近代文学を理解したい!(夏目漱石編)▶youco
最初にお断りしておきます。今回は、夏目漱石編と題しましたが、「夏目漱石解体全書・春日ゆら著」のご紹介です。
人のふんどしで…というやつです、すみません。
この本に出会ったのは、日本近代文学館を訪れた日です。BONUS TRACK(2020年に誕生した下北線路街の一エリア。下北沢駅と世田谷代田駅のちょうど中間にあります)の中にある【本屋B&B】が面白いよ、と教えてくれた人がいて、それならば行ってみよう、と立ち寄りました。
頭の中が近代文学に染まっていた私は、近代文学の中でも最もわからない(個人の感想です)夏目漱石を解体してくれる本著に出会い、これだ!ありがとう!という気持ちで購入したのでした。
こちらの本は、著者・春日ゆらさんの”漱石愛”が存分に詰まっていて、「推し」とか「推し活」という言葉を頭に浮かべずにはいられません。
Ⅰ 夏目漱石を知る
Ⅱ 漱石ゆかりの地へ
Ⅲ 漱石をめぐる人々
Ⅳ 作品・文献ガイド
の4つのテーマで漱石を深掘りしています。
まず「漱石人生双六」という、漱石の人生をすごろくでたどるページから始まります。私は、このページを見て購入を決めました。
夏目漱石って、病気ばっかりの人生だったんだなぁということと、そのわりに子供は多いなぁという印象が強く残りました。
最も興味を惹かれたのは【Ⅱ 漱石ゆかりの地へ】です。著者が漱石にゆかりのある地をまわる東京漱石一日ツアー。記念館へ行こう!のコーナーでは、日本全国の記念館が紹介されています…もちろん漱石縛りで。
夏目漱石の名を冠した記念館や漱石の文献・資料を有した文学館など、夏目漱石が関わったモノたちが、こんなに日本中にあふれているとは。文学碑・記念碑の数も大量です。また、住んだ家・逗留した旅館などが大切に保管され、移築されているのを知り、漱石の偉大さに改めて感じ入りました。
これは、次の【Ⅲ 漱石をめぐる人々】にも繋がってくるのですが、漱石ゆかりの品々が大切にされる理由の一つが、生前の漱石の人徳なのでしょうね。
講師・教諭として複数の(しかも東京にとどまらず松山・熊本などの)学校で教鞭をとっていた漱石を慕い、師事していた人物の多いこと!また、そういった方々がそれぞれ、漱石先生との思い出や書簡などを書き残しているのですから、漱石の慕われ具合が想像できるというものです。
そんなわけで、夏目漱石関連の書籍は膨大な量になってしまっているのです。何から読めばいいかわからない!そんな私に(あなたに)【Ⅳ 作品・文献ガイド】が非常に頼りになります。漱石の書いた小説をはじめ、エッセイ・書簡・評論・談話…多岐にわたって紹介されています。
初版本の装幀の紹介もきれいなイラストで掲載されており、著者・春日さんの愛が爆発しています。だって、初版本を描き写しているんですよ。普通は画像を転載しませんか?春日さんは違います。スクリーントーンを使って表現、箱から出した構図・ページを開いた構図など、さすが漫画家さん!なイラストの数々。愛です。愛にあふれています。ぜひお手にとってご覧ください。
…結局、近代文学を理解したい気持ちはあるものの、アプローチの方法があまりにも遠回しで、ちっとも本命に近づけていない気がしています。
とりあえず作品読みなよ…と自分自身に言い聞かせ、このシリーズ投稿はおしまいにします。
皆さまの参加を心よりお待ちしております。
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【投稿者】youco
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