栗原ちひろ

エンタメ小説家。2005年角川書店(当時)よりデビュー。ファンタジー、オカルト、児童書…

栗原ちひろ

エンタメ小説家。2005年角川書店(当時)よりデビュー。ファンタジー、オカルト、児童書の翻案など手がける。著作40冊以上。2017年に男児を出産。noteでは有料日記小説連載と、不定期で小説やエッセイを更新。HP https://kurihara-chihiro.jp/

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    何か起こりそうで起こらない。事件巻き込まれ体質だけれど特に解決しない社会人探偵と、ワトソン役の従兄弟の大学生がひたすらだべる短編集です。

記事一覧

「余った家」掲載されたよ

みなさんお元気でしょうか、東京は梅雨です。 こちらは相変わらずびっしり仕事をしているのですが、中々表に出るものが少ない数年間を過ごしています。 今回はそんな中で…

栗原ちひろ
3か月前
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作家18年生、noteで賞をもらう。

これでも一応作家です。ある日、地元のbarで見知らぬ編集者に出会った。 彼は私が作家だと知ると「恋愛小説ですか」と言った。 私が当時書いていたものは、キャラクター文…

栗原ちひろ
11か月前
77

庭を造る 第二話

第二話 「それにしてもいっぱい出たね」 「いっぱい出たな。どこまで掘ればいいんだろうな」 「兄貴がもういいやってとこまででいいんだよ」  夜中にご近所さんがやって…

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庭を造る 第一話

あらすじ 第一話  現実を美しく編集する。  僕がやっているのは、そういうことだ。 「はい、こんにちは。ちょっとお久しぶりですね。みなさんお元気でしたか? 庭系動…

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「百一回目の別れ話」あらすじ

あらすじ 高校生カップルがデートをしているが、どことなく様子がおかしい。男は女に悪口ばかり言い、ついには別れ話を切り出す。女はまったく気にしない。実は、男の嘘は…

4

百一回目の別れ話

「雪、別れよ?」  拓斗は、ツナマヨ鯛焼き片手に、そう言った。  私はぎこちなく笑い返す。 「ありがとう、ごめんね、拓斗」 「う~~ん、やっぱそれかあ」  拓斗…

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有料日記マガジン終了のおしらせ

まだまだコロナな日々ですが、みなさんどうにかお過ごしでしょうか。こちらで連載しておりました日記「物書きのサーカス」は2020年内で終了、マガジン自体はnoteさんの手続…

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2020年を振り返りつつ、更新終了のお知らせ

日記の更新がめっきり滞っていてすみません。他にもいろいろ滞っています、ダイエットとか。誰か、病気にもならず修羅場も乗り越えられるダイエットの仕方を知らないものか…

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2020/7/19の日記「海を見に行く」

ここのところずっと子どもが海に行きたがっていた。コロナの関係で都外には出づらい今日この頃、都民にとって海といえば東京湾である。 ハロー、お台場。お久しぶり、お台…

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【連載小説】何も起こらない探偵事務所 #4

「みはる。ミイラって食ったことある?」 「あるよ」 「おっと、待って待って。どこで? 博物館? 河童寺?」  従兄弟の砂倉があっという間に情けない顔になったので…

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2019/11/19の日記「果物食い幼児と母の手本」

昨晩は子どもが吐かなかったので、今日は保育園に行けるかな、と思っていたが、朝方すやすや寝ている子を見て「やーめた」と思い隣で二度寝した。まだ体力回復するのが先だ…

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「少女文学 第二号」について/栗原ちひろ個人サンプル

 同人誌が出ます。  今回、この本の巻頭にわたしのお話が載ります。「黄金と骨の王国 白銀の騎士と人形の王女の章」といって、少女文学第一号に載せていただいた話の続…

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いつもありがとうございます☺️

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外出もなし、寝かしつけもなし。親子でたらたらと台風監視の1日。

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日記のネタは山ほどあるのに書く気力体力時間のない土曜日。子どもの運動会で全てを使い果たしました。保育園の運動会でこれじゃ、数年後の小学校運動会なんかは泡吹いて死んでしまうのではあるまいか。恐れ慄きながらちょっといいビールを飲むのだ。

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いつもありがとうございます!!

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「余った家」掲載されたよ

「余った家」掲載されたよ

みなさんお元気でしょうか、東京は梅雨です。
こちらは相変わらずびっしり仕事をしているのですが、中々表に出るものが少ない数年間を過ごしています。

今回はそんな中でも、無事に発表になったものの話をひとつ。

WEB別冊文藝春秋さんに、新作文芸ホラーを載せていただきました!
わーい。いわゆる文芸ジャンルでの初書き下ろしでしょうか。
実は二見書房さんの「ゴーストリイ・サークル」もラノベではないのですが、

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作家18年生、noteで賞をもらう。

作家18年生、noteで賞をもらう。

これでも一応作家です。ある日、地元のbarで見知らぬ編集者に出会った。
彼は私が作家だと知ると「恋愛小説ですか」と言った。
私が当時書いていたものは、キャラクター文芸のライトミステリ、もしくはオカルト冒険小説だ。どう考えても恋愛小説ではない。
しかし、この編集者はそんな返事を望んでいるだろうか?

女の作家=恋愛小説家

ここまで単純化してものを言うからには、彼は女の作家を、ひいては女を、自分と違

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庭を造る 第二話

庭を造る 第二話

第二話

「それにしてもいっぱい出たね」
「いっぱい出たな。どこまで掘ればいいんだろうな」
「兄貴がもういいやってとこまででいいんだよ」
 夜中にご近所さんがやってきた、その翌日。
 僕らは、珍しくふたりして庭にいた。
 昨日の今日だから、またあいつが来ないか見張っていてあげるよ、と言った弟を断る理由もなく、僕は朝から弟と庭の穴を掘りまくった。戦果がこれだ。庭に広げられたレジャーシート。そこに並ぶ

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庭を造る 第一話

庭を造る 第一話

あらすじ

第一話

 現実を美しく編集する。
 僕がやっているのは、そういうことだ。
「はい、こんにちは。ちょっとお久しぶりですね。みなさんお元気でしたか? 庭系動画配信者のガーデナーKです。今日お見せする庭は、こちら」
 明るく平淡な声でまくしたて、僕は小型カメラに向かって微笑む。思い切り表情筋を使って口を弓形にし、自分の感情とは全く関係ない笑みを浮かべる。
「どうですか? びっくりしました?

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「百一回目の別れ話」あらすじ

「百一回目の別れ話」あらすじ

あらすじ

高校生カップルがデートをしているが、どことなく様子がおかしい。男は女に悪口ばかり言い、ついには別れ話を切り出す。女はまったく気にしない。実は、男の嘘は善意の嘘。つらい現実から逃げたかった女が男に「私のために嘘をつき続けて」と頼んだのだ。二人は周囲の白い目にも揺らがず、嘘を吐かなくても現実と向き合える大人になれる日を目指して、今日も嘘をつき続ける。

読み切り作品

「百一回目の別れ話」

百一回目の別れ話

百一回目の別れ話

「雪、別れよ?」

 拓斗は、ツナマヨ鯛焼き片手に、そう言った。
 私はぎこちなく笑い返す。

「ありがとう、ごめんね、拓斗」

「う~~ん、やっぱそれかあ」

 拓斗は可愛く笑って、鯛焼きの残りを口に押しこむ。
 私はノンカロリー炭酸をストローで吸い上げ、空になった容器をゴミ箱に放りこんだ。

「これで拓斗のお別れ宣告、百回目だっけ?」

「数えてたの? 気持ちわるぅ」

 拓斗は笑って言い、立

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有料日記マガジン終了のおしらせ

有料日記マガジン終了のおしらせ

まだまだコロナな日々ですが、みなさんどうにかお過ごしでしょうか。こちらで連載しておりました日記「物書きのサーカス」は2020年内で終了、マガジン自体はnoteさんの手続きの都合上、つい先日終了となりました。

ただの日記に長いことお付き合いくださいまして、本当に嬉しかったです。これからものんびり暮らしていきます……と言いたいところですが、過去日記ものんびりはしていなかったし、これからものんびりはし

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2020年を振り返りつつ、更新終了のお知らせ

日記の更新がめっきり滞っていてすみません。他にもいろいろ滞っています、ダイエットとか。誰か、病気にもならず修羅場も乗り越えられるダイエットの仕方を知らないものか。知らないね。はい、知らないね。知らないと思います。というか、ないと思います。めげないことだけが、唯一の方法……。

健康のために朝スープ生活続けていますとかなんとかいろいろあるのだけれど、それはともかくnoteの更新は年内で終了しようと思

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2020/7/19の日記「海を見に行く」

2020/7/19の日記「海を見に行く」

ここのところずっと子どもが海に行きたがっていた。コロナの関係で都外には出づらい今日この頃、都民にとって海といえば東京湾である。

ハロー、お台場。お久しぶり、お台場海浜公園。オリンピックのため長いこと閉鎖されていたお台場の人工浜辺が開放されていた。人出はぽつぽつ。浜辺にゴミはあんまりないけど、水はとても生臭い。大学生の集団が「こういうのやりたかったんだよな! 夏! イェーイ!!」と自撮りしている。

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【連載小説】何も起こらない探偵事務所 #4

【連載小説】何も起こらない探偵事務所 #4

「みはる。ミイラって食ったことある?」

「あるよ」

「おっと、待って待って。どこで? 博物館? 河童寺?」

 従兄弟の砂倉があっという間に情けない顔になったので、僕はぷうっと膨れて見せた。
 ここはバーの居抜きの探偵事務所。
 事件に巻きこまれがちだが解決しない探偵、砂倉渓一と、従兄弟でワトソン役の僕、三春智史の楽しい遊び場だ。

 小型ノートPCから手を話し、僕は熱弁を振るう。

「いきな

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2019/11/19の日記「果物食い幼児と母の手本」

2019/11/19の日記「果物食い幼児と母の手本」

昨晩は子どもが吐かなかったので、今日は保育園に行けるかな、と思っていたが、朝方すやすや寝ている子を見て「やーめた」と思い隣で二度寝した。まだ体力回復するのが先だ。

結局普段より2時間遅く起きた息子さんは過去3日の中では一番元気で、朝からバナナを食べられたし外に行きたがったので買い物に出た。スーパーにたどり着いた途端「あれが欲しい!!」と言って玉ねぎに突撃されたので「なんで!?」と叫んだ。交渉の末

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「少女文学 第二号」について/栗原ちひろ個人サンプル

「少女文学 第二号」について/栗原ちひろ個人サンプル

 同人誌が出ます。

 今回、この本の巻頭にわたしのお話が載ります。「黄金と骨の王国 白銀の騎士と人形の王女の章」といって、少女文学第一号に載せていただいた話の続き、というか、過去編です。
 
 第二号から読んでも全然かまわない、一話完結の物語です。むしろ、こちらから読んでもらって、あとから第一号を読んでいただくと一際趣深いかもしれないので、気になったら気軽に物語の世界に飛び込んでみてくださいね。

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いつもありがとうございます☺️

外出もなし、寝かしつけもなし。親子でたらたらと台風監視の1日。

日記のネタは山ほどあるのに書く気力体力時間のない土曜日。子どもの運動会で全てを使い果たしました。保育園の運動会でこれじゃ、数年後の小学校運動会なんかは泡吹いて死んでしまうのではあるまいか。恐れ慄きながらちょっといいビールを飲むのだ。

いつもありがとうございます!!