白神典大さんのガラスの片口
倉敷市本町の、みうち雑貨店では、2021年4月23日〜5月5日まで、倉敷出身のガラス作家、白神典大さんの個展「こもれび」が開催されています。白神さんの作品は、ビーズ状の小さな色ガラスを使って、造形されています。それぞれの器は、小さな光がゆらいで、木漏れ日、のようです。
展示作品のなかで、黄色と赤を基調とした、片口が目に留まりました。
そのガラスの色彩から、かつて見た、ルイス・C・ティファニー作の窓装飾「ヘレングードルの風景」、通称、「鹿の窓」を想い出しました。
「鹿の谷」ルイス・C・ティファニー作, 1910年*
「鹿の谷」は、島根県松江市に2001年に開館した、ティファニー庭園美術館に展示されていました。開館間もない美術館を訪れて、ティファニーによるガラス装飾美術の世界に引き込まれたのを覚えています。美術館へは、続けて二度訪れました。
美術館は、2007年に閉館してしまいましたので、今は、もはや、作品を見ることができませんが、20年を経て、こうしてガラスの化身と出会うことができました。また「鹿の谷」と再会できることを願いました。
*堀内武雄・監修:アール・ヌーヴォーとルイス・C・ティファニーの世界 日本美術へのオマージュ. ルイス・C・ティファニー庭園美術館, 2001, p73