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『仏教とキリスト教の接点』

八木誠一という名の新約聖書学者がおりまして、その方が昭和50(1974)年に法蔵館から出版された『仏教とキリスト教の接点』という1冊を、つい最近「メルカリ」にて入手しました。

わたしは「八木誠一」なる人物は、清水書院から出ている「人と思想」シリーズで「イエス」を執筆担当した人物である以上の認識を持っていませんでした…。

しかしながら、Wikipedia日本語版を読んでみると「その研究は新約聖書学から出発し、仏教との対話を媒介とし、キリスト教と仏教の交点に立って、宗教の本質を探っている」とあるように、まさしく「キリスト教」と「仏教」の「交点」が探られているのが、今回、紹介する『仏教とキリスト教の接点』、その1冊になります。以下、Wiki日本語版「八木誠一」のリンクを貼っておきます。

そもそも、この『仏教とキリスト教の接点』は法蔵館という、仏教書を専らとする出版社から発刊していることからも、その「読み手」も、キリスト教徒ではなく、仏教関係者である可能性も高いです。

あとは、この『仏教とキリスト教の接点』という、1974年に出版された、古い著作を手繰り寄せる前に、著者の公式HPがあり、そこで著者自身が自ら「考え方」を述べていますので、そちらが一読に値すると思われますので、リンク、貼っておきます。

では、『仏教とキリスト教の接点』そちら小論にまとめられたものがWEB検索していたら見つかりましたので、以下、ダウンロードできるように、アップしておきます。

個人的な話題で恐縮ですが、わたしは、この本のタイトルのような…「仏教とキリスト教の接点」について、探し求めてきました。
それと同じ主題を、それも専門的にやっておられる方の文章と出会えたことは、わたしにとっては幸運な巡り合わせでした。
この「1冊」によって、今まで、ずっと心の奥底に「蟠(わだかま)り」として残っていたものが解けるかもしれません。

わたしは母方の大叔父が日本基督教団の牧師で、東村山教会を創立した人物であり、父方の祖母は還俗した尼でした。

母方にはプロテスタントの残滓があり、父方には、祖母が観音信仰に熱心な方だったので、わたしが4歳のときに他界しましたが、その「残り香」とでも申しましょうか…観音信仰の「根本」たる「抜苦与楽」の「ありがたさ」を子供ながらに感じながら育ちました。

2003年に、総本山長谷寺において「結縁灌頂」を受けて、檀信徒として、仏教徒として、いよいよ信心を固めようという最中に大病をしまして、そのときに、若かりし頃に接したキリスト教は無教会の人々から受けた薫陶からか、キリスト者になる決意を、入院中に固めました。2012年4月8日、復活の主日に、カトリックにて受洗しております。

一度、仏教徒としての覚悟を決めて「結縁灌頂」まで受けた者が、それを数年で棄教し、キリスト教へ改宗した結果、わたしの信心は大混乱となりました。そんな中、わたしにとって「助け」となったのは『イエスと空海』という1冊でした。

この1冊を通じて、真言密教とキリスト教は、表面的には差異が多いけれども、その「教え」の深いところでは「つながって」いるのではないか?という、一読者のわたしにとっても「希望」のようなものが持てました。

それから「キリスト教」と「禅」の接点を模索する書かれたものを読んだり...

やがて私は、マイスター・エックハルトから始まるキリスト教神秘主義という思想潮流も、この「禅」と「キリスト教」という、ふたつの「営み」の「混合」するなかに、こぼれ落ちたものから拾い集めて知ってゆくことになるのですが、「禅」と「キリスト教」は、肝心要なところで接点が持てないと、わたしは結論付けております。その多くは、佐藤研氏の『禅キリスト教の誕生』から多くを得ました。

キリスト教は「救済」という観点から、親鸞の唱えた「教え」に、自分たちに近いものを見出して、一方的に親近感を描いて今日を迎えておりますが、やはり、もう少し学究的に、本当に、親鸞の説く「極楽浄土」と、キリスト教の「教え」、その関係性は、いわゆる同じ日本人としてシンパシー(共感)を抱くといった次元ではなく、そこに「教義」に適う、理由あっての説得力がないと、本当はダメだと思うのですが、そこまでやった人物を、わたしは知りません。

これから『仏教とキリスト教の接点』という、八木誠一氏、新約学にも精通した人物が、仏教に首を突っ込んで、さて、どのような「接点」なるものを見出してきたのか?を、読書によって、確かめてみたく思っています。

1人の「キリスト者」として、わたしは、この本を読みます。

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くり坊
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