小さな暮らしの、いいこと<7> がんばらなくてもいい
思えば、小さい頃から「がんばること=いいこと」として育てられてきました。私を含め、今いいお年の大人の皆さんは、一生懸命がんばることは素晴らしいこと、そう信じて生きてきた世代ではないでしょうか。
暮らしを小さくする前の私の生活は、まさにそれ。テレビは買い直すごとに大きくしていくべきだし、お部屋も引越すごとにランクアップしていくべき。すべてをどんどん大きくして、モノを増やしていくことが豊かな人生であると信じて疑いませんでした。
けれど、一度そういったレールから降りて、ムダなモノを手放し、暮らしをどんどん小さくしていくと、テレビは小さい方がインテリアの邪魔をしないし、キッチン家電は少ない方がスペースが空いて掃除もしやすい、服も何をもっているかわからないほど持たなくても十分おしゃれは楽しめる。
暮らしを小さくしていくなかで、がんばらなくていいことに気づいてしまったのです。がんばっていた時は、いつも他人の目があった気がします。毎日似たような服は着るなんて、車を持っていないなんて。いつの間にか世間の価値観で自分の暮らしをジャッジして、誰かと比べて、はらなくていい見栄をはり続けていたなと。
そして、それほど好きでもない、必要でもないモノに足の踏み場もなくて、暮らしも人生も右往左往。遠い昔のことのようですが、その頃の自分がどこか滑稽に感じます。
今は、服の流行を追うことも、最新のグッズを揃えることも、たくさんの食器を持つことも、なんにもがんばらない。人はけっして羨まない暮らしでしょうが、自分にとって価値あるモノだけをもち、自分をランクづけしない暮らしは、ただただ心地いいのです。
生まれてきてすいません。ならぬ、がんばらなくてすいません。そんな毎日です。
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