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オンラインでも伝えたい美味しさ、コーヒーの味を可視化するフレーバーチャート

Kurasu Coffee Knowledge
Kurasu編集部が、コーヒーをより深く楽しむためのナレッジをお届けするシリーズ。意外と知らない産地の話、焙煎士やバリスタだけが知っている現場の知恵、あまり知られていないコーヒー器具の話まで、一杯のカップの背景にある広い世界をご紹介します。

みなさん、オンラインでコーヒー豆を購入するとき、どんな理由で選んでいますか?

たとえば、季節限定のシーズナルブレンドに惹かれたり、いつものお気に入りや産地の銘柄をストックしたり……。

KurasuのECサイトでは、そんな一杯に出会うワクワク感をお届けしたいと考えています。だからこそ、商品ページのデザインや説明には、「このコーヒー美味しそう!」と思っていただける魅力を詰め込んでいます。

他にも国内外の厳選された商品やオリジナルプロダクトなど、多彩なラインナップをより魅力的に伝えるため、Kurasuでは現場とオフィスが一丸となって試行錯誤を続けています。

コーヒーショップの主役ともいえる「コーヒー豆」。店舗で直接購入される方も多いですが、ECサイトのみで購入される方も少なくありません。こうした方々に、コーヒーの味わいをどのようにイメージし、楽しんでいただけるか——その工夫の一例が「フレーバーチャート」です。

味覚を「視覚」で伝えるフレーバーチャート

ECサイトでは、焙煎チームと連携してフレーバーチャートを作成し、コーヒーの味わいを視覚的・直感的に伝える工夫をしています。このチャートを使うと、味覚や香りの特徴が立体的にイメージできるようになります。

例えば、パッケージのフレーバーカラーはコーヒー全体のイメージカラーです。淡いピンク色なら、直感的に「優しいフルーティーな味わいかな?」と連想できます。

その直感的な印象の上で、フレーバーチャートは、色と味を結びつけ、味覚の変化を分かりやすく示しています。以下のフレーバーチャートをご覧ください。

「エチオピア チョルソ」のフレーバーチャート

この視覚的なフレーバーチャートを、左から右の順へと言葉に置き換えると次のように解釈することもできるでしょう。

全体的な印象としては、レモンケーキのような爽やかさと甘さが感じられる。その中に、桃のような優しい酸味の印象もあり、飲み進めるうちにブラックティーのような上品さも徐々に現れてくる。

こうして具体的な味わいを想像することで、飲む前から楽しさが広がります。なんとなくですが、コーヒー全体のイメージが少し立体的に掴めたような気がしませんか?

ここまでの内容をまとめると、次のような順番を踏んできたと言えるでしょう。

➀直感で感じる味を選ぶ
まずは気になる色合いを選んでみましょう。例えば「フルーティなコーヒーが飲みたい」と思ったら、赤、ピンク、黄色など鮮やかな色味に注目してみてください。

②具体的なフレーバーを見つける
「フルーティ」といっても、その強さや質感には違いがあるはずです。選んだカラーがどんなフルーツに似た色なのかを連想してみましょう。果実感たっぷりのコーヒーが好みなら、ベリーやブドウをイメージさせる赤や紫。優しい風味が良いなら、ライチやマスカットを思わせる白や淡い緑を選んでみるのはいかがでしょうか。

③色と味の関連性を探る
実際にコーヒーを飲んでみて、色と味の関係性を体感してみましょう。イメージに限らず、リアルなコーヒー体験は五感を使うことで、より多感覚的なものとなるはずです。

今回は、色のイメージを言葉に落とし込む方法について解説しましたが、実は言葉からイメージを連想するプロセスについてもご紹介しています。ぜひ関連記事も併せてご覧ください!

「日本語の表現から受け取った身体感覚に相当する英語は何なのか」と考えてアプローチをしています。

日本語はオノマトペ(擬音語と擬態語の総称)が多く存在する言語です。「じわじわ」と「じゅわじゅわ」という言葉のニュアンスは、すこし違いませんか? 「じわじわ」からは冷たい不快感を連想することもあれば、遠赤外線的な温かさを連想することもあります。「じゅわじゅわ」は、私の感覚では、熱い肉汁のイメージです。

そこから、「英語で同じような感覚を想起させる言葉って何だろう?」と探していきます。最初に思いつく単語は「juicy」かもしれません。でも同じjuicyでも、レモンのjuicyと桃のjuicyでは印象が違いますよね。

ブランド体験を翻訳する——「感覚」をグローバルに分かち合うために、言葉のプロが考えていること」より

オンラインでも生み出したい、期待を超える美味しいコーヒー体験

余談ですが、科学的には、味覚を感じるプロセスには「ボトムアップ処理」と「トップダウン処理」という2つの側面があると言われています。ボトムアップ処理とは、舌や鼻から得た情報を脳が解釈するプロセス。一方、トップダウン処理は、脳が記憶やイメージを使って味覚を補完するプロセスを指します。

感覚が先にあるのか、それともイメージが先にあるのかという違いです。

ECサイトでコーヒー豆を購入されるお客様の多くは、商品ページに掲載された「言葉」や「写真」を通じて味わいを想像しながら選ぶ、トップダウン的な楽しみ方をしていると思います。その上で、実際に口にするボトムアップ的な体験をしたとき、その想像通り、もしくはそれ以上の美味しさを感じることができれば、とても嬉しいですよね。

簡単に言えば、購入時に「美味しそう!」と思って選んだコーヒーが、実際に飲んでみるとその想像をさらに超えて美味しかった!——そんな感動を味わっていただきたいのです。みなさんのコーヒー体験について、ぜひリアルな声を聞かせていただけると嬉しいです!コメント欄でお気軽に教えてくださいね!