わたしが防災をおしゃれに伝える理由
日本で暮らすみんなの防災意識が、もっと高まればいいのにって本気で思っている。
ほんの数年前まで、防災なんて1ミリも興味がなかったわたしが。
今では暮らしと備えのアドバイザーとして活動している。
人生って…わからんなぁ。
「暮らしと備えのアドバイザー」とは、わたしが勝手に作った言葉だ。
整理収納アドバイザーが防災士になったから、ふたつ合体させたら「暮らしと備えのアドバイザー」という新しい肩書ができあがった。
正直なところ、肩書なんてなんでもいい。
わたしはただの家好き人間で。
暮らしのことを考えるのが大好きなふつうの2児の母が、日本の暮らしの防災力を底上げしたいという思いを抱き、そのアイデアを発信している。
整理収納アドバイザーとは、その名の通り整理して収納を考える専門家だ。
もともと整理収納は好きな分野で、さらに子育てにも活かせるとなれば本気で学ぶ価値があった。
だから、整理収納アドバイザーと整理収納教育士の資格を取得した。
家の中が整理されていると、家事も育児もラクになる。
まず、探し物が減る。
「あれがない!どこいった?」と探す時間ほど、人生においてもったいない時間はないと思っている。
モノだらけの中で探し物するなんて、マリオでいうと最後の面でクッパを倒すくらい難易度高い。
ちゃんと整理されていればモノが失くならない。
もし見失ってもすぐ見つかる。
マリオでいうと1−1面くらい簡単になる。
探し物をしなくていい暮らしはお得だ!
そして、生活動線を考えて収納場所を決めることで、いろんなことが時短になる。
食器を洗って片付けるまでの距離。
洗濯物を畳んで仕舞う時間などなど。
動く距離も時間も、あらゆることを短縮することが可能だ。
家事が早くラクに終われば、自分の好きなことに使える時間が増える。
これはかなりお得だ。
一方で、防災はどうだろう。
「もしものときの備え」って。
そのときがやってくる確率はどれくらいあるのか?
…ほとんどないんじゃない?
値段のわりにおいしくなさそうな長期保存食を備えては、賞味期限が切れて処分するズボラな自分の未来が目に浮かぶ。
防災リュックにほしいデザインのものはないし、玄関にヘルメットを置くなんてもってのほかだ。
だってわたしは、「好きなもの」だけに囲まれて、シンプルに暮らしたいんだから!
それに、どう考えても防災は「お得」ではない。
そんな、防災なんて1ミリも興味なし!だったわたしの意識が変わったのは、2018年6月18日。
大阪北部地震の日だ。
震源地に近いわが家は大きく揺れた。
当時子どもたちは小学1年生と年中さんで、まだまだわたしが守ってあげないといけない幼さだった。
だからなのか、とても…こわかった。
子どもが怪我をしたり、死んだりするかもしれない災害は、こわい。
地震の揺れも怖かったけど、それ以上にモノも知識もなにひとつ備えていないことに震えた。
水も食料も生活用品も、ストックがなくなったら徒歩2分のコンビニへ行けばどうにでもなるはずだったのに。
地震のあとは割れ物だらけになって店が閉まってしまった。
開いているお店を見つけても、棚はすっからかん。
想定外。チーン。
そりゃそうだよな。
みんな同じこと考えて、水や食料を買いに走るわな。
なぜそんなことすら想像できてなかったのだろう。
「1週間は同程度の余震に備えてください」といわれましても。
なにをしたらいいのですか状態。
スマホで検索したら出てくる「備えの一覧」は、地震のあとはほぼ手に入らない。
モノもない、知識もない。
今後余震があるのかないのかもわからない中で、ただただ不安な時間を過ごした。
もう二度と、あんな不安な時間を過ごすのはごめんだ。
防災は「お得ではない」と思っていたけれど、どうやらちがうぞ。
地震や台風、停電など、今後起こりうる不安な状況下で、「安心できる備えがある」ということは、お得な気がしてきた。
得かどうか、で考えるところが関西人っぽくてお恥ずかしいが(関西の人すみません)、立派な原動力になってくれている!
そこからのわたしは、自分の家で備えられることを徹底的に考えた。
そもそも、「もしものとき」って具体的になんのこと?
再び大きな地震が起こる可能性はあるのか?
今住んでいる家では、どんな災害のリスクがあるの?
それらをひとつづつ、納得できるように調べて、自分にもできることを考えた。
防災グッズは、「これだったら欲しい」と思える好きなデザインのものを探して揃えていった。
収納方法は、めんどくさがりな自分でも管理をつづけていけることを一番のポイントにした。
そして少しずつ形になっていった「暮らしになじむわが家の防災アイデア」を、Instagramで発信した。
すると、なんということでしょう。
フォロワーさんがみるみる減っていくではないですか。
そんなこと、ある?
初めての経験だった。
「私たちは今まで通り、北欧インテリアや整理収納の投稿がみたいんだ!防災なんて、興味ないよ!」
そんな声がきこえてきそうだった。
数ヶ月で3千人、あっさり減った。
当時(2018年)で、そんなに一気にフォロワーさんが減った人、他にもいるのでしょうか。
涙ちょちょぎれ案件である。
そして、その経験から痛感した。
防災は、伝え方がむずかしい。
大切だよ!みんなも備えなきゃだめだよ!なんて言われても、へぇ、で終わる。
しつこく言われると、耳を塞ぎたくなるかも。
だって、防災ってめんどくさそうだし、お得じゃないからね。
自分がそんな感じだったからよくわかるのだ。
日本に暮らすみんなの防災意識を高めていきたいなら、どう伝えるかは大きな課題になる。
わたしは、私自身がやる気になった考え方で発信するしかない。
それが「おしゃれな防災」だ。
防災だからって、堅苦しく考えすぎず、自分が好きなデザインで「もの選び」を楽しんでほしい。
暮らしと防災はつながっているから。
好きな暮らしやインテリアをあきらめずに、防災といいバランスで楽しんでいけるアイデアを、これからも提案していきたい。
そしてここでも、整理収納の知識がいきてくる。
すっきり暮らすことは、防災にとても有効なのだ。
だからやっぱり、整理収納はお得である。
今年もあと2ヶ月。
家の中を少しずつ整理してみませんか。
というわけで、「暮らしのこと」のマガジンも追加しました。
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