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石原路子さんのテディベアによるフェルメールの世界の再現〜魅惑のフェルメール・ブルー〜

フェルメールは、日本で最も人気がある画家の一人です。筆者は、2018年に上野の森美術館で開催されたフェルメール展において、上野公園内を延々と2km余りつづく、入場待ちの列を目の当たりにして、入場を断念したのを思い出します。

フェルメールの作品の特徴は、「青」へのこだわりです。宝石ラピスラズリを粉末にした高価な絵の具を使って、際立つ青を表現しました。そのため、絵の中の青は「フェルメール・ブルー」と呼ばれています。

そんな青に注目して、我が家の楽屋の俳優達にフェルメール作品の再現に挑戦してもらいました。

まず、最初の作品は「手紙を読む青衣の女」です。青い上着をはおって、一心に手紙を読む女性が描かれています。

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フェルメール作「手紙を読む青衣の女」(1663~64 )アムステルダム国立美術館1)

再現にあたって、女性を演じるのは青いテディベアです。2脚の青い椅子は、小さな青いテディベアの友情出演と、白神貴大さんの青いビーズガラスの器で表しました。テーブルと画中絵は、川月清志さんのトレーとフォトフレームを用いました。テーブル上に置かれた本は、海文社の豆本「小倉百人一首」です。

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青つながりだけで、ちょっと無理がある、この空気感はいかがでしょうか?テディベア達の一生懸命な演技を楽しんでもらえたら嬉しいです。

つづいての作品は、「絵画芸術」です。画中の画家は、フェルメール自身だと言われています。青い衣装をまとったモデルの女性は、ギリシャ神話の女神クレイオをモチーフにしたとされています。クレイオは文芸の神で、その象徴として分厚い書物を抱えています。画中絵にはオランダの地図が描かれています。

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フェルメール作「絵画芸術」(1666~67)ウィーン美術史美術館2)

再現にあたって、モデルの女性は、小さい方の青いテディベアに演じてもらいました。腕に抱えている本は、豆本「小倉百人一首」です。画家役は、ベージュのテディベアになってもらいます。キャンバスとイーゼルは、川月清志さんのフォトフレームです。画中絵は、オランダ旅行の土産に買った、オランダの風景を描いたタイルです。手前のカーテンは、ウームブロカント倉敷で購入したアンティークの壺で代用しました。

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この空気感はいかがでしょうか?テディベア達の真剣な演技を、楽しんでもらえたら、嬉しいです。


引用文献

1)朝日新聞出版・編:フェルメールへの招待. 朝日新聞出版, 2012. P14-19

2)同P20-25

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