石原路子さんのテディベアによるピエール・ボナールの華麗なる絵画世界の再現
ピエール・ボナール(1867年〜1947年)は、ポスト印象派の先端を行った画家です。その特徴は華麗な色彩表現です。
近年、本国フランスで人気が高まり、2015年にオルセー美術館で開かれたピエール・ボナール展は、歴代2位の入場者数を記録しました。
筆者は2018年に東京・新国立美術館で開催されたオルセー美術館特別企画 ピエールボナール展を訪れました。会場で最初に出会ったのが、「アンドレ・ボナール嬢の肖像、画家の妹」でした。
ピエール・ボナール作「アンドレ・ボナール嬢の肖像、画家の妹」1890年 * (愛媛県美術館)
今回は、この象徴的な絵画の世界を、石原路子さんによるテディベアで再現してみました。
絵には、2頭の犬が登場しています。手前の活発な犬は、横山ゆきえ さんによる絵付けの小さな磁器で表しました。その後ろの大人な犬は、石田和也さんの酒杯で置き換えました。人物の衣装は、阿部眞士さんによる紅のぐい呑みで表現を試みました。人物が持っている手提げかごは、備前焼きの漁網の重りで代用します。背景の森は、小橋順明とQuiet House による胡麻と桟切りがよく発色した一輪挿しで代表しました。森を飛ぶ蝶は、maruさんによる備前焼の蝶を装飾した小さな額を配置しました。人物の足下の赤い花々には、ハイジさんが爪楊枝を使って手編みした毛糸の赤い靴下を用いました。
この空気感はいかがでしょうか?
皆さんにテディベアの演技を楽しんでもらえたら、とても嬉しいです。
*国立新美術館, 日本経済新聞社・編:オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展. 日本経済新聞社, 2018. P36