花の道 きのふは一番近い過去
俳句を始めたのは2001年。マレーシアから帰任してしばらくした頃、映画「フーテンの寅」シリーズ全編放映があり、「あ~、日本はいいなぁ~、四季は素晴らしい!」と思って見続けていたのでした。俳優、渥美清にも興味を持った時に、渥美さんが「風天」の俳号で句を詠むと知り、自分も詠みたくなって、のめり込んだのでした。俳号に寅の字を貰うほど。もう20年も経ったんですね。
赤とんぼ じっとしたまま明日どうする 風天
いかにも寅さんがトンボに話しかけている、映画のワンシーンを見るような…。
先日、「家族はつらい」を観ました。実際にはそうはいかない現実もあるだろうと思いながら、美しき「山田ワールド」で、ほのぼの、安心しました。でも、感慨に浸りながら感じたのは、山田監督は「あばれる漢」が欲しいんじゃないだろうか、ということでした。美しく理想的なストーリーに、野性味あふれる男、「テメエ!さしずめ、インテリだな!」と怒鳴るオッサンを配したいに違いない。その最高傑作が「車寅次郎」ではないかと…。初めの頃の寅はそれこそ「ゴジラ」の如く、暴れ狂ったものです。回を重ねるごとに、家族全員が成長していきましたね。その渥美さんも、
お遍路が一列に行く虹の中 風天
の名句を残して逝ってしまわれました。
今、プレバト俳句で梅沢富美雄さんが暴れてます。
「山田監督、梅沢さんで一本、どうでしょう?」