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暮らすroom‘sミーティング&有機給食お話会@千曲

 こんにちは!暮らすroom'sです。

 長野県内の各地で、みんなで一緒に暮らしを考えるきっかけの場を「キックオフイベント」や「お話会」という形で作っています。
 
 今回の記事では、千曲市で初の暮らすroom'sプロジェクトイベント『暮らすroom‘sミーティング千曲&有機給食お話会』を開催しましたのでレポートします♪

 今回のイベントはコラボイベントとして、千曲市を拠点に活動している「主張する女性の会」のみなさんに会場や参加者へのご案内など、千曲市での繋がりを元に、多大なご尽力をいただきました。「主張する女性の会」のみなさん、ありがとうございました。

 当日は、男女問わず多世代にわたって20名以上の方にご参加いただき、新たな繋がりが生まれる場所となりました。

Ⅰ部 暮らすroom'sミーティング&交流会

 まずは、暮らすroom`sプロジェクト構成団体の成澤由美子より、暮らすroom‘sについて紹介をしました。
 ありがたいことに、すでに千曲市では昨年11月30日に千曲市人権・男女協働参画課が主催した男女参画セミナーにて、講師の中島恵里*さんより「暮らすroom`sの活動」を紹介してくださっていたため、そこから興味を持ってくださった方が多かったようでした。

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成澤由美子(暮らすroom’s)
関友里華(暮らすroom’sパートナー)
大日方絵里(暮らすroom’sパートナー)
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 その後は、集まってくださった参加者のみなさんに、一言ずつ自己紹介をいただきました。

 ご参加いただいた方からは、
・子どもの出産と共にキャリアを諦めたと当然に扱われてしまう環境にモヤモヤした経験
・若い人がもっと育ってくれると良いと思う
・耕作放棄地が増えていることが気になっている
・千曲市に自然農法を広げる活動をしていて、4月に子ども食堂をスタートさせる
・都会に出ていく女性の割合が長野県は高いことが気になっていて、対策を考えている
・東京での子育てと今の子育てを経験しているが、こちらでは多世代で暮らしていることを前提の制度になっていることが気になっている。一時保育が都会では3ヶ月から利用できるのが千曲市では1歳からとなっており、女性の孤立が問題の中できれば改善してほしい
・有機JAS認証をとって農園を行っていて、学校給食を有機化したいと考えているので協力したい
・高齢化社会を迎える中で、若い人たちの社会課題を掴み切れていない為、交流させてもらいたいと思った
・こぶしを上げて訴えるのではなく、行政と一緒になって提案していく施策をしていきたい
・ウェルビーイングに繋がる、誰もが自分の望む人生を生きれるよう活動していきたい
・子どもと一緒に参加できる場所が増え、子どもたちを町全体で子育てできるようになってほしいと思っている

など様々なお話をいただき、自己紹介という時間の中でみなさんの考えを知る機会となり、貴重な気付きを得られる時間となりました。
 その後の休憩の間には、自己紹介で話したことをきっかけに参加者同士で話しかけ交流する姿も見られました。

 


Ⅱ部 有機給食お話し会「有機給食実現のために必要なこと」

 
 第Ⅱ部では、「有機給食お話会」として中川村からゲストをお迎えし、実際の有機給食実現への取り組みをお聞きしました。

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富永由三子(中川村地産地消コーディネーター)
大島歩(中川村村会議員、大島農園)
ファシリテータ:平賀裕子(暮らすroom’s)
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 はじめに、中川村地産地消コーディネーターの富永さんより、給食の現場から見た有機給食実現に向けた課題などをお話しいただきました。

富永由三子さん(中川村地産地消コーディネーター 以下敬称略):
有機給食を導入するには、仕組みがあることが大事になってきます。各自治体ごとに状況が様々なので、まずは繋がることです。

 課題の一つとして、農家さんからどんな規格・価格で納めてもらうかという問題があります。学校給食では、時間内に給食を作る必要があり、厳しい衛生管理やマニュアルがある為、「どんな形でも良いよ。虫がついていても良いよ。」というわけには行かない現実もあります。
生産者と学校との中間で、細かい調整を行うのがコーディネーターの仕事です。給食作りの現場の声を農家に届け、農家の声を現場に届けています

子どもたちに何を食べさせたい?未来に残したい給食はどんな給食?ー

富永さん:
中川村では19%の野菜が、科学農薬を使わない、環境にやさしい作り方で作った農作物が学校給食で上がっています。

 私の取り組みは、「子どもたちにどんなものを食べさせたいか?」というところからスタートしました。環境にやさしくて体に優しいことが大事だと思っています。そうなると選ぶものの方向性は決まってきます。
「安全・安心・おいしい給食」とは何かと考えた時に、何を使ったかがわかること、どうやって作ったかが分かること、誰が作ったかがわかることが安心に繋がると思います。「おいしい」は人の価値観で、ひとそれぞれの基準があるので、本当の味で子どもたちを育てたいという信念をブラさずに取り組んでいます。
 私たちが出来る事は、次の子どもたちをどう育てて、その子たちが親になった時に食材をどう選択して、どう調理して食べていくかを自分たちで決めていけることが大切です。若い人たちに繋げることが私たち世代の出来る事でもあります。

 行政が動かないと出来ないところももちろんありますが、教育委員会、学校、給食、保護者みんなで取り組み、人任せにしないで自分の出来る事からやる、そこからトントンと動くこともあります。

平賀裕子(暮らすroom’s 以下敬称略):
有機給食では、生産者・流通・栄養士・行政それぞれの理解と、教育委員会・農政・保護者・学校の先生たち、みんなで理解し合わないと実現が難しいところがありますね。

 続いて、会場からの質問を受けながら、実際の取り組みをお話しいただきました。

地産地消で子どもたちに味を伝える、独自の仕組み作りー

会場から質問:
有機JAS認証を受けないとダメというのはとてもハードルが高いです。安全性の問題は、有機JASの認定を受けていれば補償されるのでしょうか?

富永さん:
有機JAS認証=有機給食ではありません。国で決められた定義に沿っているものが有機給食です。一番は地産地消で子どもたちに味を伝えるのが大事だと思います。有機JASでは無くても、独自の認証の仕組みを作っている飯田市の仕組みもあります。

大島歩さん(中川村村会議員、大島農園 以下敬称略):
中川村では、様々な勉強会を立ち上げ、長野県の「有機農業プラットフォーム」での取り組みに対しての補助金を利用しながら活動しています。私たちが当事者意識を持ってできるので、とても楽しく取り組んでいます。

平賀:
食の安全の意味でも、顔の見える関係の方が大事ですよね。自治体独自の認証制度の取り組みは広がっていくと思います。

会場から質問:
千曲市では小学校が5000食以上必要なので、取り入れるのは難解です。まず保育園から取り組むのはどうでしょうか?

富永さん:
大規模センターでどう有機給食に取り組むかでは、農家さんが増えて行かないと導入が難しい現状です。有機農業に転換しているJAさんもあります。地元から声を出して、農協を変えていくのも大事です。

平賀:
松川村が有機給食を始めたのは、エコビレッジ宣言をしたところからです。町長さんからのトップダウンで始まりましたが、有機生産者を増やす取り組みとして、売り先として有機給食を作った形です。

富永さん:
農業体験と食が結びつくと良いと思います。保育園の規模であれば、取り入れやすいと思います。そこから、小学校でも取り入れてほしいとお話しできると道順が見えてくると思います。

有機農家さんと、お母さん世代とが繋がっていくことー

会場から質問:
真剣に有機JASに取り組んでいる千曲市の農家さんもいらっしゃいます。そこをどう若いお母さんたちと繋がっていくか、今日はその一歩だと思います。安心安全の見える化はどんなふうに見える化なのでしょうかか?

富永さん:
認証の問題があります。公の場所で認証されたものが一番良いと思います。あとは、地元のもの。食育に繋げる意味でも、地産地消は大事になると思います。

会場から質問:
地域の認証について、もう少し具体的に教えてください。

富永さん:
参加型認証という言葉もあります。みんなが納得できる作り方、そこの基準に当てはまっているかを自分たちで認証するやり方があります。
大分県の臼杵では、「ほんまもん認定」というのを行っています。3段階でシールが貼られていて、JAS認証は「金」、生産者の皆さんと有機JASに準じたものは「銀」、少し慣行が入っているものは「赤」としています。


千曲市でやっていることと、これからの取り組みー

会場から質問:
私の所では、普段みなさんが使っている野菜を有機に変えていけるよう有機農法で作っています。面積としましては、4反程の面積です。有機JASの給食に向けて、これから生産者を増やしていかなくてはいけないと思うのですが、どのくらい必要でしょうか?

富永さん:
中川村では、有機農法の農家は6名です。主要5品目など作りやすいものを出していただいています。それぞれの農家さんが販路を持っている中で、給食に出していただくのが使いやすいです。どのくらい取れるかによって、保存の選択肢もあります。

大島さん:
私は、自分の所だけでなく、みんなで参加してみんなで学び合えることが有機に繋がるんじゃないかと思います。

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 会場からは次から次へと質問をいただき、たいへん熱い意見交換の場となりました。ゲストの富永さん、大島さんを始め、ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。
 イベント終了後も話はやまず、つながりが広がっていくことを感じて、感激しました。

 今回のような熱い意見交換の時間を一緒に過ごすことができて、人同志がつながっていくことをサポートをしたり、そこから最終的には行政につなげることも目標に、継続的にみなさんと繋がって活動していきたいと思いました

 男女問わず、多世代が集いお話が出来た今回の繋がりから、千曲市の更なる取り組みが楽しみです!

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*中島恵里
・1972年生まれ 長野県副知事を務めた後、環境省大臣官房環境計画課計画官に
・長野県富士見町で有機農業を志す男性と結婚し、平日は東京・土日は長野県富士見町での2拠点生活で子育てを行う
・休眠預金のイノベーション事業 誰もが活躍できる信州「働き」「学び」「暮らし」づくり事業『暮らすroom`s』のチーフプログラムオフィサー
・現在は同志社大学政策学部政策学部・総合政策科学研究科ソーシャルイノベーションコース教授
・千曲市まちづくりアドバイザー
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