マガジンのカバー画像

暮らしのエッセイ

6
運営しているクリエイター

記事一覧

何者にもなれていない私を救ったもの

先日、訳も分からず涙が止まらなくなる1日があった。そのときのことを、ただただ記録として残しておきたいので、ここに書くことにする。 私はずっと、誰かになりたいと無自覚に感じていた。幼い頃は、姉のように生きたくて、習字が上手な友だちになりたくて、好きなものを好きと自慢げに言えるあの子になりたくて。 学生時代は、どこに行っても明るいあの子になりたくて、物事を俯瞰して見ているこの子になりたくて。 社会人になれば、子どもたちから好かれるあの先生になりたくて、好きを仕事にしているあ

暮らしのエッセイ|小さな無料図書館

誰でも本を手に取って、持って帰ってもいい。その名も「little free library」 オランダの家の玄関の前に、小屋を見かけることがある。のぞいてみると、その中には本が並んでいた。写真の場合は、ドアを出てすぐだ。 このlittle free libraryの活動は、アメリカから広がったもので、second handつまり中古品を活かすこと自体は、オランダをはじめ北欧でも生活に根づいているようだ。 気になった本があれば手に取っていい。気分転換に外

暮らしのエッセイ|手づくりドレッシング(Pestoベース)

自分で調味料を組み合わせ、お気に入りのドレッシングができたら最高だ。 ・ペスト(ジェノベーゼソース) 小さじ1 ・ハニーマスタード       小さじ2   ※ハニー小さじ1、マスタードを小さじ1でも大丈夫 ・バルサミコ酢         小さじ1 ・塩              少々 ・こしょう           少々 ・オリーブオイル        多め(ペストの味を薄めるため) 味見をしながら、ペストやオリーブオイルの量を調整して完成。 この前、オランダのお家で教

暮らしのエッセイ|民族を受け継いだ人々の想いが今ここにある

人々の想いが集まる場所がすき。それを改めて感じた今日の一瞬を、ていねいに書くことにします。 私は、日本の地域がだいすきだ。田舎も街の路地裏も、その土地土地は面白い。例えば「田舎は何もない」という声もあるけれど、そこにこそ自然とともに生きている人々の想いや願い、暮らしの知恵が現れている。所変われば品が変わるように、その地域の習慣や風俗にふれる国内旅に夢中だったこれまで、日本国外にまで、まだ興味が広がっていなかった。 今日、それが覆った。 オランダライデン市にある国立民族学博

暮らしのエッセイ|やらない努力

ものすごく平凡な、ある一日の気づきをていねいに書きます。 晩ごはんを食べ終わり、満タンになった食器洗浄機のスイッチを入れて、テーブルをふく。食後の楽しみ、Netflixで見始めたホラーのシリーズ「Stranger Things」を見る準備をする。お酒もチーズも準備万端。手に汗をかきながらホラーを見る。1話では物足りず、2話続けて毎晩見る。 見終えるころには、食器洗浄も完了しているので、ふたを開けて自然乾燥。歯みがきと寝る支度を済ませるころには、自然乾燥も済んでいるので、食

暮らしのエッセイ|変えられるものと変えられないもの

私には、いつも心のそばにある言葉があります。 相手を変える最も簡単な方法は、自分が変わること。 中学の頃、友達関係や部活のこと、自分の進路のことで「なんでうまくいかないの?」と漠然と悩んでいた頃に出会ったこの言葉。うまくいかない原因は相手にあると思い込んでいたけれど、自分の考え方や捉え方、つまり思考の枠組みを変えてみれば、ずいぶん生きやすくなることに気づいたのです。 価値観も経験も育った環境も違う相手を変えようとするのは、すごく労力がいる。そのこと自体、可能なのかどうか