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もうすぐ一年生

 娘はもうすぐ一年生。毎日「いちねんせ〜いになった〜ら♪」と歌っています。うちの子は去年までNYの学校にいたので、現地のPre-Kを卒業し、その後はキンダーガーデンに入っていました。キンダーガーデンでは4歳からお勉強とテストに宿題も始まっていて、帰国して日本の小学校に入るのはなんてことないかな?なんて親の私は思っていたのですが、大きなステップなんだな、と気づいた今日この頃。

 文化の違いからか、アメリカの9月から新年度が始まり、6月に卒業というシステム。自分も音大で経験してきたのに、なんだかしっくり来なくてそこまでの感動も実感も少なかったかもしれない。と言いながら、6月にあった娘のPre-Kの卒業式の時は夫婦揃って号泣したのですが。「さ〜くらさいたら一年生♪」と娘が歌うたびにもうすぐ時が来るんだ、と母はグッときているのです。

 アメリカでの子育てと日本での子育ての大きな違いは、監視するってことでしょうか。アメリカでは子供たちとは片時も離れずにベビーカーを卒業してからずっと手を繋いでいました。特にNYは治安も良くはないので、目を離すことが危険だとも感じていました。うちの子は幸い、空気を読むことが上手なのか、今でも道に飛び出すこともなく、外を歩くときはいつも私の隣にいてくれるので迷子になることもありません。NY生活で身についた習慣なのでしょう。アメリカでは学校までお見送り、お迎えが当たり前。帰りなんて一人一人先生が名前を呼んで親に引き渡すところまでを見届ける毎日。それをキンダーから小学校6年間(確か6年間だよね?)。そんな生活に慣れ始めた頃の私たち。こちら日本はもう来月から一人で学校に行かせるのです!!みんなからしてみたら当たり前だよね。でも私の心の準備ができていません!!

 親から離れて100メートル先を歩いたこともない娘が来月から一人で学校に行き始めるのですから、もう大変。(私が。本人は全然。)しかも近所に同じ学校に通う一年生もいないので、一人きり。学校までの道のりは大人の足で20分。トンネルを抜け、橋を渡り、横断歩道を渡り、大冒険です。先日、一人で学校行く練習してみる!と娘がやる気満々なのでそっと後ろからついて行ってみることにしました。

 二人でいってきまーす!と大輔に声をかけると「そんなに近く歩いたんじゃ意味ないじゃん」と言われた娘の3メートル後ろにスタンバっていた私。

確かに。

渋々娘との距離を空け出発。淡々と振り返りもせずに歩いていく娘。

 あ!かわいいお花!そう思っても娘は一人で淡々と数十メートル先を歩いています。いつも手を繋ぎながら、隣にいてくれる娘といろんなことを話したり、観察したりしていました。あの子の手の温もりを感じながら、いろんな思いをシェアしていたのだ、と改めて気付かされました。私の方が前を歩く娘に声をかけそうになるくらい。

 川に差し掛かって橋を渡っている時、大きくてきれいな白鷺(シラサギ)がその川に降りてきました。すると、ようやく娘は後ろを振り返り、私に「きれいな鳥だね」と遠慮がちに話しかけてきました。待ってました!と小走りで駆け寄る私。「お父さんやこうたろうにも見せてあげたいなー」と娘。今まで全てのことを共有してきたわたしたち。これからはあの子が一人で経験していくこともドンドン増えていくんだな、大きくなったな、と思うとウルっときてしまい、いけない、いけない!川の上流の方に飛び立った白鷺を見届けて再出発。

 横断歩道に差し掛かると手をピン!とあげて横断する娘。あの姿勢の良さったら笑っちゃうくらい。さすが、交通公園で練習してただけはあるな。しばらくいくと、また振り返りました。今度は何かと思ったら鼻水が出るからティッシュをくれと。いつもなら甘えて、やって〜というのに、パッとティッシュを私の手から受け取ると鼻をかみながらまた前を見て歩き続けました。

 ようやく学校にたどり着くと、なんてことなかったかの様な顔をしていました。もっと感動した!とかやっとついた!とかなかったのかい?!帰りも一人で歩く!と意気込んで勇ましく帰っていきました。

 その後は、一年生になるから一人で寝る!と自分の布団を自分の部屋(らしき部屋)に持っていって目覚まし時計と大きなぬいぐるみを持って寝始めたり、気づいたらひらがなもカタカナも教えていないのに描ける様になってるわ、本だって一人で読める様になるし。恐るべし、『もうすぐ一年生パワー』。

 こんなふうにあんなに甘えん坊な子が急に自立をしようとしてしまうのですから、私がついていけません。でも自立心を妨げる様なことはしたくないので応援はしています。自分よりも娘の方がはるかに早いスピードで成長していっているので、このなんと表現して良いのかわからないもどかしい私の想いを伝えたく、今日は記事にした次第でございます。

 毎日子供たちにもう少しゆっくり大きくなっていって良いんだからね、っと伝えているのですが…。

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