだろう。その代わりに恋愛マスターとして名を馳せていれば、きっとこう言っていただろう。

「人生は恋をすることで豊かになる。」なんて感じでね。

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