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『告白録』解説

突然ですが、これは個人的な願望なのですが…この場を借りて発表します。

オンライン読書会を、アウグスティヌスの『告白』で、来年9月ぐらいから始められたら…と思っており、簡単な配布資料を、つい先日作成しました。

まずは「アウグスティヌス」という人物を知ってもらうこと、続いて『告白』という、彼が執筆した書物があることを知ってもらうこと、この2点に、要点を絞って、資料を作りました。

以下、PDFファイルでダウンロードできますので、参照してみて下さいませ…宜しくお願い致します。

こちらの来年9月スタートを予定している「オンライン読書会」は、中公文庫の『告白』を用います。

※上記は第1巻で、全3冊になります

本日、皆さまに紹介したいのは、教文館から出ているハードカバーの1冊です。こちらは、先に『アウグスティヌス著作集』第5巻Ⅰ・Ⅱで出版されたものの、新しいかたちでの再販になります。

ここで、本書の本編に入る前に、巻末にある訳者による「解説」を一部紹介しながら、少し長文となりますが、お時間を頂戴しまして恐縮なのですが、お付き合い頂きまして、次回以降、本編をご案内させて頂くためのオリエンテーションとしたく存じます。

では、さっそく引用させて頂きます。

 ところで、この『告白録』の我が国における最初の翻訳は1907年で(宮崎八百吉訳、『懺悔録』、明治40年)、それ以後現在に至るまで全部で12種類(改訂版も含む)あり、本訳は13番目に当たる。この前のは1968年(山田晶による名訳)なので、本書は40年ぶりに出た新訳になる。
 長い年月にわたり世界で、また我が国でも愛読されている本書は、どのような作品なのだろうか。以下、本書を読み理解する上で助けとなる基本的なことを幾つか取り上げ、記しておきたい。

『告白録』解説 より引用

そして訳者は、次の点を「解説」に記しています

  1. 著者について

  2. タイトルとその意味

  3. 執筆の事情

  4. 主題と叙述の方法

  5. 本書と聖書

  6. 文体の特徴と内容

  7. 全体の構成

  8. 本訳書の底本

  9. 巻、章、節、小見出し

  10. 本書の意義と評価

  11. 参考文献

上記から、必要と思われる箇所を引用し、以下、ご案内したいと思いますが、あまりに長文の引用は避けたいので、本書の訳者である宮谷宣史氏による、アウグスティヌスに関する概説書、その書かれたものを、以下にご案内させて頂きますので、詳細を知りたい方は、そちらをご確認頂ければ幸いに存じます。

以下、この「note」にて『告白録』から文章を紹介させて頂くに際しての、これだけは事前に、ご留意頂きたい…という箇所だけを、訳者の解説文から、以下、引用させて頂きます。

まず「はじめに」の部分が名分なので、これは、そのまま引用しておきたいと思います。

本書は、アウグスティヌスが自らの前半生を外的にも内的にも克明に綴った告白体の自伝であり、その文章と内容の素晴らしさ故に、優れた自伝文学として高く評価されている作品である。これを読めば、その豊かな文学性を楽しめると同時に、彼がどんな経歴を持つ人物で、どのような生き方をしたのか、またどのような考え方の人であるのかが分かる。しかも彼は「自分の生涯をこのうえなく誠実に物語ることによって、人間の生涯というものを、人間存在というもの一般の正確な姿を与えている」(P・L・ランツベルク)のできわめて興味深い。

『告白録』解説より引用

本書の「1.著者について」は、同一の筆者による、異なる出版社からの解説書でも十分に参照できるので、ここでは割愛したく存じます。
続いて「2.タイトルとその意味」から、2‐3.アウグスティヌスにおける意味を、以下、引用しておきます。これは『告白録」という書物を理解する上での大切な部分にもなって参りますので…。

 上述した「罪の告白」という意味での使用(『詩編注解』7)において、アウグスティヌスは聖書の詩編の用法に従い、それと同時に「賛美の告白」という意味があることを強調している。たとえば、詩編に「罪の告白と賛美の告白」(『詩編注解』29.19)と「賛美する人間の告白と嘆く人間の告白」(『詩編注解94.4)があると指摘している。
 一般には、罪のなかにある人間は自己の罪も神の素晴らしさも認識していないが故に、罪の告白も神賛美もできない状態にある。しかし、神によって罪を許され、救われた者は、自分の罪を認め、それを告白し、同時に、罪を許したもう憐み深い神の素晴らしさを讃えることができるようになる。この意味でアウグスティヌスにおいては「罪の告白」と「賛美の告白」は関連し合っている。
 ここでさらに注意すべきは、罪であれ、賛美であれ、告白するのは、神に対してなされる点である。・・・中略・・・そうすると、アウグスティヌスにおいては、「コンフェッシオ」が「罪の告白」、「賛美の告白」だけでなくて、「信仰の告白」としての意味も含んでいることになる。

『告白録』解説文より引用

ちょうど、2,000文字を超えました。本書の訳者である宮谷宣史氏は本格的な学者肌の方で、解説文も微に入り細に入り余念のない仕上がりになっておりますが、これを仔細にわたって引用しますと、とても長文になってしまうので、おそらく読者の方々は、その集中力が保てないであろうと案じられますので、告白には、神を賛美する意味も含まれることを、ご留意頂ければ、当方としては満足です。

次回からは『告白録』の本文に入ります。

1節づつ、読み進めて参ります。

では、またの機会に、ごきげんよう。

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