春が来て、西村孝子さんによる寄せ植えの肥後菫が白い花を咲かせました。花を石原路子さんの白いテディベアが眺めています。山野草の寿命は2年ほどだそうです。創作・テディベアは作家や持主よりも長く生きます。この出会いは、時空に瞬くものと、しばし留まるものとの交差でした。メメント・モリ・・
テディベア作家、石原路子さんによる渾身の作品です。毛並みは、野生動物のように縮れ、乱れています。さらに、リアルな人のように、顔が左右非対称です。大きな瞳をしていて、僅かに左に首を傾げています。顔や体に藍がうっすらと滲んでいます。全身で哀しみを湛えていて、とても惹かれました。
テディベア作家の石原路子さんが岡山フェアに出展されていたので行ってきました。ブースには石原さんが作りためた作品が多数展示され、壮観でした。その中で二体の苦悩するテデイベアが目に飛び込んできました。二体は人を癒やすために生まれたんじゃなくて、何のためでもなく、存在だけがありました。