スーパーカブ50で東京と九州を大阪経由で往復したので記録(2023年→2024年)
年末年始恒例になりつつある長距離西日本カブ旅も3回目。
冬は日本海側や東北は論外なので自ずと西になるのだけど、今回は九州から山陽沿いに乗ったことが無い私鉄・三セク・市電すべてに乗ることを目的に、その間をカブで移動するという挑戦としました。
結論を言うと、自走したのは東京都内から東京有明港、フェリーで新門司港へ、新門司から北部九州グルっと、山陽地方を東へ、そして大阪から和歌山往復で大阪八尾市までといった感じです。そして各地でJR以外で乗ったことが無い路線を乗りつぶしていく旅路。
0日目 カブをフェリーへ
東京有明と新門司港を徳島経由で結ぶのがオーシャン東九フェリー。この路線は以前徳島→東京で利用したことがあるけど、今回はカブだけをフェリーで先に九州に運ぶことにしました。このサービスは50㏄なら6450円で東京から新門司まで、さらに追加各1150円で積み込みと積み降ろしをやってもらえる。今回の場合、積み込みは自走して、新門司到着時の積み降ろしを代行することで6450円+1150円の7600円で依頼することになります。
ちなみにこの50㏄の航送サービスの利用者が少ないからなのか、フェリーターミナルの誘導員が把握しておらずわけわからないところに誘導されたり、船に乗せた後にどこから降りるのかも指示もなかったりです。2024年3月現在も電話予約のみ、積み込み当日は窓口で料金支払い、航送とわかるような張り紙をして、普通にフェリーに乗るのと同じように並んで2輪の先頭で載せて、鍵は預けて、乗船したタラップから下船して、窓口で手続きして終了。有明港は徒歩30分でビッグサイトに出るか、少し待てば東京駅までの路線バスに乗れれる。このバスも基本的にはフェリーに乗る人のためなので、東京駅方面に戻る便は限られているので注意。
1日目 東京→神戸(新幹線)→神戸~フェリー~新門司港
カブを預け、翌日は仕事納め。仕事納めをしながら新幹線で神戸へ、そして神戸の六甲アイランドから阪九フェリーで新門司へ。なんでわざわざフェリーかというと、今回カブを預けたオーシャン東九フェリーの新門司港ターミナルと、阪九フェリーの新門司港ターミナルは隣接しているため。
新門司港の最大のデメリットは、フェリー出発時間に合わせた夜の送迎バスを使う以外原則公共交通機関でアクセスできないこと。カブを預けたはいいものの、受付時間中に新門司港でカブを回収するにはタクシーで向かうしかない。原則といったのは、唯一阪九フェリーの神戸六甲-新門司線か大阪泉大津-新門司線であれば、隣のターミナルにつくので朝7時に到着して徒歩10分かからずにカブの回収場所にたどり着けるというライフハック。
2日目 新門司→有田→【松浦鉄道】→大村
狙い通りフェリーターミナルでカブを回収。神戸から新門司のフェリーも18:30発→7:00着、大浴場もあるし横になれるしカプセルタイプの一番安い席なら1万円以下と素晴らしい。新幹線で神戸までいったとしても飛行機や全新幹線より安いし、タクシー代もかからないし、朝早くから動けるのでメリットは多い。
今回福岡県には用事がないので筑豊をぶち抜き、落ち着いた鳥栖あたりで郵便局により仕事道具(前日仕事納め)を郵送して身軽になって焼き物の町有田へ。
有田駅にカブを置いて、松浦鉄道を完乗。佐世保からJRで有田へ移動して宿泊地の大村へ移動して終了です。
3日目 大村→諫早→【島原鉄道】→長崎→【長崎市電】
この日は大村を出発、諫早へ移動し島原鉄道を往復して完乗。
そのあとは長崎市内へ移動して長崎市電を完乗。
長崎では夜景でも見ようと鍋冠山へ登りました。昔稲佐山にも行ったことあるけど、天気が悪かったので、この日は快晴で素晴らしかったです。
宿泊は長崎市北部の時津町でした。
4日目 長崎→島原~フェリー~熊本→【熊本電鉄】→【熊本市電】
長崎市北部の諫早から干拓堤防道路、さらに雲仙温泉経由で島原からはフェリーで熊本へ。
このフェリーは結構需要が多く2社が交互に1時間に1本以上確保されている。島原半島からだと直線距離では長崎と熊本は同じくらいの距離で、熊本の方が栄えているのし、港からは送迎バスで熊本中心部へもアクセスできるので大きな買い物とかだと自家用車無しでも一定の需要があると思われる。
上熊本駅にカブを置いて熊本電鉄と熊本市電を完乗。熊本は第二の故郷としているだけあって何度も来てるけど、両線ともに端まで行ったことがないので新しい取り組み。
この日の夜からはあいにくの雨となり、天気予報を見つつこの後の行程を整理しました。
5日目 熊本→鹿児島(新幹線)→【鹿児島市電】→熊本(新幹線)→【南阿蘇鉄道】→氷川町
この日は大晦日。朝から電車メインの日。JR九州の株主優待券が今年から1日普通列車が乗り放題に変わったので(今までは一筆書きルートなら乗車券も特急券もグリーン車だろうと半額になる)、少し使いにくいけど単純往復がしやすくなった。特急券を別で払えば乗れるので、それを使って鹿児島中央へ新幹線でいって鹿児島市電を乗りとおしてすぐに戻ってくる。
そして今度は豊肥本線で阿蘇方面へ行って南阿蘇鉄道を往復しました。
夜は八代方面へ向かい、イオンで買い出しして氷川町のホテルAZで年越しの宴。
6日目 氷川→人吉→【くま川鉄道】→八代→熊本
2024年1月1日、くま川鉄道に乗るため人吉へ。2020年の豪雨災害の影響で球磨川沿いの国道219号線は不通。その代わり九州自動車道が無料開放されてるけどそもそも50㏄のカブには関係ない。そうなると迂回路の五木村経由で行くことに。かなり僻地の道ながら、標高はそれなりに上がるけど酷道といえる区間は一切なく基本的に安定した道だった。
人吉ではくま川鉄道を往復。その後は熊本市方面へ戻るのは、ズタズタに被災したJR肥薩線に沿って219号、途中から芦北へ迂回して国道3号に出るルートで戻ることに。道路の方が被災状況が酷く、少し高台にある肥薩線の線路は剥がされて道路に転用されている区間が多数ある。肥薩線の復興は目途がたっていない状況というのがはっきりわかった。
芦北からは3号を北上して故郷八代で初詣をして、熊本市内へ。八代市内からは国道3号と並行して海側を行く県道14号を北上。ガソスタ探してたのですが熊本市内まで見つからず、給油したときには4L以上入ったのでかなりぎりぎりでした。
7日目 熊本→菊池→玖珠→豊後高田→竹田津~フェリー~徳山
この日は移動を重視。本州にどうやって戻るかで、通ったことがないルートを選択。熊本市内からは気になっていたTSMC熊本と、私のカブの生まれ故郷であるホンダの熊本製作所を巡礼。
そこからは九州中央の山間部を横断し、玖珠から宇佐へ抜けるルート。
山間部ということでかなり余裕を持って明るいうちに大分沿岸部へ抜けられた。いくら九州で天気がいいと言っても、九州の山間部は路面状態だけでなく寒さと暗さも精神的にもリスクなので。
周防灘フェリーは大分の国東半島の竹田津から山口県周南市徳山を結ぶフェリー。ルートはかなりいいものの、高速道路も整備されて需要者は伸び悩んでいるよう。2時間でカブ1台+大人1人で約5500円は、島原→熊本フェリー1時間の2倍以上なので結構高いなと。
8日目 徳山→岩国→【錦川鉄道】→廿日市→【広島電鉄】→広島
徳山からは暗いうちから国道2号線を東へ。川西駅でカブを置いて錦川鉄道を往復。
その後は岩国や大竹といった工業都市をうろうろしながら、廿日市市の宮島へ。岩国は山口県だけど広島圏って感じがする距離感だった。
阿品駅にカブを置いて今度は広島電鉄で市内を回って戻ってきました。夜になってしまったけれど広島市内へカブを連れて移動して市内泊。
9日目 広島→【アストラムライン】→【スカイレール】→福山
翌日は広島市内で広島電鉄を見物した後にアストラムラインの広域公園前駅へ。西広島駅裏から山越えが想像以上にすごかった。広島が山の町だというのを小さいエンジンの乗り物だからこそ体感した。アストラムラインを往復。
少し天気が怪しいなかでスカイレールの瀬野駅へ移動。
スカイレール完乗後はまたさらに東へ東へ。国道2号線の広島と福山の間は内陸を通るしバイパスになるので、カブは走れるタイプのバイパスだけど怖い区間。なら海沿いをのんびり飛ばしますかということで、竹原、三原、尾道と海沿いを行くルートを選択。
福山は広島第2の都市で、広島市が県西部によっている分、東部の拠点都市となる。JR乗りつぶしでは駅前しか知らなかったので、カブで走ったけど意外と栄えていて伊達に人口40万人の大台に乗る都市ではないなと感じた。よく言われるのは広島は安芸だけど、福山は備後国だから文化も違うらしい。
10日目 福山→岡山→【岡山電気軌道】
福山からは岡山方面へひたすら東へ。この日も基本的には内陸で交通量も多く流れも速い国道2号を避けて海沿いを行くルートをとる。その後は総社市の造山古墳、吉備津神社をめぐる。そして岡山市内へ移動する途中に黒住教という新興神道宗教の施設を発見し見物してみた。存在を知らなったです。
岡山市内では岡山電気軌道を完乗。この日は比較的余裕があったので駒を進めるか悩んだけど、スーパー銭湯でゆっくりした。
11日目 岡山→姫路→【山陽網干線】→明石→泉大津
いよいよこの旅の終わりを見据えての調整。山陽網干線を乗った後は一気に関西圏へ。
兵庫県内の国道2号もメインはバイパスで自動車専用道になるので、沿岸部の250号や2号の旧道車を行く。そして前から気になっていた明石の日本標準時子午線を見物しました。
天気予報ではぎりぎり曇りだと思ったのに雨に打たれながらも東へ東へ。意図せず通ったのは国道43号。この道は阪神間の幹線道路なのに大気汚染の訴訟問題に発展して、道路規格の割に最高速度が40km/hに規制されている名物国道でしたね。
いろいろ考え、翌日の強行軍の前準備ということで大阪府南部へ移動しておくことに。深夜の大阪市内、今までで一番運転マナーが酷かったですね。
12日目 泉大津→御坊→【紀州鉄道】→和歌山→【南海各線】→大阪
この日は和歌山の御坊で紀州鉄道、その後和歌山市内で南海電車の支線たちをめぐるのが目標。和歌山の海南市付近で100台以上の珍走団の一団と遭遇したけど、令和でもいるんだなぁと。
流石に最終日の晩は荷物整理などあるので、ホテルにしました。大阪市内でもカブを無料でおけるホテルは探せばあるんだなと。安い古いビジホだけど5000円くらい。
13日目 大阪でカブ預ける→【阪堺電車】→【泉北高速鉄道】→【南海汐見橋線】→東京(新幹線)
最終日は仕事初め前日。カブを陸送業者に預け、一足先に私は東京へ戻ります。
今回初めて利用するバイクのデポ止め便。郊外にある業者拠点に自力で乗って行く・取りに行くことで格安で東京と大阪の間(ほか主要都市間)でバイクを輸送するサービス。特に50㏄は東京大阪間を自走するのは休まず走り続けても1日では絶対無理な行程なので、それを6000円で運んでくれるのはかなりいいサービスと感じた。若干の難点は東京・大阪の両拠点が割と郊外で、しかも駅から15分超と遠いことくらいで不満は無いです。
カブを預けた後は大阪南部の阪堺電車、泉北高速鉄道、南海の汐見橋線を乗って推しのライブへ参戦して、そのまま夜新幹線で東京に戻りました。
エクストラステージ(14日目) カブ回収
仕事初めから一週間後の週末、埼玉県吉川市の拠点へ回収しに行きました。これにて全行程終了です。
まとめ
今回4回目となる超長距離カブ旅。真冬は3回目ともなると慣れてきた。上着にダウンを導入したことでかなり快適に寒さをしのげたのが収穫です。
出発前にオイル交換、ブレーキ調整、チェーン調整など一通りやっていたこともあり、全行程1800km以上になったけど何事もなくしのげました。
宿泊はどうしているかというと13泊中、フェリー1泊、ホテル3泊、1泊が自遊空間、8泊が快活クラブでした。快活クラブがいつの間にかネカフェの代名詞になっているけど、ネカフェのメリットは安いのは勿論なんだけど、時間制限があるからだらだらしないことで、行動重視の行程にはちょうど良い。ちなみに、洗濯はコインランドリーですが、深夜でしかも田舎のコインランドリーって崩壊後の世界を疑似体験してるかのようなえも言われぬ良さがあるのよね。もちろんその間に買い出しとかに行くんだけども。
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