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トンカチからジェットコースター?

 前回の運動会の記事でも紹介しました、運動会のおみやげでもらったトンカチ。そう。なんの飾り気のないあの、『トンカチ』です。しかも子供用とかじゃなくって、お世辞にもかわいいと言えない、ホームセンターで売っている普通のトンカチ。でも子供たちの目にはそうは写っていないのですね。運動会終わったらトンカチがもらえるって噂を聞いた子供たちはみんなとってもワクワクしていたようです。今日はそこから始まるお話です。

憧れのトンカチを手に入れた年長さん。自分たちがまだ年中さんの時にお兄さん、お姉さんがトントンやっているのを見ていたのか、かなり憧れていたのですね。早速、幼稚園でトントンカンカン始まったようで、まだ一週間も経たないくらいに、娘が「今日イス作った〜」と言うではありませんか。「幼稚園で使ってるよ」って。え?もう?半信半疑で話を聞いていたのですが、話はどうやら本当だったよう。じゃ〜ん。

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 これは先生が乗っても壊れないらしい。参観日に行ったら、みんなが自分の手作りのイスに座っていて可愛かった。園だよりによると、イスが作れるようになった『イス名人』になったら、次は机作りに挑戦できるらしい。レベル設定があるのですね。今度は「ただいま〜。見て〜」って大きいものを持って帰ってきました。

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 これで娘も『机名人』!机は友達との共同作品のようで、この日は家族に見せたかったので、友達にオッケーをもらって机を3日間ほどお泊まりさせてもらうことに。立派な机です。同じ幼稚園に通っている息子の参観日で幼稚園に行ったら、ポカポカ日の当たる園庭でこの手作りの机とイスに座って友達と一緒にお弁当を食べている娘。(母はスパイのように影から観察していましたよ)一緒に机を作った子らしいんだけど、二人でニコニコおしゃべりしながら、お弁当を食べている姿はまるでカフェで優雅にランチを楽しんでいるギャル。微笑ましかったです。

 トンカチで作業をすると手を打っちゃう子もいるみたいですが、『痛い』を学んで安全に作業ができるようになるようですね。なるほど。大人が先回りして危険を回避していては、いつまでたっても独り立ちできませんものね。さすがです。

 話によると『イス名人』になったら、机が作れるようになる。机ができたら『机名人』に。その次のステップはなんと、『ワクワクランド』?!年長さんは年下の園児たちを喜ばせてあげるために、木材とトンカチで子供遊園地を作ってあげるのです!なんて、夢のある企画!娘は「孝太郎には内緒だよ!」っていつもヒソヒソ今どこまで作ったのかを耳打ちしてくれていました。

 子供遊園地は各クラス別々に作るらしくて、年長組は3クラスなので、園庭に3つもテーマパークができるわけです。すごい!娘のクラスの内容はお化け屋敷、虫博物館、おみせやさんとジェットコースター。盛りだくさんですよね。娘はジェットコースターづくりのチームに入ったみたいです。え?机の次がジェットコースター?机の次のステップの振れ幅が大きすぎてビックリ。本当にできるのかしら。

 今度は娘の参観日がありました。トンカチで作業をするところを見せてくれるようです。朝からトントン、カンカンみんな頑張っていました。デザインを考えて、模型も作っていたようです。念入り。年長さんとは思えないくらい本格的。先生が指導しながらの作業。先生はノコギリまで使わせて木材を切らせてあげていました。子供たちもトンカチの使い方を完全にマスターしているようで、ある程度まで打てたら手を離して怪我がないように工夫していました。素晴らしいですね。

 あっというまにタイヤがついてイスがついて、壁ができました。早速子供たちで試乗。紐で引っ張ってゴロゴロ進んでいきます。楽しそうでした。すると目ざとい年中さんたちがやってきて「のーせーて」と。本当は内緒なのに快く乗せてあげて引っ張ってあげる年長さん。自分たちも乗りたいだろうに。とても微笑ましい光景でした。

 私はここまでしか見ていないのですが、それから屋根までつけて色をペンキで塗って、レールで大きな坂を作って、完成したようです。大作ですね。

 いよいよ年下の園児たちを招待する日。前日は準備のためにチビ園児たちは午前保育。年長さんたちはお弁当持ちで最終準備でした。お店やさんはお菓子を焼いていたようですね。こりゃ楽しそう!招待状ももらい、3歳児クラスの息子も楽しみにしている様子。「あしたあかりのワクワクランドに行くんだ〜」って張り切っていました。

 翌日。絵本袋に幼稚園オリジナルのお金を入れて、みんな遊園地へ。帰ってきた息子は笑顔で絵本袋から、自分で買った木で作ったカブトムシや折り紙など得意そうに見せてくれました。娘のジェットコースターにも乗りに行ったみたい。お店やさんではイートイン(Eat in)でクッキーも食べてきたようです。当の我が家の年長さんはずっとジェットコースターを止め続けて疲れたーと言いながら喜んだ弟を見て満足そうな顔。「屋根付きのジェットコースターが一番楽しかった!」との一言をもらってさらに嬉しそうな顔をしていました。

 その様子をDVDに収めてくれた先生方。のちに拝見したのですが、チビたちが絵本袋持って並んでお金払ってお店でクッキー買ってテイクアウトしていたり、お店で食べたり(ウエイターもいましたよ)。ジェットコースターは4人乗りで手作りの坂を滑る園児たちにはスリルを感じるであろう作り。ちゃんと案内係がいて案内してくれてたり、手作りの迷路状になったお化け屋敷はみんな可愛く変装して脅かしていたり、虫博物館は建物を作り、自分たちで探してきた虫を展示して、虫の格好をした子供たちが小さい子たちに色々説明をしてあげているなど、かなり頑張っていました。

 あの『トンカチ』一本から、こんなに素晴らしい思い出を自分たちの手で一から作り上げた子供たち。あっぱれです!

私が幼稚園行きたくなっちゃう。

きっと子供たちの一生の思い出になったことでしょう。

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