#13. 何気ない生活を送ることが幸せ_F.Mさん
1. 現在の仕事は
──普段1日どのようなスケジュールを送っているかもう少し詳しく知りたいです。
大体、5:30から5:45に起きて、6:00から朝食。そこから新聞を読んだり身支度をして8:00頃に移動だね。9:00頃から働いて、大体14:00頃に終わるけど、顧客の対応や部品の強度試験が長引くと17:00頃に仕事が終わる日もある。帰ってきてから夕食。用事もあるときもあるけどないときはもうほとんど休息(新聞読んだりテレビ見たりする)だね。風呂を10分くらい入ってから晩酌を30分くらいして、19:00までには大体終わる。あとはもうテレビ見て、21:00には寝る。
──確かにこういうイメージあるかも。毎日こんな感じで過ごしているの?
毎日やってる、そりゃあ務めだよね。毎日好きなことだけさせられたノルマだよ、ルーチン。以前は飲みに行っていたこともあったけど、最近はね、飲みに行かないからね。コロナもあるし、年も年です。
2. 見えない仕事だけど
──仕事は普段何をやっているの?
主な仕事は、トラックの部材、特に木材部分の輸入販売をやってる。主に、インドネシアやマレーシアから持ってきていて、リアボディーメーカーさんやトラックボディーのメーカーの会社など、修理やそれに携わってる人たちが取引先になってる。それの製造メーカーや修理メーカー、そういうところだから個人でやってる人もいれば、数人でやっているところもある。
図面は読めるから今は手伝い程度にやってる。
──輸入販売っていうことは、英語やインドネシア語ができないと難しい仕事だよね?
取引はほぼ英語だよ。たまに英語ができる人にやってもらうこともあるけど、話せる話せないっていう問題よりも書いてある書類の文章が読めれば、その片言で通じる。
それに自分がやってるところの部分ってのわかるからね。何十年もやってるから経験がものを言ってる。だからあとは通訳がいるわけだ。
──確かに私も社会経験がほとんどないし、その業界について知っているわけでもないから、難しい。
悪いことはしてないよ笑。一応役に立ってる仕事をしてるし、信頼関係と自分たちのポジションってのがあるじゃん。仕事っていうのは、いろんな繋がりがある中で自分たちのポジションがあるものだから、そこの範囲内での仕事がある。
農家みたいに自分たち畑耕して、種を蒔いて、収穫してっていうようなそういう一貫して完結する仕事じゃない。我々には取引先の人たちもいるし、売る営業の人もいる。部品を仕入れたらそれ組み立ててまたそれを売って…。一つのサイクルになってるわけだ。
──今75歳だけど、いつまで仕事を頑張りたいと思ってる?
体が動けるうちは頑張りたいよ。まだ人が頼ってくれる間は、期間とかを決めずに動けるうちは頑張っていきたい。ここまできたら何が何でもってことはもうないから、とりあえず健康に気をつけて最後までやっていきたいと思ってる。
3. 過去を振り返ってみて
──その仕事をやり始めて、どれくらい?
この業界自体はもう40年くらいやってる。
現在の仕事は、定年退職してから、かつて取引していた人たちに誘われて現役が終わると同時に今の仕事を始めた。それと遊んでてもしょうがないし、小遣いも欲しいってことだからね。あと年金だけではつまらないって思ってやっている。それを平日に週5やってる。
ただ、何かあって休むのは優先するよね。家庭の事情が優先。現役ほどではないけど、毎日義務感とかそういうのがないわけじゃないけど、やっぱり自分の体と自分も家の用事を優先する。
──仕事自体も元々から長い期間専門的にやっていたんだね。
強度試験をしている写真があった(2. 見えない仕事だけど参照)でしょ。ああいったものが専門。今の仕事は、前の会社でやっていることがつながっているという感じだから、現役の頃やってた仕事を一部やってるだけということです。
──工業系を学びたいと思ったきっかけなどはある?
やっぱり理数系が好きだからね。そっちが良かったし、元から国語よりは数学や理科の科目が得意だったというのもあったから、工業系の高校に進学をした。
4. 現在の社会を見て感じることとは?
──昔と今の感覚で全然違うと思うことってある?
今だと完全に暴力だよ。今は暴力したら訴える簡単に訴えられるし、単なるその喧嘩だってそう。俺もいろいろとやってたけどおとなしい人は、大変そうだった。
中学校のとき、バレー部の県大会で優勝するぐらいのところに所属してた。日曜日なんかあったもんじゃない。毎日部活だったし、叩かれるどころじゃない。暴言もあった。今はその昔のこと言ったらもう全部暴力になるよ。今と昔のトレーニングの仕方は違うしね。うさぎ跳びもありえないし。昔はうさぎ跳びで階段上がらされたんだから。昔は根性っていう時代だったよ。
──確かに今では考えられない話だよね。
ただ、今になってみると、そういう辛さてってのが懐かしく感じる。昔はもう厳しかったし、でも今になってみるとそういうことがあったから、いろんなこと頑張れたんだなっていうのは思うね。あの時代も今の時代で結構厳しいところがあるんだから。
逆に今の若い子なんか文句ばっかり言うようになるから変えてお金などうなるんだろうっていう不安の方が大きいような気がする。今「入社して1日で辞めました」という言葉を普通に聞くようになった。そういうのは昔からいるのはいるんだよ、数が少なかったけど。それと昔会社入って時間がたてば給料上がったからね。働いても働かなくても年功序列で上がったかな。今は実力主義。実力主義が徐々に根付き始めたよね。だから今新卒で年収2000万円という会社も出てきたからな。昔なんかね俺なんだよ1万5000円から2万円なんだよ。中学卒業してきた子なんか1万3000円や1万4000円だったな。
──私自身も実力主義の会社ばかりになったなと感じる。
あと俺、残業はひと月80時間から120時間ぐらいやっていた。今は残業時間って厳しく取り締まられてるような気がする。だから昔に比べれば変わりすぎてその昔話になっちゃうんだよな。普通だったら日曜日なんてのはあるようでないときだよ。土曜日なんかも休みじゃなかったしね。今だったら過労死してる。
──今だと、この現実は批判される可能性が高いね。今の時代に対して思うことある今の時代に対して思うことある?
今の時代だと自己主張ばっかり、その平等を履き違えているような気がするような気がする。体力差や男同士だって体力差ってのもあるし、運動神経のいいやつ鈍いやつのいい奴悪い奴いっぱいいるわけで。そこらあたりをいかに調整や鍛えていくということなんだろうけど。なかなか思うようにはいかない。
──やっぱり調整が大事ですね。
5. 毎日いつも通りの生活ができることが良い「ふつう」
──最後にふつうって何だと思う?
そうだな…、毎日飯食って酒飲んで、夜寝る、これが一番いいんじゃない。この年になってくると贅沢なことをしようと思わなくなった。何か一般的な生活じゃないけどさ毎日の何気ない生活ができれば、大きな事故がなきゃね健康的に過ごしていきたいね。言い方良いかわからないけど、普通に暮らしていて、ある日突然死んじゃったっていうのが一番いいかも。そういうのがやっぱもう今のこの年になると望みだね。
──健康に長生きしてね。インタビューありがとうございました。
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