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#創作
合同誌「少女文学」栗原ちひろサンプル
2019/5/12コミティア発行予定の企画合同誌「少女文学 第一号」に寄稿した栗原ちひろ作品のサンプルです。合同誌についてはこちら↓
黄金と骨の王国 ~半竜人と死せる第一王女の章~
穴には死が詰まっていた。
闘士の死。もしくは、獣の死。穴から這い上がるにはどちらかが必要だった。
闘技場とはそういうものだ。天上の王都でもそうだし、《海鼠色の蛇に似た竜》の名を冠した四十七番目の塔に近い貧民の
5/12コミティア個人誌サンプル【1】
死んだ目をした君と、天国みたいに美しい海で出会った。
とある世界の海辺の町、コローナ。観光と、海底遺跡から財宝を引き上げるサルベージしか産業のないこの町で、ふたりの少年が出会う。 サルベージに魅せられた元ストリートチルドレン、エリオ。マフィアにさらわれてやってきた元資産家の息子、カール。 ふたりのぎくしゃくした友情は、やがて町にはびこるマフィア組織を揺るがし、海に沈んだ古代遺跡の謎をも解き
5/12コミティア個人誌サンプル【7】
2019/5/12コミティア発行予定の個人誌サンプルその7です。6はこちら↓
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6・一番暗い海の底で君と出会った
「夜の海は好かねえなあ。いまひとつ、よくねえよ。そう思わねえか、エリオ」
「今更帰れないのに、何言ってんだ。もうだいぶ沖に来てるし、ルカ兄貴の着てるそのスーツ、くっそ高えしさ」
振り返りもせずにエリオが言うと、漁船の甲板にしゃがみこんだルカが嘆きのうなりをあげた。彼はい
5/12コミティア個人誌サンプル【6】
2019/5/12コミティア発行予定の個人誌サンプルその6です。5はこちら↓
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5・人形操者のナイトクルージング
腹の底から揺さぶられるようなエンジン音と、有機的な揺れ。潮の香りに入り交じるオイルの臭い。削った黒大理石みたいにつやめく、夜の波。
自分たちを包むすべてを楽しみながら、ジルドはうっとりと言った。
「これが夜釣りだったら、もっと楽しいんだけどね。よく冷えたスプマンテと、
5/12コミティア個人誌サンプル【5】
2019/5/12コミティア発行予定の個人誌サンプルその5です。4はこちら↓
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4・片手に銃、片手に夜への招待状
「う、うわあああああぁぁぁ!」
あっという間に叫びが遠くなっていき、エリオは窓枠を掴んで身を乗り出した。
花柄男がぐんぐん遠くなる。落ちて行く、落ちて行く。
エリオの大好きな真っ青な海に落ちて行って――ばしゃん、と高い水しぶきが上がった。エリオはまだしばらく海面か