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Kurasuの海外店舗では何が起きている?コーヒー越しにのぞく暮らし

一杯のコーヒー。その中には、土地の空気、人々の暮らし、そしてそこに息づく文化が溶け込んでいます。

コーヒーショップの海外進出は、とてもチャレンジングで楽しみなことです。お店は、土地に合わせた形で解釈・翻訳され、コーヒーを媒介して新しい物語を生み出します。

特にKurasuが進出している東南アジアの地域では、急速な経済発展が進む中で、人々の生活スタイルも多様化しています。それでもなお、伝統と革新が共存し、多種多様なエスニシティが織り成す独特な時間が流れています。その様子を垣間見るだけでも興味をそそられます。

今回は、Kurasuが展開する海外店舗での取り組みを通して、それぞれの地域が持つ魅力と、そこに広がる人々のストーリーをご紹介します。


メトロポリタンの隠れ家 - Kurasu Singapore

シンガポールの中心地に位置するKurasu Singaporeは、「Waterloo」と「The Stand」という2つの店舗で展開されています。中でも、「The Stand」は京都の「Kurasu Kyoto Stand」へのオマージュとして設計され、テイクアウト専門のシンプルで洗練されたスタイルが特徴です。

そんなKurasu Singaporeの魅力は、淹れる「人」にもあります。公式Instagramに投稿されたチームメンバーの紹介ポストを見れば、その雰囲気が伝わってくるでしょう。

コーヒーショップのチームメンバーは、時には家族よりも長い時間を共に過ごし、日々様々な話を交わしています。だからこそ、彼らがチームとして生み出す空気感やバイブスは、お店全体の雰囲気をつくり上げ、訪れる人々の記憶に残ります。その空気感に溶け込んで飲む一杯は、美味しいに違いありません。

地元の人々が気軽に訪れることで、自然と口コミが広がり、Kurasuというブランドの成熟度や完成度も高まっていきます。そして、何より素敵なのは、「どんな人がこのコーヒーを淹れているのか」が見えるお店であるということ。Kurasu Singaporeの魅力は、マネージャーのAngeloを中心に、チーム全体の一体感がしっかりと伝わってくるところです。

また、最近はイベントも増えている模様。直近では、Kurasu Singaporeの「The Stand」では、アウトドアライフスタイルブランド「CHUMS」とのコラボレーションイベントが開催されました。3ヶ月間にわたり、キャンプ用の椅子とテーブルを設置し、訪れる人々にアウトドア気分を楽しみながらコーヒーを味わえる場をつくりました。週末には「自分で淹れるコーヒー」のサービスも提供され、都会の中でアウトドア気分を味わえるユニークな体験が楽しめたようです。

ちょっとしたアイデアが生み出す面白い体験は、Kurasuのクリエイティブな取り組みを象徴するものになるかもしれませんね。都市の中で自然を感じながら過ごす。Kyoto Standの前にもアウトドア椅子を置けないかな……

現地焙煎とタイの豆 - Kurasu BKK

Kurasuが展開するBangkok(BKK)の店舗は、現地で焙煎を行い、タイならではの特色を活かしたコーヒー体験を提供しています。生豆の仕入れ先も一部異なり、ブレンドにはタイ産の豆を使用するなど、地域の味わいを取り入れた工夫が満載。

日本の焙煎チームと意見交換をしながら焙煎を進めていますが、お店から農園が近く、さらにタイ特有のローカルなインポーター事情も日本とは異なるため、この店舗独特のユニークなロットを楽しめるかもしれません。バンコクを訪れる際はぜひ立ち寄って、現地で焙煎されたコーヒーを味わってみてください。そして、マネージャーのAumさんに「日本のnoteを読んできました!」と伝えてみてください(笑)。

また、バンコクではコロナ禍以前からフードデリバリーが盛況で、Kurasu BKKもデリバリー対応を行っています。特にコーヒーデリバリーは、外出が難しい日でも自宅やオフィスでKurasuの味を楽しめる新しい形として注目されています。バンコクのライフスタイルに合わせたサービスには、地域性を感じますね。

バンコクの多様なライフスタイルに寄り添いながら、タイのコーヒー文化を体現するKurasu BKK。旅行や出張の際は、ぜひ足を運んでみてください!実は、新店舗の準備に合わせて、バンコクのコーヒーシーンを紹介する動画も公開しています。ぜひご覧ください!

地域に根差し、広がり続ける - Kurasu Indonesia

インドネシアは現在Kurasuが最も多くの拠点を持つエリアで、「Senopati」「Menteng」「Kissaten」の3店舗があります。今後も店舗の拡大を視野に入れながら、現地の方々に支えられながら、地域のハブスポットとして少しずつ成長してたいと考えています。

こちらは、Kurasu Mentengのオープニングの様子を撮影した動画です。

特筆すべきは、地域コミュニティとのコラボレーション活動。例えば、ローカルのランニングクラブと提携し、事前登録制のイベント「Neighborhood Running」を開催。参加者には景品が用意されることもあるそうです。日本ではあまり馴染みのない形のイベントかもしれませんが、地域とのつながりを深める素敵なアイデアとして、ぜひ日本でも挑戦してみたいですね。

( ↑ 日本のランニングクラブも、ちょっとずつ……)

「Evenings at our Menteng store offer a sense of calm, accompanied by the passing commuter trains. 」ー メンテン店の夕暮れ時には、通り過ぎる通勤列車とともに、静けさが漂います。  

なんてエモーショナルな文章でしょう。「Menteng」では、「Kurasu Nocturne(夜想曲)」をテーマにした夜のピアノ演奏とのコラボイベントも開催されたようです。

公演やコンサートほど堅苦しくなく、気軽に楽しめるイベントは、ローカルな体験を求めつつも、初めての海外体験でも参加しやすいかもしれませんね。静けさの中で味わうピアノの音色やコーヒーの香りが、特別なひとときを演出してくれるでしょう。もしインドネシアを訪れる際にKurasuの音楽イベントに参加する機会があれば、ぜひ教えてくださいね。

旅行や出張で訪れる際には、ぜひ一度足を運び、Kurasuの新たな一面を体験してみてください。

パスポート片手にKurasu Worldを旅しよう

京都から世界へ、Kurasuの世界観をさらに深く知りたい方は、グローバルサイトで始まった連載「Kurasu Passport」をぜひチェックしてみてください。連載では、Kurasuが展開する各国の店舗や取り組みを通じて、地域の暮らしや文化に触れることができます。

コーヒーショップの海外進出が目指す先は、コーヒーが単なる飲み物を超え、「文化そのもの」として捉えられる未来。そして、ヒト・モノ・コトのエクスチェンジが生まれることです。Kurasuを通じて世界各国の暮らしを垣間見ると、新たな視点が得られるだけでなく、日本のコーヒーカルチャーにおける革新の可能性も感じられます。