部屋の温度が10度になったら、脳の血流が30%も低下する?低温の恐怖
秋も深まっていき、寒暖差がどんどん大きくなってきている。今日、私の住んでいる大阪では朝6度お昼は21度というすごい寒暖差があった。この時期はまだ暖房をつけないで寝ているのだけど、今朝は朝の4時ぐらいに悪夢でハッっと起きた。
悪夢なんてそうそう見ないし、よく眠れるほうなのになんでこんなことが起きたのかのだろうか思った。でも、それはすごく単純なことだった。
部屋が寒かったからだ。
布団の中で身体が熱を逃がさまいと筋肉が硬直し、それが悪夢の原因になったのだと思う。すぐに暖房をつけたらいつの間にか二度寝して気分爽快に朝を迎えれた。暑さについてはみんな嫌というほど注意されてきたから万全の対策を取っている人も、急に寒くなったからまだ対策出来てない人も多いんじゃないだろうか。
寒さの恐怖、甘く見ると痛い目に
昔、イギリスの国営放送BBCの日本版の記事で10度の寒さ実験という企画を読んだ。2年前の記事だけど、なんとか探し出してきたから本文を読みたい人はこちら。
実験の概要はこうだ。お金がなくて暖房をつけれない部屋はおよそ10度ぐらいになるらしい。そこで、このレポーターと大学教授は協力して10度の室温が人体にどのような影響を与えるのかを調べた。
実験では21度から10度までの風を浴び続けていって、それをずっと色んな形でモニターしていくというものだ。そうすると、11.5度で最初の寒さからの震えがやってきたみたいだ。被験者は男性だから11.5度で震えが始まったけど、女性はもっと早く寒さを感じるらしい。
それは、女性ホルモン(エストロゲン)のせいで手足の血管を収縮しやすく、女性の方が冷えやすい特性があるらしい。よく、夫婦やカップルで部屋の温度が合わないという人がいるけど、実際に身体の冷え自体が男性と女性では違うというのは知らなかった。
10度になると低下する機能
21度から10度までおよそ30分かけて下げていったのだけど、その実験結果が衝撃的だった。
脳の血流が20%低下
平均血圧99から110に上昇
心拍数が55から65に上昇
呼吸の数が1分9回から12回に上昇
末端の表面積が2度低下
つまり、身体は自分の温度を維持するためにすごいパワーを使っているということだ。呼吸を増やして、血圧も上げて一生懸命体温を維持している。さらに衝撃なのが、認知機能も落ちている点だ。
実験では認知パズルという物を形でグループに分けていくパズルを21度の時と10度の時両方でやった。結果は21度では75秒で解けたパズルが10度では95秒もかかった。
脳の血流が20%低下しているせいなのか、気温が低いといつもの78%ほどの力しか出せていないと単純に考えることもできる。実験に参加した大学教授は「脳への血流が減るので、脳に入る酸素や糖の量が減る。その結果、脳の知的活動に悪影響が出る」と説明をしていた。
寒いだけで人間ちょっとバカになるのだ。さらに、寒いところにいると脳梗塞や心臓発作のリスク要因でもあると注意喚起されている。
寒いと感じる前に少し部屋をあったかくしよう
最近は何でも「値上げ、値上げ」止まるところを知らない値上げに家計が悲鳴をあげている。でも、寒さはしっかり対策をした方がいい。
大学教授のおススメする方法はウールなどの保温性のある服を着る、手と足を温める(手袋と厚手の靴下)、炭水化物を多くとる、良く動くだ。
でも、何よりもまずはエアコンの暖房をつけよう。少し緩め18度~22度でもいいから寝るときもつけていた方が健康にもいい。最近はお医者さんも冬も暖房をゆるくつけて寝る事を推薦している。
そして、冷えるこの時期は起きたらまず厚めの靴下を履こう。夜の間に床は冷え切っていて、朝の低体温と合わさって足の裏から貴重な体温がどんどんと奪われている。歯磨きとかしている間に身体は体温を奪われないようにフルパワーになっている。それを少しでも防止したほうがいい。
後、この時期の服装で個人的におススメが一つある。上は薄着で下を暖かく。上着にヒートテックやらモコモコの服を着ると昼間逆に汗をかいてしまう。でも、下に例えばウールタイツとかを履いていても不思議と昼汗をかかない。しかも、下半身があったかければ上が多少薄着でも朝晩耐えれる。
おススメはモンベルのスーパーメリノウールLWタイツかMWタイツだ。ライトタイプはかなり薄手だから春とかも大活躍している。夏以外ずっと履いていれる。しかも、登山用だから丈夫で1年2年もつタフさがお気に入りだ。
ちょっと寒くなってくるこの時期、実は寒さも身体によくない。下半身を中心に温めて、健康に秋を楽しもう。