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『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』の面白さがジョジョの世界観と重なる
香港のカオス「九龍城砦」
この映画の舞台となる九龍城砦を知っているだろうか?イギリス統治下にありながらもキツく縛られず、名ばかりの「自由」が生み出したカオスな無法地帯が「九龍城砦」である。そこに集まる行き場の無い不法移民達は、黒社会のヤクザ達を中心にして、複雑に入り組んだ街を形成している。
このカオスで中で香港アクション、漢同士の人情が繰り広げられるのが、トワイライトウォリアーズである。
登場人物の名前を覚えていない
アクションが早い早い!手の動きやカメラワークがシュパシュパ切り替わって、気持ちのいいスピードに乗っかれる。
格ゲーのコンボ技とか、当たるとオートで進行する必殺技を決めてるような爽快感!
そして皆がアクション出来る。どこでも誰とでもしっかりアクション!ハチャメチャに面白い。
ただ見ている時も見終わった時も、登場人物の名前を全く覚えていない事に気がついた。
慣れない広東語ということもありますが、それでもストーリに悩むことは無く、上手く処理できていたと思う。
これこそがトワイライト・ウォリアーズの面白さでは無いのか?と考えていた所、『ジョジョの奇妙な冒険 第3部』との共通点を見つけました。
キャラクターが立っている
まずは登場人物達のキャラクターが異常なほど分かりやすい。見た目、立ち位置(所属してる組)、戦闘スタイルなどで、勝手にそのキャラを認識できる。特にシルエットで認識出来る所も脳みそを使わなくて済むので良い。
これは荒木飛呂彦先生の著作で語られています。
外見、髪型、ファッションなどをそのキャラクターの性格と一体化させて作り込み、最終的にはシルエットだけ見れば誰だかわかるように描いていきます。
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もちろん調べれば名前は分かります。(写真は公式Xより)
強さの理由を語らない
登場している人物は、抜かりなく既に最強である。
ヤクザだから喧嘩っぷしがあるは分かるが、主人公に関しては、ただの不法移民である。
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(写真は公式Xより)
これもジョジョに通じていますね。
次々と現れてくるスタンド使い達は、既にスタンドを使いこなして最強な状態でやって来る。
もちろん立ち向かう承太郎一行も最強なので、プロフェッショナルvsプロフェッショナルの構図が面白い。常にオリンピック決勝戦である。
トワイライト・ウォリアーズも同じように、強いやつ同士の決勝戦が、九龍城砦のそこら中で発生する。
修行シーンなんてこれっぽっちも無い、最高すぎる。
悩ませないのが面白さのポイント
あれ…これ誰だっけ?と悩まない。
主人公側に対して、しっかりしろよ!修行サボるな!のような鬱憤が出ない。反対に敵キャラは強いけど、ちゃんと嫌なところがある。
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(写真は公式Xより)
初っ端から九龍城砦という、すごく劣悪でカオスな何でもありの世界に引き込まれているので、ちょっとした事では違和感を感じない。
判断となる基準のハードルを下げられているので、おかしくないか?みたいなノイズが入りづらい。
冷静になるとおかしい所はあります。
ジョジョの世界観に入ると良くある感覚ですよね?
まだまだ語り尽くせませんが、総じて見た後にスッキリします!名前を覚えなくても楽しいなんて素晴らしい映画だ!RRR、マッドマックス、ベビわるのような盛り上がりを期待しています。