ささやかだけれど、役に立つこと▶︎チャーリー
横浜読書会KURIBOOKSの映画祭の司会を担当しています チャーリー です。
ゆるく、長く、続けることが目標です。
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自分が成人してから、大きな地震は何度かあったが、その中で印象に残っているものと、その時に自分がSNSなどに残した記録を紹介してみたい。
平成30年9月6日未明の北海道胆振東部地震。最大震度は7とされている。
前日の夜、僕は十何年ぶりかで北海道大学時代の友人と東京で会っていた。彼の勤め先は函館の博物館。東京出張という事で会う事になったのだ。
昔話に花が咲き、翌日も会う約束をしたが、明け方に地震が起き、地震の影響を確認するために彼は翌朝函館に戻った。
その日、僕はSNSでこんな投稿をした。
この地震直後に北海道の多くの発電所が停止し、あの広い北海道ほぼ全域が停電したという。
そしてそれが少しずつ復旧し始めたと聞いた時、冬を前にして長引かなくてよかったとホッとした。
そして、13年前の今日、平成23年の東日本大震災(3.11)。
金曜日の午後だった。会社の研修に参加していた僕は帰宅困難者になり、会社に宿泊した。
家に戻ったのは土曜日の早朝。そこからテレビを見始めて、被害の大きさと深刻さを知り、言葉も出なかった。
僕は圧倒されて、被害を伝える映像ばかり追いかけてニュースからニュースへとチャンネルを変えていたが、ある時点でふと思った。
そんな訳で僕には何ができるだろうかと考えていた。
僕が思い出したのはレイモンド・カーヴァーの短編だった。
「ささやかだけれど役に立つこと」(“A Small, Good Thing” by Raymond Carver)
ある夫婦が息子の誕生日を祝うケーキをパン屋に注文するが、誕生日当日に思いもかけない不幸が夫婦を襲う。悲しみに打ちひしがれて我を失う夫婦。ただ、パン屋の方はそんな状況を知らないので、ケーキを取りに来るように夫婦に何度も電話をかけてくる。
夫婦とパン屋が再会し、そこでパン屋は夫婦の悲しみの理由を知り、大きな心痛を癒す方法、「ささやかだけれど、役に立つこと」について語る。
それは、何か口に入れて、食べることだとパン屋は語る。単純だが、頑張って生きていくためには大切なことなんだと。
この考え方は今も変わらない。
失った人や物、命を探して彷徨う人、ボランティアとして現地に支援に赴こうとする人、わずかばかりでもと募金をする人、そして何をしてよいのか迷う人たち、その当事者も周辺の人に対しても同じように伝えたい。
頑張りも良いけれど、何か少しでもいいから、甘いものや、温かいものを口にして、身体と心を温めてほしい。
あなた達の目の前にあるのは、とても重くて大きいものだから。
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チャーリー
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