納豆おろしそば考
お。
1時間空いた。
料理の稿です。
冷やしの、納豆おろしそばが好きだ。
なぜなら、大根と納豆と、そばとつゆと、わさびとねぎが好きだからだ。
好きなものを混ぜて、まずくなるわけがないのだ。
…けれども。
じつは、ひっぱりうどん(山形の郷土料理。鯖缶と納豆を合わせたつゆでうどんを食べる)の、納豆のジャストフィット感、うまさの相乗効果と比べると、納豆そばは、納豆の豆の味が妙に強調され、納豆が好きで好きでたまらない人はともかく、じつはやや食べるのがきつい味となる。
この、納豆の味の強さをやわらげ、さわやかに食べさせてくれるのが、大根おろしの力だ。
では作り方。
めんつゆは、やや濃い目のものを用意する。
ここへ、大根おろしを汁ごとすり下ろす。
この大根のおろし汁でつゆが薄まるのを計算に入れるのだ。
なに。薄まり過ぎたら濃縮めんつゆを少し足せばよろしい。
……今気づいたが、濃縮めんつゆに大根をすり下ろし、好みの濃さまで水で薄めればよいだけだった。
これにひき割り納豆(タレ、からしは納豆に混ぜておく)とねぎを入れ、よく混ぜる。
もちろん美的感覚を気にする方は、全て混ぜずに最後そばの上に盛り付ければいいのだが、このそば。
混ぜて食べないと納豆が絡まずいっこううまくないので、どうせ自分で食べるなら最初から混ぜておけばいい、と、自分は割り切っている。
あとはそばを茹で、冷水でよく締め、器に盛ってさきほどの納豆おろしつゆをぶっかけ、わさびを添えれば出来上がり。
食べていただけるとわかるが、これが
納豆そば
ではなく、
納豆おろしそば
でないといけない理由が分かっていただけると思う。
大根おろしのさわやかな香りが、納豆の豆の臭みを切り、旨味だけを残してくれている。
じつは最初のころは、大根おろしの汁は飲んでいた(つまり、捨てていたということ。喉の奥に捨ててたわけです)のだが、これだとまだ納豆の「ぼく、腐った豆なんですよじつは。分かりました? あはっ」な香りがそばの食味に非常に邪魔で、あまりうまいとは思わなかったのだ。
今日、ふと思いついておろしの汁も入れたら大成功だった、と、こういうわけです。
そばがあっというまに喉を通っていく。
最高だ。
ちなみに気づいたら食べ終わっていたので、写真はありません。